概要
小説投稿サイト「小説家になろう」やカクヨムで連載されているネット小説である。2071年2月から連載しており、書籍版2巻が発売した頃から1年以上も更新が停止していたが、2023年に5月に更新が再開し、7月に書籍版3巻が発売している。作者はあてきち。挿絵は雪子。漫画版は螢子。TОブックスより書籍化され、既刊3巻。漫画版は3巻。
乙女ゲームの主人公に転生したメイド馬鹿の天才美少女が無自覚に原作を変化させて行く姿を描いている異世界転生物である。
あらすじ(コミック版)
元日本人の転生者であるメロディは、テオラス王国の貧乏伯爵家で前世の夢だった雑役メイド――オールワークスメイドとして働くことに。
彼女が淹れれば、安物紅茶も高級品に、荒れ果てた屋敷は新築に早変わり！
そう、実はこの世界は乙女ゲームの世界。強大な魔法を扱う最強無敵な彼女の正体は〝聖女ヒロイン〟だった！
……が、本人はそのことに気づいていない!?
「イケメンとの恋愛？ 魔王襲撃？ そんなことよりお仕事でしょう！」
聖女の力をメイド業務に極振りしちゃった少女と、シナリオを無視された世界の明日はどこへ!?
無自覚に運命をぶち壊す、勘違いお仕事ファンタジー！
登場人物
メロディ・ウェーブ
主人公。14歳。メイドジャンキーの転生者であり、メイドをする事に喜びを感じている。前世で習得した超絶メイド技術と今世の常軌を逸した魔法の力により、最早メイドの枠を突き破った超人と化している。器用万能な天才だが、様々な部分が抜けているタイプである。『メロディ・ウェーブ』という名前は、今世の父親であるレギンバース伯爵から隠れる為に付けた名前であり、本名は『セレスティ・マクマーデン』で身分違いの恋から引き離されたレギンバース伯爵とその恋人の娘である。
乙女ゲーム『銀の聖女と五つの誓い』の主人公『セシリア・レギンバース』だが、本人は原作を全く知らない。ちなみに原作での名前は父親であるレギンバース伯爵に引き取られた時に付けられた名前であり、原作ファンである他の転生者達はメロディの本名を知らない。ゲーム開始時点で膨大な魔力(マイカ曰く「世界一の魔力量」)を持っているが、聖女の力が目覚めるまで魔法は使えない状態だった。だが、自分の夢を応援する亡き母親の手紙を読んだ際に聖女の力が目覚めている。
前世は天才的な才能を持った美少女『瑞波律子』。メロディにもその才覚は受け継がれており、天才的な感覚で高難度の魔力操作を易々と行い、様々な魔法を短期間かつ独学で編み出している。その為、原作ゲームを知っている他の転生者達から気付かれていない。
ルシアナ・ルトルバーグ
もう一人の主人公。14歳。メロディが勤めるルトルバーグ伯爵家の令嬢。メロディをメイドとして採用した。
明るくさっぱりした性格で『貧乏貴族』ルトルバーグ家で育ったためか家事労働に抵抗感がない。魔力の少ない家系の出身なので魔法に疎いが、メロディの魔法が規格外なのは理解している。
ゲーム内の配役は『中ボス』であり、原作で悲惨な末路を辿ったが、メロディを雇った事で運命が一変している。原作主人公『セシリア・レギンバース』は、メロディとなった事で彼女にとっての聖女になれた様である。
開発スタッフにセシリアが聖女として奮起する起爆剤として設定されており、ゲーム中で彼女だけ殺されている。制作者の中でイラストレーターだけが反対しており、彼女がメイドになったセシリアにお茶を容れて貰っているというファンアート『ルシアナちゃんハッピールート』を作成している(マイカが前世で見ている)。
アンネマリー・ヴィクティリウム
王太子クリストファーの婚約者候補筆頭。15歳。ゲーム内の配役は『悪役令嬢』。メロディ同様に日本からの転生者。前世は『朝倉杏奈』という名前の少女であり、乙女ゲーム『銀の聖女と五つの誓い』をやり込んでいた。
