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CV:銀河万丈(石黒版OVA)/ 堀秀行(Die Neue These)


概要編集

田中芳樹の小説『銀河英雄伝説』の登場人物。


地球教の大主教にして、総書記代理という重職についており、地球教の教団組織においては総大主教に次ぐ地位にある。


作中ではラインハルト・フォン・ローエングラムの即位後に登場するようになり、主に謀略について手腕を発揮している。


キュンメル事件後にアウグスト・ザムエル・ワーレン上級大将率いる地球教団討伐艦隊が派遣された際には、信頼できる部下たちと共にいち早く教団本部を脱出し、総大主教の身代わり(※1)を用意して自身を信任させることで、地球教団内における事実上の最高指導者になりおおせた。


その後は、アンドリュー・フォークを精神病院から連れ出して洗脳(※2)し、武装商船でヤン・ウェンリーを襲わせるが、フォークを撃破した帝国軍艦艇にこそ真の暗殺団が潜んでおり、ヤン提督の暗殺に成功した。


また、後にはウルヴァシー事件を起こして皇帝ラインハルトの命を狙うが、コルネリアス・ルッツが自らの命と引き換えにラインハルトを無事脱出させたため失敗した。


しかし、ウルヴァシー事件の調査に当たっていたアルフレット・グリルパルツァーが自己の栄達目当てで地球教関与の証拠を握り潰したことから、グリルパルツァーの上司に当たるロイエンタール元帥は半ば追い詰められる形で反乱を起こした結果、他でもないグリルパルツァーの裏切りにより致命傷を受け死亡した。(後にメックリンガー提督によりウルヴァシーの一件が明るみに出て、グリルパルツァーは死罪を言い渡される)


最後は「病気が治癒した皇帝ラインハルトは、地球教の信仰の拠り所である地球そのものを破壊するつもりである」というオーベルシュタインが流した偽情報に踊らされる形で、実際は危篤状態にあったラインハルトが静養するヴェルゼーデ仮皇宮におびき出される。


ド・ヴィリエ自身は帝国相手に自分以外の反帝国勢力の情報を提供する司法取引により命を長らえるつもりであったが、彼を捕まえたのがユリアン・ミンツだったことが運の尽きであった。ヤン・ウェンリーを殺されたことに対する激情に突き動かされたユリアンに何度となくブラスターを撃たれ射殺された。


解説編集

上記のように謀略面においてはかなり有能な人物である。


ただしド・ヴィリエ自身は地球教の教義への信仰心は持ち合わせておらず、教団に入信したのは自己の立身出世の手段に過ぎない。本編でもしばしば内心あるいは他人がいない場所での独白で、他の信徒たちを「愚かな狂信者共が」「馬鹿どもが」などと侮蔑している。


ただし、本編での地球においては地球教団による政教一致の政治体制が敷かれており、本来地球を統治する権利と義務を有するはずの銀河連邦やゴールデンバウム朝銀河帝国も地球を事実上無視していたため、地球社会において立身出世するには、地球教団に入信する以外の手段が無かったという、地球社会の実情は考慮すべきであろう。


また、ワーレン艦隊により地球教本部が壊滅し総大主教も殉死(※3)して以降は、上記のように総大主教の身代わりを用意しても、ド・ヴィリエ自身は総大主教になることはなかった(自薦はおろか他薦すらなかった)。


他の老大主教達があくまで帝国と同盟の潰しあい・両倒れを目指していたのに対し、彼はあえて帝国に権力を集中させた上で皇帝を傀儡化して邪魔な臣下を調略の上で抹殺して暴君化、その上で地球教に支持を集中させて政教一致体制をしく、という目的を持っていた。一方で、全く同じ考え方を持っていた協力者の一人アドリアン・ルビンスキーに対しては以前から警戒しており、何度か総大主教にも進言している。


備考編集

※1:ド・ヴィリエ曰く「その男は自分が総大主教だと思い込んでいた。白痴だが一種の暗記機械でな」とのこと。どのような手段と経緯で用意したのかは不明。藤崎竜版コミックスでは立体映像に変更されている(AIを駆使しての捏造映像の可能性もあり)。


※2:より正確には、フォーク准将の内心の願望を徹底的に肯定しておだて、ヤン・ウェンリー暗殺に向かうよう仕向けた。


※3:石黒版OVAでは、自爆し崩れ行く本部の大ホールにて、他の信者ととともに殉教せんとするシーンがある。

関連タグ編集


銀河英雄伝説 地球教 デグスビイ主教


魔術師、還らず:ド・ヴィリエの陰謀の成功例。


ヨブ・トリューニヒト自由惑星同盟の政治家。自身の栄達の身を考えている人物という点では同じ。


アドリアン・ルビンスキー


バグダッシュ:「主義主張などというものは、生きるための方便です」


ギレン・ザビ:石黒版OVAでの中の人繋がり。フォーク准将の中の人アムロ・レイなので、見ていると非常にシュール。ただし、信徒たちに向けてギレン総帥さながらの煽動演説を行うシーンは無い。

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