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バラルの呪詛

ばらるのじゅそ

バラルの呪詛とはTVアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」に登場する単語である。
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――※この記事には戦姫絶唱シンフォギアにおける重大なネタバレが含まれております。未視聴時の閲覧にはご注意ください――















概要

バラルの呪詛とは『戦姫絶唱シンフォギアシリーズ』の世界観において、神々と呼べる種族『アヌンナキ』によって撒かれた人間の相互理解を阻む呪いである。『原罪』とも称される。

第1期のラスボスであるフィーネは神の一柱であるエンキに想いを寄せ、それを伝えるためにバベルの塔を建設していた。ところが、現実の旧約聖書にあるように塔は砕かれ、撒き散らされた呪いによって統一言語を奪われ、人類は相互理解が出来なくなってしまう。この呪いこそが『バラルの呪詛』である。

そして言葉を奪われたことで理解できない他者への恐怖に怯えた古代人達は、互いに歩み寄るのではなく排除を選び、環境を汚染しない兵器として対人類用兵器『ノイズ』を作り殺し合いを始め滅亡してしまった。


フィーネはこの呪詛の解呪に心血を注ぎ、発生源である月――正確には月を改造して建造された遺跡を破壊するべく暗躍していた。


第2期ではフィーネが損傷させたため落下しつつあった月を元の軌道に戻すにあたって一時的に呪詛が解呪されたことで装者達が70億人のフォニックゲインを集め、シンフォギアの限定解除モード『エクスドライブ』を発動させている。


しかし第4期にてアヌンナキによって人類のプロトタイプとして造られながらも廃棄された生命体アダムが、アヌンナキへの復讐と人類の支配を企みながらもこの呪詛を解除するつもりが全くないどころかむしろ解除しない方が良いとも取れる発言をする。このことから視聴者の間で存在した「この呪詛は本当に人類への罰だったのか?」という疑問が現実味を帯びてきていた。







―――――この先には最新作の第5期『戦姫絶唱シンフォギアXV』及び、シンフォギアシリーズの核心における重大なネタバレが記載されています。閲覧にはご注意ください―――――
















真相

地球の生命の進化を促してきたアヌンナキの一柱であるシェム・ハは、地球を改造する担当であった自らの立場を利用し、アヌンナキを裏切り望むままに地球と生命を改造して星の支配者となることを企んでおり、エンキ達アヌンナキはシェム・ハを討つべく戦いを挑む。しかしシェム・ハは惑星改造システム『ユグドラシル』の稼働に必要なネットワークの生体端末としてデザインされた人類の遺伝子に自らの情報因子を潜ませており、シェム・ハを倒しても人類がいる限りは彼女は何度でも復活してしまうのである。


そこでアヌンナキが取った手段が、人類を繋ぐネットワークである統一言語をジャミング・分断し、シェム・ハが人間の身体に宿るのとユグドラシルシステムに接続されるのを阻害するという方法。

そのネットワーク・ジャマーの名称こそ「バラル」であった。



つまりバラルの呪詛は相互理解を阻む呪いではなく、身勝手な神(シェム・ハ)から人類を護る苦肉の策、言い換えれば祝福であった。つまり人類は繋がれないのではなく、繋がってはいけない状態にあったと言える。


当時のシェム・ハと刺し違えたエンキは月の遺跡を起動させてそのまま息絶えてしまい、他のアヌンナキも人類と繋がれなくなったことから地球を放棄し去ったことで、上述の通り何も知らないフィーネは彼に拒まれたと誤解。バラルを呪いと受け取り、それを消し去るべく第1期の時間軸まで生き続けていたのである。


アダムがバラルを解除しようとしなかったのは、彼はすでにこの真相を認識しており、打倒すべき相手の完全復活を阻止するためと思われる。また結果がどうあれ、呪詛がシェム・ハから人類を護っていた事実は「人は何者にも支配されるべきではない」「人を神の呪いから解きこの星の真の霊長とする」ことを望んでいたサンジェルマンの理想を真っ向から打ち砕くものであった。


なお、2期で登場したアヌンナキが使用していた星間航行船「フロンティア」はフィーネが月を破壊した後それにより世界が混乱に陥る中で箱舟として利用できるこれを用いて人類を誘導するために入手しようとしていたものだが、アヌンナキが異星の者であったこと、彼女は想いを伝えるのが最大の目的であったのを考えるにエンキ達の元へ(肝心の想い人が既にこの世にいないことを知らず)向かうためにも使用するつもりだったと思われる。






呪詛と人類の運命を決める戦い


2期終盤で呪詛が一時解除されたことに加え統一言語の残滓で作られた歌『Apple』が歌われたことで、南極の湖底に眠るシェム・ハの遺骸と彼女が力を発揮するために使っていた腕輪を封印した棺が覚醒し、その上この事件の際に魔を祓う力を持つ神獣鏡の光によって原罪「バラルの呪詛」が浄罪された人間、つまりシェム・ハの憑依を阻むものがなくなった器が出現したのである


2期の顛末からシェム・ハが遠くない内に舞い戻ってくるのを察知したアダムは対抗手段として神の力を得るために暗躍を進める。F.I.S.の活動を後押しした結果、邪魔者だったフィーネが逝き、異端技術の数々を入手しようと暗躍していた米国が失墜したことを契機に、キャロルが世界を解剖しようと分析していた地球のエネルギーの流れのデータ、神の力を呼び寄せられる場所を観測できるティキとその起動装置の「アンティキティラの歯車」の行方をパヴァリア光明結社に突き止めさせたことで4期にて計画を実行に移した。バラルの作用によって人類に神の力は手にできないと高を括っていたアダムは、人間でないオートスコアラーのティキと自身の腕を神の力の器にしようとしたが、神の力をめぐる戦いの最中、立花響がそれに取り込まれるという事態が起こり、そこから浄罪の事実が発覚した。


