「ミシャもやかましいにゃー。
『分からず屋には拳で説得しろ』ってお師匠様が言ってたにゃー。
ウチはそれを忠実に守っただけにゃー。
ミシャも拳で説得されたいかにゃー?」(web版・書籍版)
プロフィール
概要
本編の主人公である魔法使いの青年『マグナス』がプロローグで勇者ユージン率いる勇者パーティーを追放された後にマグナスの後釜として加入した女武闘家。
キャラクター像
女武闘家なだけあってチャイナドレスを着ており、両手の甲にはスパイクの付いたナックルのような武器が装着されている。
また、猫モチーフのネコ人族(ケットシー)なだけあって、語尾に「にゃ」が付く。
その思考回路はユージンと同レベルの脳筋で、極めて短絡的かつ暴力的で有り、記事冒頭にある師の教えを間違った解釈をして行く先々で暴行を加えてはトラブルを起こす常習犯でも有る。
その上、劇中では『勇者パーティー』という格の高い集団に加われた事もあってか、ユージンが次々に起こす理不尽な暴虐行為(たかりや無銭飲食、暴行など)を目の当たりにしても彼を諫めたり被害者の男性に謝罪もせず、それどころかヒルデと共に便乗して、自らもそれに参加したり、被害者に対してゲラゲラと嘲笑うなど、完全にその立場に胡座をかいているかのような、傲慢且つ調子に乗った態度を見せていた。
しかしその一方でマグナスに救われた際には、命の恩人と感謝する(Web版及び書籍版では「惚れたにゃー!」とすら言っている)など、受けた恩に対する礼を言えるだけの(最低限の)良識は一応持っている。
経歴
マグナス追放後に勇者パーティーに入り、貴族であるドミタスからの依頼で『魔法の杖』を探す勇者パーティーが偶然前任のマグナスと会した際には、彼を嵌めようとしたユージンやヒルデに乗っかる形で嘲笑っていたが、まだそこまで関わる事はしなかった。
それから暫く経ったある日、ユージンが秘術鍛冶師のバゼルフに自分の剣の強化を依頼しに彼の工房を訪れた際に、礼節を弁えなかった事からユージンの依頼を断ろうとしたバゼルフを、「穴掘りチビ(ドワーフ)の分際で、ごちゃごちゃやかましいにゃー!」という罵声と共に実力行使に出て蹴り飛ばし、それに便乗する形でユージンも彼を暴力で脅して強引に自分の剣『フレイムソード』を作らせようという勇者らしからぬゴロツキ同然の暴挙に出てしまう(因みにバゼルフを脅して無理矢理鋳造したフレイムソードは「ウチらがマオーを倒して、ラクスティアに凱旋した暁には、返してやるにゃー」と言いながらそのまま対価も払わず持ち去った)。なお、コミカライズ版ではこのバゼルフの工房での狼藉は『ユージンが悪漢そのものな表情で「魔王を倒したら返してやるよ ギャハハハ」とバゼルフの愛用の金槌を強奪し、ニャーコもヒルデ共々便乗してバゼルフを嘲笑う』というシーンに短縮変更されている
それから更に数日後。
ラクスタ王国王室お付きの学者《ナルサイ》からの依頼された品(『ブナビア洞窟の奥地でしか咲かない珍しい花』)の納期遅れで依頼の無効を申し渡されて揉めた際に、ナルサイの口からマグナスの名を出された上、彼と引き合いに出される形で散々こき下ろされたユージンがその帰路、八つ当たりから街中で遊んでいた子供に暴行を加えた事でそれを見ていた街の人々から勇者パーティーの悪行(無銭飲食や言いがかりによる略奪、暴力行為、等。コミカライズ版ではいずれの回想場面でもニャーコはヒルデと共に便乗して好き放題に振る舞ったり、ゲラゲラと嘲笑っていた)に関する陰口と共に、マグナスがユージンと真逆に数々の善行によって街の人々から尊敬と好評を集めている事を聞かされる。
