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概要
第16話でハリーの優しさにときめいたのを筆頭に、彼に何かあると真っ先に心配したり、1人で抱え込みがちな彼を気にかけたり、第24話や第25話ではハリーに赤面したりと、物語が進むにつれてほまれがハリーに対し特別な感情を抱いている様子が増えてきている。
それが恋愛感情なのかどうかは本編ではなかなか断定はされなかったのだが、第25話でのさあややアンリなど鋭い人々の反応から「ほまれはハリーに惚れている」と思っているのは間違いない様子。
そして第32話でさあややアンリの認識通り「ハリーに対して恋愛感情を持っている」という事実が具体的に明らかにされた(この時、以前から察知していたさあやに続き、愛のプリキュアであるえみるとルールーもほまれの気持ちをなんとなく察していた様子だったが、彼女らは第43話にてハリーへの好意に驚いていたため恋心までとは解っていなかった模様)。
ほまれのハリーに対する感情表現が話を追うごとに豊かになっていくのに対比して、ハリーは大切な仲間達を危険に巻き込ませたくないという思いがゆえに様々な感情を心の底に封印して一人で抱えこんでいる。だが、それを悟らせないように飄々とふざけた態度を取っている。
ほまれ以外のプリキュアメンバーはハリーが悲劇的な過去に囚われずに楽観的な態度をとっていることを「大人」の余裕であるとして安心感を得ているが、ほまれだけは彼が無理していることを気づいており、仲間達がいないタイミングでは「無理しないでわたしたちに甘えて欲しい」と言う言葉を真摯な目つきで掛けている。
本編の展開
2人の出会い、少し気になるアイツ(第1クール)
◼️第4話
初遭遇。特筆するべき点としては人間態のハリーが初対面だったプリキュアはこの時点でほまれのみであるということ(後のえみるは第9話にてハムスター態が初対面、ルールーも初出撃の第7話を初対面とするならハムスター態が初となる)。
また、ほまれがプリキュアの正体を知った第5話でも(当時はプリキュア未覚醒だったからか)ハリーの正体は隠されており、ハムスターとしての姿を知った描写があるのは第6話からである。
◼️第5話
ビューティーハリーの開店に向けて内装を決める際に助っ人としてはなに連れてこられる。悪趣味と化した店内を見かねてハリーの要望に合わせた内装に変えるファインプレーを見せるも、プリキュアになれなかった自分に対するはなたちの優しさが辛かったのか足早に店を去ってしまう。追おうとするはなに対してハリーは、
「そっとしといたれ。十分がんばっとるヤツにがんばれ言うんは酷やで」
とほまれを気遣う様子を見せる。
その後色々あって自身のトラウマに打ち勝ち、キュアエトワールに初変身することができたほまれをはぐたんと共に見守り、「いったれ!キュアエトワール!!」と彼女にエールを送るハリーであった。
◼️第8話
「自分の心に素直になるんが大事な時もあるで」
若宮アンリにモスクワ行きを勧められ、迷うほまれにそう言葉をかけるハリー。「イケメンアドバイス」と茶化すように付け足すハリーにほまれはムッとしたような照れたような表情で、「よく言うよ…アンタが一番素直じゃないじゃん」と返す。それにハリーは「何の事やら」とはぐらかした。
終盤、アンリに対してはなやさあやと出会った今の自分をスケートで表現してみせるほまれを見て微笑みキラキラとしたエフェクトが舞うハリーというカットが挿入される。
このように、序盤は初期の他2人とは違った距離感と空気のあったハリーとほまれ。
しかし、第12話のパジャマパーティーでハリーが自分たちの素性を明かした際、微妙な変化の兆しを見せていく。
◼️第12話
パジャマパーティー中にはぐたんに歯が生えていることに気づき、離乳食を食べさせる一同。はぐたんの成長を喜ぶ中で、はぐたんのミルクを飲む姿がお気に入りであったほまれは思わず
「ミルクを飲むはぐたん、めっちゃ可愛かったのにいつか見られなくなるのかな、ちょっと寂しい」と呟くが、それに対しハリーは
「それがええんとちゃうんか?確かに大きなってできんくなることってのはある。けど、またそれ以上にできることが増えていくってのがええんとちゃうんかな」
と返す。ハリーが意識したのかは不明であるが、これは成長によってジャンプが跳べなくなっていたかつてのほまれにも重なり、成長したからこそはなやさあやたちと出会い新たな表現を学んだということへのある種のアンサーとも言えるであろう。
それからさらに夜は更け、パジャマパーティのくだけた雰囲気に乗せられてほまれはハリーに以前から気になっていた事を尋ねる。