5期において、ついに棺が人類の前に姿を現し中身を取り出させないため迎撃機能が作動する。アダムの企みの真相を確かめようと調査に来た装者が迎撃の意味を知らずに撃破、遺骸と腕輪は取り出されてしまう。

先の戦いでアダムが召喚した神の力の強大さから国防に利用できると考えた風鳴訃堂と、物理法則を超越できる神の力によって改造された肉体から普通の人間に戻れると考えたノーブルレッドは「神の力を降臨させる」という利害の一致から協定を結び、アメリカ政府からシェム・ハの腕輪を強奪、もう一人の浄罪された人類である小日向未来を拉致し神の器に利用、「神の力」としてシェム・ハは現代へと降臨した。

しかし訃堂とノーブルレッドそれぞれの思惑がぶつかり合った結果、シェム・ハの拘束・コントロールに失敗、完全に解き放たれたシェム・ハは世界中のネットワークをユグドラシルの代用端末として起動。ノーブルレッドを自身の配下に引き入れ彼女達を月遺跡に送り込み破壊させることでバラルの呪詛を完全に消し去り、力を取り戻すことを企て野望の実行に乗り出した。


ノーブルレッドと共に装者達は月に飛ばされマリアが所持していたエンキの肉体から作られたアガートラームが遺跡の管制システムに接続されたことで呪詛の真実が判明する。襲撃しにきたノーブルレッドを止めようとするが彼女達は改造蘇生された際にシェム・ハの端末にされており、神殺しの力を宿すガングニールで倒そうとするも因子諸共葬りかねず響が躊躇ってしまった結果、ヴァネッサの攻撃で月遺跡は中枢を破壊され停止、自爆させられバラルの呪詛は消滅する。装者達はノーブルレッドの最後の力で月から脱出させられ難を逃れた、S.O.N.Gの無事と世界が一丸となってファイアウォールを築きユグドラシルに抵抗していることを知り、希望が潰えていないことを知ると呪詛の消滅でリミッターが外れたことによりエクスドライブモードを発動、地球に帰還しキャロルと合流しシェム・ハを止める最後の戦いに挑む。


倒すと未来まで死なせてしまうと止めをやはり躊躇してしまい、一時は神殺しの力のお陰で響を除いた人類はシェム・ハによって生体端末にされてしまうが、これもまたバラルの呪詛が消えたことで響の「未来(みく)への思い」に呼応した人々の「未来(みらい)への思い」が束ねられたことによってそれぞれの意識を取り戻す。

ガングニールの神殺しの力と自分が抱き続けた手を取り合う力を父立花洸から教えられた「呪いと祝福は裏表」という思いを込めたことで殺す力=呪われる力ではなく浄化=未来(みく)への祝福に置き換えて響は未来の体からシェム・ハの魂を追い払った。


残ったユグドラシルは地球内部で装者達と神獣鏡のファウストローブを纏った未来の絶唱、「7つの音階で揃ったフォニックゲイン」は世界の調和に繋がる言葉、統一言語を再現し(このことからS.O.N.Gはフィーネは言語を取り戻す方法の一つとして7つのシンフォギアを作っておいたのではと推測している)神の力に触れることができるようになり、メインシャフトを操作、地球中全てのユグドラシルを誘爆、地球の改造は停止する。装者達も巻き込まれかけたがシェム・ハが最後の力で彼女達を爆破から逃した。


シェム・ハはなぜ統合されるのを拒み傷つき合う未来が待ってる先の世界を望むのかと問う。実はシェム・ハは支配ではなく自分達アヌンナキですら争いや相互不理解を克服できずにいるのを快く思っておらず、進化の実験場であった地球で個の統合を果たすことでそれらがない世界を作り出そうとしていた。そんな彼らの抱えてきた問題や浄罪された者同士である響と未来も行き違いを起こしていたことから分かるようにバラルの呪詛がなくとも人は争いや傷つけ合いを起こしてしまい相手に思うことを全て通じれるわけではないのである。

そんな問いに対し響と未来は「簡単に分かり合えないからこそ思い合うことができるのが良い」「恐れたり傷つきながらも分かり合おうとしていく、きっと神様も知らない未来(みらい)を築いていく」と答える。その答えにシェム・ハは「ならばやり遂げてみせろ」と残し消えていった。

実際ユグドラシルの抵抗は神に屈服されようとも力を合わせることの素晴らしさを感じさせたものであり、響の意志や七人の歌で再現された統一言語は人類を繋ぎ数々の争いや悲劇で死んでいった者達が装者達の前へ現れるという奇跡のような現象を招いていた。


ここにアヌンナキからの脱却、人類が独立する時代を迎えるのであった。



余談

響が新たなガングニールに適合できたのも浄罪の効果とされており1期でのフィーネの発言や、2期最終決戦で全人類、つまりシンフォギアの非適合者からもフォニックゲインが供給された事からしてバラルはフォニックゲインの発生抑制とフォニックゲイン由来の力を持つ物との適合を阻害する効果もあったと考えられる。シンフォギアの適合者とはこの阻害が比較的低い人間と考えられその適合への難航は結果として幾つものの弊害や犠牲を生んでしまう。

聖遺物から作られるシンフォギアやファウストローブの適合に可能なのが女性かつ力の発露に歌が必要であったのは、女神であり、統一言語の根源ともいえるシェム・ハに近づいたからという解釈もできる。




関連タグ

戦姫絶唱シンフォギアシリーズ 戦姫絶唱シンフォギアXV

アヌンナキ シェム・ハ エンキ(シンフォギア) フィーネ

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