「ジュラララ…」
概要
400年以上前にジャヤの原住民から「カシ神」と呼ばれ畏怖されていた大蛇の孫にあたる個体であり、ノラという名前は「野良」からとって……ではなく、当時の原住民の少年・セトが大恩人にちなんで名付けたもの。しかし現代ではその名前を知る者は居なくなってしまっていた(後述の経緯を経ているのをみたところチョッパーが聞いて広めてくれたのだと思われる)。
空島特有の環境がそうさせたのか、はたまた長年生きたためか、それともカシ神の血を引いているからか…いずれにせよその体躯はアナコンダやサンドラ大トカゲの非ではなく、眼球だけでも一般的な成人男性を上回るほど。現在ではアッパーヤードに生息する最大最強の捕食者として島の生態系の頂点に君臨していた。
一般的に蛇は鳴かないと言われるが、彼(?)の場合は 「ジュラララ!!」 と盛大に咆哮する事も多い(幼少期は 「チュラララ」 と鳴いていた)。
元々は案外人懐こい性格で、セトやノーランド、カルガラなどに懐いていた(実はノーランドやカルガラに親や祖父(?)に当たる個体が殺害されているのだが、ノラ自身がその事実を知っていたのかは不明)。シャンドラの遺跡に安置されていた黄金の大鐘楼の音色を気に入っており、普段はその音がよく聞こえる遺跡に居付いていた。
しかし、ジャヤが“突き上げる海流(ノックアップストリーム)”によって上空1万mの積帝雲まで吹き飛ばされた際に巻き込まれる形で空島に来てしまい、その衝撃や地形の変化によって遺跡から放り出されてしまった。
以来、アッパーヤードと呼ばれるようになった島の密林の中で、激変した環境下でも生き残り、先代・先々代の個体にも劣らないほどの巨大な蛇へと成長。
途轍もない巨体を誇りながら、驚くべき俊敏性と機動力を秘めており、ウェイバーなどではたとえ全速力でも逃げ切るのは至難の業。さらに鱗や皮はワイパーの燃焼砲による攻撃を受けてもびくともしないほどの防御力を有し、おまけに牙には大木や石材をも瞬く間に腐食させる凶悪な猛毒を持つという、最早遭遇する事自体が死を意味しているといっても過言ではないほど危険な生物と化しており(しかも祖父には人が生贄として捧げられていた事、体内に人骨が入り込んでいた事から分かるようにその気になれば人間を捕食することもできる様子)、その存在を知る人物からは「空の主」と呼ばれ、恐れられている。
しかし、元々人間と接点を持ちながら生きていたことはしっかり覚えており、明確に敵対するわけではないのであればとても気性が良く、仲良くなった人間まで無作為に襲うような事は無い。大鐘楼の音色は今なお大好きで、偶然にも数百年ぶりにシャンドラの遺跡に辿り着いた際には大粒の涙を零しながら大鐘楼を探し回り、その音色が響き渡った(ある目的のためにルフィが叩き鳴らした)際には今は亡きカルガラ達の事を思い出し号泣しながら歓喜の咆哮を上げていた。
あまりに巨大であるため、獲物は地形ごと喰らい付いて呑み込んでしまう場合がほとんど。そのため、体内には消化できない遺跡群の一部や動物の骨などがそのままの状態で散乱している。シャンドラの遺跡に遺されていた黄金の一部も呑み込んでいたため、偶然それを発見した麦わらの一味はノラが爆睡している隙に大きく開いていた口から体内に侵入、時価3億ベリー相当にもなる大量のお宝の回収に成功した。そしてこれが後々一味の未来に大きく影響する事となる。
現在は空島の住人と打ち解けて暮らしている模様で、扉絵連載にて描かれた2年後のスカイピアでは、一味が提供したらしいゴムを彼が咥えてバンジージャンプを行う「ノラバンジー」というアトラクションが開園されている。