「みんなのおかげで、俺たちの未来に近づけてる気ぃするわ。クライアス社の連中が来る前の……大好きなあの頃に…」
ほまれが尋ねたことにより、ハリーが自分とはぐたんの素性の一端を話す。
滅ぼされた遠い故郷に想いを馳せるハリーに対しはなとさあやが盛大なボケをかます中、ほまれはその横顔を潤んだ瞳でただ見つめていた…。
恋心の芽生え、意識しだすほまれ(第2クール)
◼️第16話
百井あきから師匠と敬われて重責を感じ、さらにそれが原因で未だ自分を不良だと誤解している十倉じゅんながあきと仲違いしてしまったことを悩むほまれは、色々と手を尽くして2人を仲直りさせようとするが悉く失敗。
結局仲直りできない2人を見てほまれは1人ビューティハリーに赴く。
そして気落ちを誤魔化そうとはぐたん相手に遊ぶも、その不自然さをハリーに勘づかれてしまう。当初こそ気慰めにチョコミントアイスを勧めたりといつものように道化な素振りを見せていたハリーだったが、ほまれの抱える悩みの深刻さを察すると急に真面目に。
「いつも一緒におるからわかるわ」
「…何もないって言ってんじゃん!」
結局、問い詰められるのが嫌で店から出ていき、公園で雨宿りしながら一人物思いにふけるほまれだったが、いつのまにかハリーが迎えに来ていた。
相変わらず「アイス……溶けるやろ」とおちゃらけているが、服はずぶ濡れで足も泥だらけで、傘も差さず必死に自分を探し回ったことを悟るほまれ。
「でも、傘一本しか…!」
さっさと去ってしまった彼を追おうと傘を開いてみれば、晴れていたのは空だけではなく、ほまれの心もだった。
一連の流れは雨の演出や効果・レイアウトなど随所でやたらと気合の入ったシーンであり、2人の今後が期待される。
因みに、すぐ近くでその様子を観察していたルールーによるとほまれのバイオリズムは「心拍数は153まで上昇、発汗して瞳孔が開いていおり、集中力は67%低下している」らしい。
ハリーが立ち去った直後にルールーからこのことを指摘されたほまれは顔を真っ赤にしてテンパってその場を立ち去ってしまうのだが、当のルールーはほまれの集中力の低下を利用して彼女のプリハートを盗んでしまっていた。
気が動転していたほまれはこのことに気づけなかったばかりか、ルールーが計測機器も使わずにバイオリズムを正確に測れたことに疑問を抱くこともできなかった。これが後の大ピンチと悲劇を生むことになるとはその時のほまれは知る由もなかった。
第16話放送後、なんと『ハリほま』がTwitterのトレンドに入っており、この回を機にハリほま好き、またはハリほまに注目する人が増えたと言っても良いだろう。
事実、これ以降2人が絡む描写がある話では『ハリほま』のキーワードがトレンド上位の常連となっている。
なお、この回のチョコミントアイスの件から、ハリほま好きの間ではチョコミントアイスがハリほまを象徴する食べ物になったとかならなかったとか。
◼️第17話
お気付きになられたハリほま好きの方も多いだろうが、今までハリーのことを「ねずみ」や「アンタ」と呼んでいたほまれが、初めてハリーのことを名前で呼んだ回である。そして、ルールーの攻撃を受けたハリーを真っ先に心配して無事を確認していた。
◼️第19話
ハリーの様子がおかしいことにいち早く気づき、「どうしたの?」と声をかける。
また、隣同士でいる場面が比較的多くあった。
◼️第20話
はぐたんを連れて3人でお買い物。一緒にいるのが当たり前のようになってきている。
……が、今回に関しては仲良くとまではいかず、ハリーがプリハートを残り1つしか持ってきていなかった為、えみるとルールーのどちらかしかプリキュアになれない状況にほまれは憤懣やるかたない思いを抱き、「どうしていつも大切なことを誤魔化すの?」と彼を咎める。
それでもハリーはとぼけるだけで、ほまれはそんな態度に彼がまだ何かを隠しているのではと疑念を深めていた。
危うく口論になりかけた時、劇中で初めてジョージがはな以外の相手として3人に接触。
それまでの雰囲気はどこ吹く風で、はぐたんを「宇宙一ですわ」と自慢するハリーにほまれは呆れたように、それでいてはぐたんを誇るかのように笑う。
しかし、2人はジョージからはぐたんの「お兄さん」と「お姉さん」と呼ばれるも、ほまれは年齢的にそう捉えられても確かに不思議ではないが、ハリーは普段はぐたんの父親と周囲には認識されており、ほまれもまた外見が若々しい母親という可能性も決して否定はできない。
そうでないと予め断定していたジョージは、最初から2人とはぐたんの関係性を知っていたということに…?
