フィル・マクスウェル
ふぃるまくすうぇる
CV:山寺宏一|
イリスに次ぐ劇場版初出のキャラクターで、劇中では後編「Detonation」から登場。
本編の40年前にエルトリアに存在していた「惑星再生委員会」の最高責任者で、「最後に笑っていればいい」を信条に惑星再生研究へ精力的に取り組み、委員会が生み出したテラフォーミングユニットのイリスを実の娘のように愛する善人なのだが…
実は彼こそ今回の劇場版2部作における真の黒幕。先述した人格は仮初めのものであり、その本性はあらゆる事物へ自身の価値観を強要し、愛情を人の心を動かす「燃料」としか見なさない傲慢かつ独善的なマッドサイエンティストという危険人物である。
表向きイリスはテラフォーミングユニットとして開発されていた事になっていたが、その真の実態は、あらゆる環境に適応し、資材さえあれば量産型のイリスや大型機動兵器を無制限に大量生産を出来る軍事目的で開発された広域制圧兵器だった。
しかし、政府が移住計画を最優先で進める中、最初からイリスが軍事目的で開発していた事実を発表すれば、政府から援助を受けられる可能性は無いどころか、危険人物として自らの研究を凍結に追い込まれる可能性もあった。そこでマクスウェルは、「惑星エルトリアのテラフォーミングを目的とした計画」を隠れ蓑にする形で政府からの資金援助を受ける事に成功し、表向きは何も知らない惑星再生委員会のメンバーと共にイリスによるテラフォーミングの研究をしつつ、裏では予算の一部を横領する形で軍事兵器としてのイリスの研究も行っていたのである。
その後、偶然という形であるが、「夜天の書」の管理を行う生体端末であるユーリ・エーベルヴァインがエルトリアに現れた事で、イリスの「テラフォーミング」と「軍事兵器」の双方の研究を飛躍的に進める事に成功したマクスウェルであったが、政府からは惑星再生委員会の解体を告げられた上に、軍事兵器としての研究に予算の一部を横領していた件について、「不透明な予算運用」として気付かれてしまい、委員会の解体後、査問に掛けられそうになる。
しかしこの時、既に政府に見切りをつけていたマクスウェルは、独自に軍事団体との裏取引を行っており、彼らの元へ亡命する前に「下らない閑職へ回されるのが可哀そうだ」という、あまりにも一方的な理由だけで委員会メンバーや一般職員、研究所で育てられていた動物たちまでも量産型イリスで虐殺。さらに手土産としてユーリを洗脳しようと試みるが、自らの暴虐振りに激怒し、自己防衛による反撃に転じた彼女によって命を落とす事になった。
しかし、ユーリによって自らが命を落とす事も想定していたマクスウェルは、あらかじめイリスにその思念データが一欠片でも残っていれば再生するという強力な再生能力を仕込み、更にその中に自身の記憶と人格の複写データも埋め込んでおり、彼女本人も気付かない内に思考誘導で裏から操り、地球を舞台に巻き起こった戦いの裏で暗躍し続ける。
そして、戦いが激化する中、キリエによってイリスが復活したのとほぼ同時期に、自身も量産型イリスの「固有型」百数十体分のエネルギーを用いて侵攻武装「マクスウェル」として復活する。
イリスと同様のフォーミュラーやヴァリアントシステムに加え、フローリアン姉妹が持つ「アクセラレーション」の強化・発展型とも言える「アクセラレーション・オルタ」を搭載。生身の人体では不可能な超高速度域での絶大な戦闘能力によって他を寄せ付けない圧倒的な戦闘力を発揮する。
また、ウィルスコードによって自身の躯体のオリジナルとなるイリスとの主従関係も逆転させ、量産型のイリス達やユーリをも自らの手駒として操り、その圧倒的軍事力で地球を制圧し、「資源採掘地兼実験場」として量産したイリスとユーリを他の惑星や次元世界へ売り捌こうと目論んでいた。
最終的にはなのは達との戦いに敗北して躯体は大破。切り札の自身の記憶のバックアップを積んだロケットの打ち上げとその後の衛星砲による都市攻撃も阻止される事になり、遂に逮捕。破損した躯体を人間としての機能を維持させた状態に修復された後、拘束された上で収監された。
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