同じくそれを聞いたユージンも「〈勇者〉より優れた〈魔法使い〉なんているわけがねえ」「マグナスより凄い事を成し遂げて、本当に優れてるのはどっちか、ラクスタ中に知らしめてやる」と『マグナスが自分よりも方々から評価されている事が許容できない』という逆恨みや妬みが動機ながらも、ようやく勇者らしくやる気を見せ始める。
……が、ユージンがやろうとした『マグナスより凄い事』とは(攻略に必要なレベルも全く足りていないにもかかわらず)『魔王軍の幹部である八魔将の一人『魔拳将軍デルベンブロ』が待ち受ける『死の山』に挑む』という無謀極まる挑戦であった。
自らも勇者パーティーの一員としてこれに同伴するニャーコであったが、案の定デルベンブロとの戦いではユージンは勿論の事、パーティー内で一番レベルが高かったミシャや、同じく前衛担当の自身の攻撃も全く通用せず、遂には腕や脚にダメージを負うなど、瞬く間に劣勢に追い込まれてしまう。
さらにここへきて、ユージンはあろうことか「駆け落ちしよう」と嘯きながらヒルデの手だけを取ると、仲間である筈の自分やミシャを見捨てて尻尾を巻くように逃げ去ってしまった。
当然そんな勇者にあるまじき腰抜けぶりや醜態に、流石のニャーコも唖然とするしかなかった。
当然、デルベンブロからは大笑いされた上に、残された自分達は「自涜にも飽き飽きしていたところでね」と堂々と慰み者にする事を宣言され、先にミシャと違ってグラマラスだったニャーコは捕まって酷い目に遭ってしまう。
そこへマグナスが現れ、他作品の正統派な勇者と同等の高潔な精神を持つマグナスの手によってデルベンブロは討伐され、自身も助けられる。
最終的にデルベンブロの城から生還後、ユージンの意気地の無さに失望し、「ユーシャさまに愛想が尽きたにゃー」と、勇者パーティーから離脱宣言をしたものの、それまで引き起こしてきた乱暴狼藉その他諸々の罪状を被害者たちから改めて訴えられて投獄され、物語からフェードアウトした。
この事はweb版・書籍版ではマグナスがナルサイから聞いた事で判明。コミカライズ版ではユージンがヒルデから聞いた事で判明しており、後者ではニャーコはユージンのように被害者から迫害される報復を受けたのかは不明だが、ボロボロかつ奴隷のような囚人服を着せられた姿で手枷と鉄球付きの足枷を装着された状態で収監されている様子が描かれており(彼女の性格上投獄される際に暴れて抵抗した可能性が高い)、後ろ姿で暗い牢屋の中で壁に力なく寄り掛かって孤独に踞っている様がより一層悲壮感を漂わせているが、全ては因果応報であると言える為、刑期を終えて無事更正できるかは彼女次第である。
人間関係
勇者パーティー
自分が加入した勇者パーティーのリーダーを務める勇者。
『極めて短絡的且つ暴力的』という共通点があるためか、前述のニャーコのバゼルフに暴行する場面では、ニャーコを諫めずむしろ賛同してバゼルフを脅迫した。
自分が加入した勇者パーティーに属する女僧侶。
自分が加入した勇者パーティーに属する女戦士。
立場上は先輩に当たるが、バゼルフの工房での暴挙の際には諌めようとした彼女に脅しをかけていた事から、見下していた事が窺える。
魔王軍
魔王モルルファイに仕える幹部『八魔将』の内の一人で、正式名称は『魔拳将軍デルベンブロ』。
前述の通り、ユージンがヒルデを連れて逃亡した際はニャーコはミシャと共に置き去りにされてしまい、『ニャーコがグラマラスな身体をしている』ということもあってルベンライト(デルベンブロの右腕)に性的な意味で酷い目に遭わされてしまった。
その後は後述のマグナスがデルベンブロを討伐したことで解放され、ミシャ共々デルベンブロの城からの生還に成功している。
その他
かつてニャーコの前任として勇者パーティーに所属していた魔法使い。