そんな得体の知れない違和感をジョージから感じ取ったのか、去り行く彼を見つめるハリーとほまれの表情は何かを警戒したかのように険しかった。
◼️第21話
張り切って仕事をしようとする度に空回りし、ルールーに八つ当たりしてしまったことを悔やんで落ち込むえみるの前にはぐたんを連れて揃って登場。何も知らない人から見たら赤ちゃんのお散歩をしている若夫婦にしか見えない。
2人でえみるを優しく諭す様もやたらと堂に入っていた。なお、えみるを励ますハリーにほまれが意味深な反応を示すカットが一瞬差し込まれている。
今回はどうして一緒に出歩いていたのかは特に説明されなかったが、裏を返せば「この2人をセットで出すシーンを日常の中で作っておくこと」がスタッフ側の方針としてあることが窺える。
◼️第23話
はぐたんの成長を皆が喜ぶ中、どこか浮かない表情をハリーは垣間見せ、それをほまれだけは気づく。
遂に直接その魔手を伸ばしてきたプレジデント・クライの出現によって事態がさらに深刻化。そして、ミライクリスタルが8個以上揃っているのにはぐたんが「元の姿」に戻る気配も見られない。
はぐたんの件はハリーにとっては完全な想定外だが、元の姿に戻ればはぐたんがクライアス社に狙われることになるのでむしろこれは幸運と見るべきかも知れない。後ろ向きだがそう考えざるを得ず、自分が隠し持っているミライクリスタル・ホワイトを見つめながらため息をつく。
ハリーははぐたんのことも、ミライクリスタル・ホワイトのことも、大切な仲間と思っている筈のプリキュア達にその秘密を明かすことができていない。
そんな自分に自己嫌悪して夕暮れ時に1人思い詰めるハリーに、買い出しから帰ってきたほまれが声をかける。
ここ最近、彼が何かを悩んでいることをほまれは見抜いており、ずっと気にかけていた。第20話で口論になりかけた時のことも、少しきつい事を言ってしまったのではないかと引きずっていたのである。
ハリーは大丈夫だと笑顔を浮かべほまれの頭をポンポンと撫でて子供扱いするものの、ほまれはどこまでも真剣だった。
「無理矢理には聞かない。けど、マジできつい時は1人で抱え込まないで……それだけは約束して!」
その言葉と共に小指を差し出したほまれに、ハリーも真面目に応え、2人は指切りを交わす。
◼️第24話
ナイトプールでポップコーンを販売するハリーをほまれは遠くから見つめていた。
イケメンな彼に対して女性客から黄色い歓声が飛び交うが、その様子にほまれは頬を赤らめ、そしてなんだか切なそうな複雑な想いの入り混じった表情をしており、真後ろにチャラリートがいるのにもかかわらず話しかけられるまで全く気付けずにいた。
明かされるハリーの過去、恋の空模様はやや荒れ気味?(第3クール)
◼️第25話
全国のハリほまファンの皆さま待望のメイン回。
はぐくみ神社の夏祭りに出かけ、ハリーに浴衣と髪飾りを褒められたほまれは思わず赤面しながら誤魔化す。実は何気にハリーの方も少し頬を染めていた。
かたぬき勝負でハリーとの一騎打ちになった際、ついハリーの手に接触し意識してしまいほまれの手が止まる描写があり、この瞬間からさあやは何となく彼女の気持ちを察した様子で、その後も(はぐたんは別として)2人きりになれるよう配慮している。また、通りすがったアンリもほまれの変化に気づいたようで意味ありげに茶化していた。
※愛のプリキュア2人の立つ瀬が…
さあやの気遣いもあり、水入らずで花火見物の場所取りに向かう中、ひょんなことから2人は互いの境遇を語り合う。
ほまれの家庭環境は両親の離婚などかなり複雑で、ハリーもまた未来世界では親を知らないストリートチルドレンだった。
そうした境遇の中でも自分を信じ支えてくれた母親の為にひたむきな努力を続けるほまれを、ハリーはいつになく真剣な声で「たいしたもんや」と感心する。
「そんなことないよ」
「そんなことある」
ほまれの姿勢に心を打たれ、そして指切りの約束を思い出したハリーは遂に自分の秘密を打ち明けようと決心するが、それもビシンの襲来によって頓挫。
「俺の問題や」と1人でビシンを引き付けるハリーだったが、太刀打ちできずに捕まり、ビシンの口から元はクライアス社の一員で改造実験を受けた被験者だという真実が暴露される。
アクセサリーのチェーンを破壊され封印されていた本来の姿と化してしまい、暴走したハリーは攻撃を躊躇うプリキュア達を見境なしに蹂躙するが、それでもほまれはその前に立ち塞がって必死にハリーに呼びかけ続ける。
「何してんの…? これが今までアンタの隠してきたこと!? クライアス社の社員だったから? 改造されたから? その程度で、わたしたちが離れると思ったの!? そんなわけ……ないでしょ!!」
思い起こすのは、降りしきる雨の日に自らを省みずたった一本の傘を持って来たハリーの優しさ。無力を痛感しながらそれでも生身でオシマイダーに立ち向かおうとした時、真剣に制止してきたハリーの手。
