「汚らわしい人間共め…」
「我が苦しみと憎しみを知るがいい… 」
概要
CV:佐藤允
シシ神の森に生息している猪神や猪たちを束ねるリーダーであり、現在のタタラ場がある領域の森に同胞たちを集結させ、森を切り開こうとする人間たちを実力で排除し続け、大いに悩ませていた。
乙事主やその部下の台詞から、彼が率いる鎮西の猪神の一派とは同族である模様。乙事主が白、一般的な猪神が茶褐色の毛色なのに対しナゴの守は栗色(明るい茶色)である。体躯も一般的な猪神よりもずっと大きい。
雄々しく勇猛であったとされ、鎮西の山の主の猪神達からも美しく強い兄弟だと評価されている。
しかし、エボシ御前が石火矢衆を率いて討伐に乗り出してくると情勢は一変、その威力の前に同胞は殲滅され、ナゴの守自身も重傷を負い、苦しみと死への恐怖、劣勢から森を逃げ出す。
そして、長い逃避行の中で周囲の邪気を取り込みつつ、怨念などの負の感情を増大させ、ついにはタタリ神に変じてしまい、シシ神の森から遥か遠く離れたエミシの村へと辿り着くこととなる。
堕ちたとはいえ神は神であり、人が手を出すことは禁忌とされたが、村を守るために「神殺し」を決意したアシタカによって討たれる。アシタカヒコが髷を落としてアシタカになったことも、「神殺し」を行い神性を失うという二面性を表現しているともされる。
それにより身体を覆っていた邪気が払われて本来の姿と意識を取り戻すも、彼の魂を慰め鎮めたいという村人らに対して人間達への呪詛の言葉を吐きながら絶命。その骸は瞬く間に腐って溶け、後には悪臭を放つ骸骨だけが残された。彼の毛はタタリの高熱と毒で焼け落ちている。
つまり、ナゴの肉体はとっくに限界を迎えてアンデッドに近い状態になっていたということである。
また、エボシを殺そうとした際など、右腕が明らかにナゴの意思を宿していたと思わしい場面も見られた。
最終的にアシタカの呪いはシシ神が解いたが、ナゴの魂が安らぎを得たのか、それともシシ神が自分と一緒にナゴの魂をあの世に連れていったのかは不明である。
- もしそうだとしたら、九州の猪神達が抱いた「なぜシシ神はナゴを助けなかったのか?」という疑問に、ナゴの魂を導くことによって救済するというシシ神なりの答えを出したことになる。
ジブリの関連
- アシタカがナゴに呼び掛けた際の「名のある○の主」という表現は、後に『千と千尋の神隠し』でも河の神を指す際に使われた。河の神もナゴも、人間によって悪影響を受けて姿が大幅に変化した自然界の神々であり、周囲に汚染を撒き散らす存在になってしまい、主人公達に「何か」を与えた点が類似している。
- ゾンビやアンデッドの様になったジブリキャラは意外と多い (さらに言えば、幽霊化しているキャラクターはさらに多い)。
- ゾンビに近い例
- 巨神兵(腐敗した肉体で行動)
- ゾンビに近い例