普段は深窓の令嬢然とした奥ゆかしさを見せるが、実際はかなり勝気で短気。同じ転生者のクリストファーでストレス発散をしている。
クリストファー・フォン・テオラス
テオラス王国の王太子。15歳。メロディ同様に日本からの転生者。ゲーム内の配役は『攻略対象者筆頭』。
妹と杏奈が乙女ゲージャンキーだったため、この世界についてはある程度理解している。
マクスウェル・リクレントス
宰相ジオラック・リクレントス侯爵の長子。16歳。ゲーム内の配役は『第二攻略対象者』。
レクティアス・フロード
宰相補佐ジオラック・レギンバース伯爵の護衛兼補佐。通称:「レクト」。21歳。一代限りの騎士爵位を持っている。ゲーム内の配役は『第三攻略対象者』。
ビューク・キッシェル
魔王に操られている少年。18歳。テオラス王国の領地内に存在する魔法使い達の隠れ里『シュノーゼル』の出身。ゲーム内の配役は『第四攻略対象者』。
グレイル
魔王が宿った子犬。メロディに拾われ、ルトルバーグ家で飼われている。
セレーナ
ルトルバーグ家のメイド。メロディが自身の分身を改造して創り出したメイド人形。外見は17歳ほどの胸辺りまで伸ばした茶髪の少女であり、メロディの亡き母親のセレナにそっくりである。
マイカ
ルトルバーグ家のメイド見習いである少女。メロディ同様に日本からの転生者『栗田舞花』であり、クリストファーの前世の妹だった。兄の死後、還暦まで生きてから転生してきた。メロディが原作主人公である事に気付いているが、メロディも転生者である事を知らないので乙女ゲームの事等を教えていない。前世で孫のいる老婆まで生きたが、何故か兄を失った中学生まで精神年齢が下がっており、孫娘の名前や顔を始めとした大人時代の記憶も曖昧となっている。
ポーラ
レクトの屋敷で働く雑役女中(オールワークスメイド)。メロディのメイド友達。
クラウド・レギンバース伯爵
メロディの実父にしてテオラス王国宰相補佐。33歳。レギンバース伯爵家の当主でもある。
当時伯爵家に勤めていたメイドのセレナと恋仲になるが、前当主である父親によって生き別れとなってしまう。
自身が伯爵位を継ぎ、ようやくセレナの所在をつきとめたものの死亡していたことを知り一時抜け殻になるところだったが、娘の存在を知り、辛うじて理性を保っている。
メイドの仕事に情熱を向けるメロディとは相容れない存在であり、ルトルバーグ家で楽しく過ごしている娘からは意識すらされていない。
乙女ゲーム『銀の聖女と五つの誓い』製作スタッフ
葛城
ヨレヨレの襟シャツにゆるくネクタイを締めただらしない恰好の中年の男性。『銀の聖女と五つの誓い』のメインシナリオライター。ルシアナを悲劇のヒロインとした張本人。
?(名前不明)
半袖の襟シャツにネクタイをピシッと着こなしている若い男性。乙女ゲーム『銀の聖女と五つの誓い』の主要製作スタッフの1人。「でもちょっと可哀想じゃないですか。ルシアナだけ殺すなんて」と葛城を諫めている。
水野
人気イラストレーターで、『銀の聖女と五つの誓い』のキャラクターデザイナー。
キャラクター一人一人に愛着があり、特にルシアナを溺愛している。彼女が死ぬシナリオを否定しており、プロジェクトが始動する前からルシアナがメイドになったセシリア（メロディー）にお茶を容れて貰っている『ルシアナちゃんハッピールート』というifイラストを作者本人によるファンアートとして描いている。
関連イラスト
関連タグ
人形遣い…元々は異世界転生物の二次創作だったライトノベル。主人公が前世から天才美少女、前世で一般人だった転生者が脇役と本作は二次創作版だった時のこの作品と共通点が多い。
メイドなら当然です。 ～万能メイド、濡れ衣かぶって旅に出る。～…小説家になろう作品及び主人公が規格外の才能を持ったオールワークスメイド繋がり。ニコニコ静画では読者層が被っている為両作を読んでいる読者が多い。