ずっとハリーが秘め続け1人で抱え込んでいた負い目や引け目も、凶悪な怪物としての姿も、ほまれにとってもはや何一つ関係なかった。
「何が『オレの問題』なの? 『わたしたちの問題』でしょ! 約束したじゃん……一緒にやってこうよ…」
怯むハリーにほまれは迷わず手を差し伸べ、理性を失い本能の赴くままに牙を剥いている筈のハリーも恐るおそる手を伸ばす。
小指と小指が触れ合い、それはまるで…あの時交わした指切りのように。
そんなハリーの脳裏に断片的に過去の記憶がオーバーラップする。彼はかつて凶暴化した状態で檻の中に入れられていた所を、未来世界のプリキュアと思わしき存在によって救われ、チェーンの制御装置を施され今の状態に至ったのだ。
プリキュア・トリニティ・コンサートを受け浄化され、今まで一緒に過ごしてきた姿になり正気を取り戻したハリーは、プリキュアと共にこれからも在り続けるとビシンに言い放つ。
今回は矛を収めるもののビシンは当然ハリーを手に入れることを諦めておらず、狂気じみた怒りと嫉妬をほまれに向けていた。
かくしてほまれとビシン、2人の因縁の火蓋がここで切って落とされることに。
戦いが終わった途端に疲労でダウンしつつ謝るハムスター形態のハリーだが、ほまれはその頭を指で撫でながらいつになく殊勝な彼の態度に逆に釘を刺す。許すことなど何もないかのように朗らかに微笑んで。
「何で謝るの」
そして手のひらにハリーを乗せ、ほまれは夜空に燦然と輝く花火を眺めるのだった。
◼️第26話
厳しい暑さが続く中、アイスクリームを食べるほまれの頭の上に乗りハムスター態のハリーがぐでっと寝転んでいた。ほまれは全く気にしていなかったので、彼女自身も許可していた模様。
なお、ほまれが口にしていたアイスクリームは色合いからしてチョコミントアイスである可能性が高い。
◼️第28話
ハリーとほまれの2人ともの出番が多かったのにもかかわらず、2人の絡みが劇中でほぼ皆無だった珍しい回。他の4人がハリーへの確固たる仲間意識をビシンに宣言する時も、ほまれだけ吹っ飛ばされていたので会話に参加できなかった。
今回はほまれの愛犬もぐもぐがタレント猫に恋をするというエピソードで、ほまれともぐもぐの絆を目立たせるためにハリほま描写を意図的に薄めにしたようである。
ただ、前話における次回予告でもぐもぐが恋をしていることをさあやが推測し「こ、こ、こ、恋!?」と激しく動揺するほまれにハリーが驚き過ぎだとツッコミを入れる一幕があった。
なお、犬と猫という「種族の違うもの同士の恋」ということでハリほまに繋げるかという期待もあったがそのあたりもスルーされた。とは言え、視聴者の間では"ペットは飼い主に似る"と妙に納得されたが。
ちなみに「種族の違うもの同士の恋」というネタについてはえみルーに繋げられる形でちゃんと拾われてはいる。今回はかなり濃厚な百合キュア回でもあったので、ノマキュアのハリほまとは相性が悪かったのかも知れない。
◼️第30話
温泉旅館で湯上がりのハリーを見て、ほまれが一瞬見惚れる反応を示すシーンがあった。同じ浴衣姿でも夏祭りの時とはまた異なるのだろう。
◼️第32話
全国のハリほまファンの皆さま衝撃のメイン回。
この回でほまれが自分の気持ちを"恋"だと自覚していることが初めて判明した。
スケート大会で三度連続の優勝を果たし、仲間たちによる祝勝会でハリーからもお祝いとして手作りの特製シャーベットを渡された時に赤面し、それをさあややえみる、ルールーなどに察せられる(はなだけは分かっているかどうか微妙な表情)。因みに、ハリーはシャーベットの他にまたしてもチョコミントアイスの存在を推していた。
世界を目指すと決めたほまれは、梅橋先生に世界中のプロのアスリートでもできるのはほんの一握りの4回転半ジャンプをやりたいと申し出る。
梅橋先生からは練習内容は考えておくから項目はお前が決めろと言われ、ほまれは図書館で絵本を参考にすることに。この時『人魚姫』を読んでいたほまれだが、絵本の王子様をハリーに重ねて恥ずかしがるという何とも乙女で可愛いらしいことをしていた。
一方クライアス社では、ハリーはどうして戻ってこないのかを理解できないビシンがドクター・トラウムに相談していた。トラウムはそれを知るには本人の心を覗くしかないとして、相手の深層心理をバーチャル空間に変える事ができる装置をビシンに渡した。
ビシンはその装置をオシマイダーと融合させ、街に襲来をかける。
いつものようにかけつけてきたプリキュア達。当然、ハリーも一緒だ。ビシンはプリキュアには目もくれず、オシマイダーからの光線をハリーに当てようと躍起になる。だがそれを庇おうとエトワールが駆け寄ったため、その光線はハリーとエトワールの双方に命中。2人は一緒にバーチャル空間に閉じ込められ、その世界は2人の心象風景が混じりあったものとして形成されることに……
ほまれが目を覚ますとなんと下半身が人魚になっており、ほまれはビックリ。→人魚ほまれ