彼とは直接あまり関わっていないが、ユージンやヒルデから彼に関するあらぬ悪評を吹聴されたのか、初めて出会った際にはユージン達と共に彼を嘲笑ったり、デルベンブロの城で再び会った際には単身挑みに来たと聞いて「信じがたいにゃー」と言うなど、見下しているかのような態度をとっていたが、実際にデルベンブロと戦う彼の姿を見た事で彼に対する評価を改め、彼がデルベンブロを打倒した際は命の恩人と感謝している。
因みにマグナスの方はニャーコに対して興味を抱く事もなく、名前を知ったのも自身が投獄された後、ナルサイから(投獄された経緯を含め)聞かされた際が初めてであった(web版・書籍版のみ。コミカライズ版では名前を知る機会があったのか不明)。
ユージンが自身の剣を強化してもらうよう依頼しようとしたドワーフの秘術鍛冶師。
上述通り、最初は交渉で話を進めようとした勇者パーティーだったが、ユージンの礼節の無さ、そしてニャーコの短気に逸って手を上げた事から破綻、強盗まがいな暴挙に及ぶ事となった。さらにその際、ニャーコはドワーフである彼に対し「穴掘りチビ」と蔑む様な呼び方をしており、種族別に差別感・偏見視を抱いている模様。
王都ラクスティアにある屋敷に住むラクスタ王家に七代に渡って仕えている学者の家系の男性。
『ユージンが彼から依頼を受けるも1ヶ月も経過していた事』と『その間にマグナスが別口でナルサイから依頼を受けてその日の内に達成した事』から依頼の無効を言い渡されると、逆上したユージンがバゼルフの時のように暴力で脅して報酬をふんだくろうとするも、ラクスタ王家との繋がりを用いた脅しを逆にかけられたため、ヒルデが割って入ってフォローしたため、許しては貰えた。
だが、その際にナルサイがユージンをダメ押しと言わんばかりに嘲笑ってバカにした事で、ユージンのマグナスとナルサイへの逆恨みと憎悪の感情を募らせる一因となった。
- ニャーコの師匠(仮)
ニャーコに武道家としてのイロハを叩き込んだ師匠。
作中では一切登場しないが、ニャーコは前述の通り師匠の教えや修行でつけた力を間違った解釈をしたり(寧ろ己の悪行の言い訳や理由付けとして師の教えを利用していた節も見受けられた)、悪行を成すための力として悪用しているため、もし仮にニャーコが刑期を終えて出所できても、ラクスタ国王がユージン達の悪行をアルセリア全土に広めている関係上、全てを知った師と対面したらニャーコは確実に破門を言い渡されるだろう。
補足
バゼルフに暴行を加えたシーンがニャーコの初台詞だが、コミカライズ版ではそのバゼルフに暴行を加えたシーンが1コマに省略されてしまい、1章終盤のマグナスがデルベンブロの居城で勇者パーティーと出くわしたシーンが初台詞になっていると少し割りを食ってしまっている。
書籍版1巻の挿絵には一切登場しないキャラクターであるため、コミカライズ版にてようやく容姿が判明したキャラクターである。
また、前任であるマグナスは、奇しくも後にサブ職業として武闘家の職業を修得している。
総評
劇中では問題のある行動や言動が目立ち、ミシャと違って、ユージン達の悪徳行為に便乗してしまったが為に、最終的に『投獄』という勇者パーティーの中で(ある意味)一番破滅的な結末に至ってしまった彼女であるが、一部の読者からは「もう少し早くマグナスと絡むなどして、勇者パーティーや自分の人間性を客観的に見つめ直す機会があれば、取り返しがつかなくなる前に更生し、マグナス達とも仲間として打ち解ける事もできたのではないか?」「ユージンやヒルデよりは改心の余地はあったし、ビジュアル的にもキャラが立っていたのだから、あのまま退場させてしまったのは惜しい」という声も上がっている。
関連タグ
「攻略本」を駆使する最強の魔法使い 勇者パーティー(攻略本)