そう、このバーチャル空間は、ほまれが先ほど読んでいた絵本の『人魚姫』の世界となったのだ。
そこに王子の姿で海に沈んだハリーを見つけ、助けるほまれ。しかしこのとき、ほまれはハリーのことを認識していたのに、ハリーはほまれのことを全く認識していなかった…。
ひとまずハリーを陸に置き、海に戻ったほまれは元の世界に戻るべく人間になる薬を飲む。
再び目が覚め人間態で浜辺に倒れているところを、ハリーに発見されお姫様抱っこでお城に連れていかれる。
その後、黄色いドレスを着てハリーと舞踏会でダンスしながら、これまで彼と過ごしてきた記憶が蘇り心臓の鼓動が大きくなるほまれ。
感極まったほまれは、ハリーに自分の本心を打ち明けようとする。しかし、その時に舞踏会場に謎の女性が現れ、ハリーはダンス中にもかかわらずほまれを放ってその女性のほうへ駆け寄ってしまう。
ベールで顔が隠れているが、どうやらハリーがよく知っている女性のようだ。
ハリーは「また会えて、良かった…」と、今までプリキュア達にも見せたことのないような表情を見せる。
何故ほまれのことは憶えていないのに、その彼女のことはよく覚えているのか。
その疑問に答えるかのように、そこにまたビシンが現れた。
「王子の一番大切な人だよ」
「ボクも驚いたよ、ハリーにもいたってことだね。一番の相手がさ」
ここはハリーとほまれの心の世界。気持ちが登場人物と重ならなければ、この世界は形成されない。
そして『人魚姫』は悲恋の話。王子は人魚姫を選ばなかったというのがこの物語の本質だ。
そしてハリーとその女性が見つめ合う中、二人の時間は停止する。これは、過去の美しい思い出に閉じこもり永遠を作り出したいという思いがハリーの中にもあったという事だ。
「ハリーは最初から王子役にはまりすぎて、君のこと忘れてたみたい」
ショックを受けるほまれにさらに追い打ちをかけるようにビシンは真実を語り、傷口を抉るように言葉責めを続ける。
「ねぇ、さっきハリーに何を言おうとしたの? ねぇったら!」
「…うるさい」
「ヒャハハハ! ハリーがお前なんかを好きになる訳ないだろ! さっさと泡になっちゃえばぁ?」
「……誰がなるか…っ」
「やせ我慢してないで早く壊れろよぉ!! 前からお前が気に入らなかったんだ! もう限界なんだろ!?」
必死に耐えていたほまれの中で、遂に何かが崩れてしまった。
人間になる薬を受け取った際、他の人魚たちが言っていた「王子様の一番になれなかったら泡になってしまう」という代償が実現するかのように、絶望したほまれは足元に空いた穴から深い海に落ちていく。
「想いを捨てなさい」「全部なかったことにすればいい」「そうすれば、あなたの心は守られる」
まとわりついた人魚たちが次々とそう囁きかけ、ほまれの体も電子データの泡と化しながら、光届かぬ海底に沈んでいった。
と、そこにバーチャル空間に取り込まれてしまったハリーとほまれを助けようと懸命に猛オシマイダーを叩くキュアエールの声が届く。
「世界を目指すんでしょ!? クライアス社にやられている場合じゃないよ!!」
人の気持ちも知らないで…と愚痴をこぼすほまれだったが、自分で世界を目指すと決心したことを思い出し、こんなところで挫けてられないと思ったのか、もう一度ハリーのいる場所を目指して浮上し、海面を跳躍して飛翔した。
「沈んだ分、高く飛ばなきゃね!」
驚愕するビシンと対峙し、真っ向からのぶつかり合い。
「痛みを抱えて生きていくつもりかよ! そんなの…辛すぎるだろ!!」
「……そうだね」
激闘の末ビシンの持っていた装置を破壊し、攻防の中で半狂乱になった彼の本音を耳にしたほまれは、憂いを帯びた瞳で哀しげに呟く。
「アンタと私は似てる…嫌になるくらいにね」
崩壊していくバーチャル空間の中で見つめ合いながら停止しているハリーと謎の女性を一瞥し、儚げに微笑みながらほまれは静かに告げる。
ビシンと違い、ベールを捲って女性の顔を確認しようともしなかった。
「何も聞かないよ。こんなやり方…フェアじゃないから。その代わり……わたしの気持ちも、もう少しだけ内緒にさせて…」
原典の物語では声を奪われていた人魚姫のように、ほまれの言葉がハリーに届くことはない。
そしてバーチャル空間からハリーを連れて脱出し、元の世界に戻ったほまれはチアフルスタイルで猛オシマイダーを見事に倒した。
脱出した後はハリーはもう王子様のような姿ではなく、バーチャル空間に閉じ込められた時のハムスター形態に戻っていた。全てが終わった後、目を覚ましたハリーは何も憶えていないと言ったのに習い「右に同じ」と嘘を吐く。そして呑気な態度であくびをするハムスター態のハリーを憮然とした表情で撫でながら、ほまれは彼に一つのお願いをする。
「わたしの前ではしばらくその姿でいてくれる? 大会に集中したいからさ」
ハリーはほまれの真意がわからず「へっ?」と返したが、ほまれはそんなハリーを愛おしそうな微笑みで黙って見つめるのみであった。
ちなみにこのハリーの「大切な人」についてだが、ほまれが海底に沈みつつある時にビシンがベールを捲って顔を確認しており、彼女の正体に気づいたビシンは「やっぱりお前か… もういないくせにハリーの心にずっと居座り、僕から奪うつもりか!」と激昂している(視聴者側には彼女の顔はわからないようなアングルになっていた)。
「もういない」の解釈の仕方は色々あるが、少なくともビシンは「ハリーは二度とこの女性再会することができない」という前提で語っていることは確かなようだ。
◼️第33話
アンリと共にインタビューを受けながらスケートの練習に励む中、ハリーとの舞踏会を恍惚の表情で思い浮かべ、優雅なスピンを決めて満足気なほまれの視線の先には、やはりハリーの姿があった。
はぐたんを可愛がる彼の様子に頬を紅潮させつつ、ほまれはどこか切なげに、それでいてどこまでも愛おしそうに微笑む。
前回のことがあったのでどうなるか放送前は2人の接し方を不安視する意見も多かったが、少なくてもほまれの想いは揺るがず、仮に報われないとしても決して恋を諦めていないことが窺える。
だが、ハリーのことで手一杯なゆえか。あるいは、身近な存在すぎて逆に見抜けなかったのか。
ほまれはもっとも付き合いが長い者の異変に気づいていなかった…。
◼️第36話
全世界の時が止められるという未曽有の危機を迎える中、それぞれ各地のプリキュアを招集すべく奔走。
朝日奈みらいの箒に同乗してプリキュアを捜索する際、ほまれが妖精枠たちを一手に抱きかかえていた。
ほまれの感想としてはみんな揃って「きゃわたん!」であり、2人の直接的な会話はなかったのだが、構図的にどう見てもハリーがほまれの胸に密着しているとして話題に。
◼️第38話
町内会のハロウィン祭りを舞台に、ハリーが「一番大切な人」を忘れられないことへの苦悩が見出されるエピソード。
次回予告時点ではハリほま回と期待されていたが、まさかのハリはな回。
恋愛要素は描かれていなかったが、はなとハリーの絆の強さが改めて描かれた。それを強調するためにも、ほまれは今までの流れからするとむしろ不自然なくらいにハリーと絡む演出が自粛されていた。
一方、そんなハリーがはぐたんを抱いた時のはなに「大切な人」の幻影を重ねてしまうシーンが最後の最後に挿入されたことに、これをどう解釈すべきかとハリほまファンの間で動揺が走ることになる。
それぞれの恋の結末。その先の未来(第4クール)
◼️第40話
今までの話の中で、視聴者が薄々感じていたことがついにハリーの口から語られる。
すなわち、はぐたんは未来世界のプリキュアが赤ん坊化した姿ということだ。
そして、そのプリキュア「キュアトゥモロー」こそが、第25話で存在だけほのめかされていた「クライアス社時代のハリーの心を救ってくれた恩人」ということも判明した。
これ以上のことはハリーは口にはしていない。だが、人魚姫の世界でハリーに「誰よりも大切な人」がいることを知っているほまれは当然ながら、真実に気づいてしまう。
(ハリーは人魚姫の世界でのことを覚えていないため、自分の秘めた思いがほまれに知られているとは思ってもいない。罪な男である)
はぐたんの秘密を聞かされる中、ほまれの唇はわずかに震えていた。だがそれ以外の表情はあえて見切れたアングルになっている。ハリーも含めた多くの仲間達がほまれのそんな様子に気づけない中、さあやだけは何かを気づいたようだが…?
■第43話
ハリほまのクライマックス 初恋の終わり そして輝ける未来へ
かつてドクター・トラウムはこう言った。「未来は望んだ結末だけを運ぶとは限らない」と。
この言葉の意味は、物語が終盤になるほどプリキュアとその仲間たちにも重くしかかってくる。
その典型がアンリだった。選手生命の終わりを受け入れ覚悟したところに、さらに襲いかかる理不尽。輝く未来が一瞬で消え去り、スケートどころか車椅子でしか生活できなくなったアンリだったが、それでも彼はひとときの夢にわずかな希望を見出し、新しい未来を探そうと足掻いていた。その崇高とまで言える姿に、ほまれは心を締め付けられる。
それに比べて、ほまれ自身は「なりたい自分」から逃げていないだろうかと。
それから、ほまれはスケートに狂ったように打ち込む。ほまれが「なりたい自分」は一流のスケーターなのだから。……そのはずなのだから。
少なくともスケートの練習をしている時はそれ以外の「なりたい自分」に思いを馳せてしまうことはなくなる。
そして同時に、ほまれは練習に集中するという名目で、ハリーと意識的に距離をとるようになっていった。
…が、ハリーがいつものように軽口を叩きながらほまれに絡み出すと、ほまれは逆に意識し過ぎて顔は真っ赤。ハリーに一方的に悪態をついていつも逃げるように去っていく。視聴者からすれば無理していることがバレバレであったが、当のハリー本人はほまれの乙女心には全く気付かず、大会前だからピリピリしているのかもしれないという理解だった。(もっとも、はなやえみる、ルールーも全然気づいていなかったが…)
しかし、さあやだけは違った。ハリーの前から逃げ出して1人で黄昏ていたほまれに対して相談に乗る。「普通にしようと思うのにいつもハリーにはきつく当たっちゃう」とため息をつきながら愚痴るほまれに、さあやは「好きな人のことを考えていつも心配しているほまれはかわいいよ」と慰める。だが、ほまれは少しバツの悪い表情。
「いや、好きとか…… バレバレ?」
観念して自分の本心を認めるほまれ。今まで視聴者にもバレバレであったが、ほまれがハリーのことを好きだと作中で明示されたのは実はこれが初めて。
好きなら告白しないのと尋ねるさあやに、ほまれは「あいつ、未来に帰っちゃうじゃん」と寂しげに一言。さあやはそれで納得していたが、これはほまれの本音ではない。
ほまれが告白を躊躇している本当の理由。それはハリーには「一番大切な人」がいるという事実ゆえだった。
ハリーが「大切な人」に感じている思いが、ほまれがハリーに感じているものと同じだったのなら…
と、そこにタイミング良く(悪く?)、ハリーが「何話しとんのや」とやってくる。テンパりながらさあやはその場を去り、ほまれはしどろもどろ。
ほまれの様子に違和感を覚えたハリーは、彼女の手を握って逃げられないようにする。
そして「大会のことで悩んでいるのはわかるけど、リラックスも必要だ」と、アイスでも食べるかと誘おうとするが、ほまれは「優しくしないで。大会が終わるまでハリーとは会いたくない!」と言い放つ。
流石のハリーもこれには少しショックを受けてしまう。そしてその言葉通りに2人はしばらく接触がなくなることに…
大会前日。
ほまれが遅くまでリンクで滑りの練習をしていると、車椅子のアンリが彼女を激励に来た。だがそこでダメ出し。「全然集中できてない。自分の心から目を逸らしてる。恋をしているほまれは素敵だと思うけど?」
アンリには自分の気持ちをお見通しだろうと恋のことは否定しなかったが、アンリの言葉自体には反論する。「今はスケートに集中したいの。アンリやお母さんのためにも頑張らないと」
自分の心から目を逸らしているのではなく、余計なものに目を向けないようにしているだけだ… それがほまれの言い分。今は恋とかに悩むフェイズではない。
だがアンリは、ほまれがスケートをするのは自分のためじゃないのかと問う。本当に余計なものに目を向けたくないなら、アンリのためとか母親のためとかでなく、自分の心のままに滑るべきだと。
「100%の輝木ほまれを見せてくれ。それがボクたちの笑顔になる」
アンリの言葉に言い返せなかったほまれは、家に帰っても1人悩んでいた。眠れなくて縁側で月を見ていると、そこに母親のちとせがやってくる。「珍しいわね。いつも大会の前は早く寝るのに。もしかして男の子のことで悩んでいるとか?」
冗談のつもりだったがズバリだったのでほまれは言い返せない。母親も図星だったことに少し焦ったが、娘の悩みに真摯に答える。「恋は難しいよね。告白しても絶対付き合えるわけじゃないし、一度くっついても別れちゃうこともある」
ほまれの母は離婚している。この言葉は実体験でもあるのだ。そして母は言葉を続ける。
「でも、お母さんはお父さんのことを好きになってよかった。一緒にいて傷つくこともあったけど、たくさんの宝物もくれた」
ほまれは母への思いはよく語るが、父に対してどういう感情を持っていたのかは不明である。だが、母のこの言葉はほまれにとっては意外だったようだ。少し驚くほまれに、お父さんがくれた一番の宝物はほまれだという。出会って好きになって結婚して子供を産んで傷つけあって別れて今がある。
「ほまれちゃん、よく笑うようになった。もし傷ついてもその笑顔をくれた友達が、涙を吹き飛ばしてくれる」母は娘に、傷つくことを恐れず勇気を出せるようエールを送る。
大会当日。
ほまれの出番の直前、さあやたちはハリーを連れ出し、会場に向かって廊下を歩いてきたほまれと鉢合わせさせる。
不意のことにほまれは少し驚くが、これがさあやたちが仕掛けたことと瞬時に気づく。もちろんここでいつものようにハリーに悪態をついてそのまま会場に向かってもハリーは疑問にも思わないだろう。
だが…
じっと立ったまま黙りこくるほまれに、ハリーが「どうしたんや、もうすぐ本番やろ」と訝しむが、その直後にハリーがいい機会だからとほまれに謝罪を始めた。
「オレ、お前に謝らんといかんよな。真剣に頑張っとる時に茶化すようなこと言って。けどなオレ、お前を応援しとる、それはホンマの気持ちで…」
いつものハリーらしくない、不器用ながらも真摯な言葉。それはほまれのことを本当に大切に思ってるから。でも、それが「一番」ではないことをほまれは知っている。たまらなくなったほまれは怒ったようにまくし立てる。
「ほんとに鈍感…… ギャグつまんないし、すぐふざけるし、大事なこと隠すし、ネズミだし」
流石にこの暴言にはハリーも「はあ?」と返すが、ほまれの言葉は止まらない。
「なんでだろ、アンタといると全然うまくしゃべれないし」
「ケンカしちゃったり、そんなのばっか」
「なのに…」
「アンタが好き」
「輝木ほまれは、ハリーのことが大好きです!」
そこまで言ってから、ほまれは俯く。ハリーの顔をまともに見ることができない。
そしてハリーはその言葉でようやく今までのほまれの態度に合点が行く。自分が鈍感なせいでどれだけほまれを傷つけていたのか……… ハリーはたまらずほまれを抱きしめようとするが、その手をあえて止めた(ハグがテーマの作品でこれは挑戦的な演出と言えるのかもしれない)。
そして、ほまれに対して言葉をゆっくりと紡いだ。
「すまん………オレはおまえの気持ちに応えられへん」
「未来に帰っちゃうから?」
「そやない。オレも気持ちを伝えたいと思っておるヤツがおる」
「それをうやむやにしたまま、おまえの気持ちには応えられへん」
「ごめんな…」
わかっていた結末。
俯いたままのほまれは、必死に握った拳でハリーの胸をコツンと軽く小突く。
そして顔を上げ、「ありがとう、スッキリした!正直に言ってくれてサンキュ!最高のスケート滑るから見てて!」笑顔で返す。目からは大粒の涙を流しながら。
そしてその様子を見守っていた仲間たちの元へ帰ると、堰を切ったようように大泣きをした。
みんなも何も言わず、ただ一緒に泣き続けた。悲しみを一緒に背負ってくれる友がいることは、ほまれにとっては何よりも救いであった。
そしてしばらくしてからほまれは涙も枯れたと言わんばかりに笑顔を見せ「星を掴むために私は飛ぶ!」と決意表明する。
そして臨んだ大会では、ほまれはアンリが言ったように心のままに滑る。
今までのハリーへの思いを形にするように。
「不思議…すごく集中できる。バラバラになってた心が一つになったみたいに」
「ずっと思ってた。片思い………かなわない恋に意味はあるのかなって……… でも!」
そのほまれの目に、徹夜で作った応援旗を振り上げ、懸命に声援を送るハリーの姿が映った。
「きっとあった! ドキドキした気持ちも、胸がキューッとなって流した涙も、今、わたしの心で輝いてる! フレフレわたし!」
そしてほまれは高難易度の4回転ジャンプを成功させ、会場は万雷の拍手で包まれる。
「ありがとう、みんな…ありがとう、ハリー…」
だがそのほまれの輝きをあざ笑うかのように、そこにビシンが攻め込んでくる。
ほまれが自分の思いを伝えて玉砕したことで、今度こそ彼女を闇に貶めることができると踏んだのだ。
「あれだけ教えたのにバカなやつ!」
「強がるなよ! 本当は明日なんていらないと思ってるんだろ?」
まるで自分自身に言い聞かせるように煽るビシンに対し、ほまれははっきりと言った。
「わたしは自分の大好きな人の幸せを、輝く未来を願ってる。だから時間を止めたいなんて、イケてないこと思わない!」
ハリーがあの人のことを好きにならなかったら、2人はこの時代にやってくることはなかった。その出会いがなければ、ほまれはプリキュアになることはなかったし、最高の友達と絆を結ぶことはなかった。ハリーとの出会いは何より自分を輝かせてくれた。
そして、ハリーを助けてくれたあの人の……はぐたんの幸せを願わないなんてことが、自分にできるわけがない。みんなで慈しみ育ててきたはぐたんが大人になればどれだけ素敵な女性になることか。それが手に取るようにわかるからこそ、ハリーとはぐたんの輝く未来は守らないといけない。2人ともほまれにとって大好きな人だから。
絶望どころか希望を抱くほまれの姿にビシンは怯み、最終的に撤退に追い詰められる。
戦闘後、大会の表彰が行われるが、ほまれは見事優勝。
ほまれは仲間たちと抱き合いそれに涙する。優勝したことが嬉しいのはもちろんだが、「なりたい自分」にようやくなれたと実感できたから。
ほまれにとっての初恋は失恋に終わったが、それでも、ほまれにとっては掛け替えがない最高なものだった。
■第44話
記憶調整を受けてハリーのことも忘れて今まで以上に無慈悲な性格になったリストル。
そんな彼を説得しようとしたハリーだが、リストルは一切の躊躇なく「うるさいネズミ」を消滅させるべくビームを発射し、不意をつかれたハリーはそれをまともに食らってしまう。
だが、その直前にキュアエトワールがハリーを救い出し九死に一生を得た。
さすがのハリーもいつものような軽口を叩く余裕もなく「すまん、おおきに」と震える声。逆にエトワールはおどけた様子で「いいってことよ」と軽口で返す。
今までとは逆の感じのやりとりに、2人の関係性が少し変わったことが現れていた。
それが恋愛関係でなくても、やはりこの2人は大切な相手同士なのだろう。少なくとも気まずさのようなものは全くないようだ。
■最終話
最終話でも告白した後の気まずさはまるでない、仲の良いシーンが見られる。
また、未来の世界では意味深なカットが……?