みんなの夢…
一番人気の皐月賞馬は大丈夫か!?
『大丈夫!!!』
プロフィール
概要
無敗の三冠馬にして、もう一人の主人公。
劇中でも生ける伝説としてメディアや観衆にも崇められるように扱われている。
ヒノデマキバオーこと文太と仲が良く、馬主である松平から行方不明になったフィールの回収を要求された石川からも、その場に居合わせメンコをとり正体を言い当てようとした鞍上の滝川に対し擁護したくらいである。
性格
非常におっとりとしており、気さくな性格。しかし闘争心や勝利への気だかさは本物で、一時は無敗三冠の道に疑問を示していたカスケードにその責務の重大さに対し納得と同情の念を出した程である。
走法
差し寄りの追い込み。いわゆるピッチ走法を駆使した安定したコースどりと馬群の穴を意識した差し込みを手法とするがパワーも十分であり、最終直線上を一気に切り込む勝ちで抜き去ることも少なくない。
来歴(3歳以降)
無敗の王者と文太の出会い
菊花賞に向け、夏の北海道の放牧中の最中。安らぐフィールに突如としてやってきた文太が現れる。これが最初の出会いだった。
実は文太とフィールは同額の落札価格でありともに同じ生まれであるという運命とも言える。
同じスタートでありながら、デビュー後に惨敗の道を辿り、勝利を生み出せないままいつ客寄せパンダの道に転落してもおかしくなかった文太と、菊花賞制覇に王手をかけ神がかり同然の目で見られていたフィールが全く対照的な道を歩んでいたのである。
高知競馬との親交・思い
いいなぁ…おまえは自由で
JC制覇後、フィールは骨折し、このままであれば引退の窮地に立たされた最中、文太が厩舎に立ち入り、フィールに引退の真意を聞き出す。
引退を受け入れるような言葉の中にある無念を汲み取って連れ出し、捨てられた競走馬『金太』と名乗りメンコをつけて偽装そのものの形で高知に入厩を果たす。
つばけの結果、足元の不安も解消し、陣営の石川と滝沢による説得の結果、松平は無断で連れ出した一件に目を瞑り、文太を栗東のトレーニング場に招待、文太を帝王賞制覇に導いた。
その目には、高知に対し第二の家族のような思いを秘めた、友情を超えた魂の繋がりのような輝かしい太陽のような関係だった。
そしてフィールは有馬記念や宝塚記念を制覇、凱旋門賞の道に一手をかけた。
だが…
フォワ賞・突然の落日
フィールは凱旋門賞制覇を目指して渡仏、ステップレースとしてG2・フォワ賞へと挑んだ。
…しかし、待っていたのは最悪の結末だった。
フィールオーライ、右前肢開放骨折により、予後不良。
序盤から圧倒的な逃げを見せたフィールオーライだったが、馬場のわずかな窪みに足を取られ右前肢を骨折。まるで詫びるかのように騎手の滝川は地に伏せ涙を流していた。そんな滝川を気遣うように「ぼくは大丈夫!」と告げるフィールオーライ。しかし、その右足はあらぬ方向へと折れ曲がっていた。
競走馬にとって、脚とは命そのものである。4本の脚で500キロ近い体重を支え、時速60km毎時のスピードを出すが、その代償として脚は非常に脆い。1本が折れただけでも負荷は凄まじく、残る脚に全て負担がかかり、いずれは腐り落ちるという硝子の脚である。
この様になってしまった競走馬は、もう生きることすら叶わない。避けることができない競走馬の宿命である。
その後、フィールオーライは安楽死の処置が取られ、はるか遠いフランスの地で永い眠りについた…
フィールオーライが予後不良となった報は、同じく凱旋門賞を目指していたファムファタールにも届いた。前哨戦のニエル賞を2着と好走していたが、フィールの最期によるショックで凱旋門賞は惨敗。失意の帰国となってしまった。
…しかし、ファムファタール以上にショックを受けたのは親友の文太ことヒノデマキバオーだった。
元々引退する身だったフィールを復帰させた文太は一部のマスコミやファンからのバッシングにあい、自身も責任を感じ走ることへの気力を失ってしまう。
予定していた日本テレビ杯を回避し、マイルチャンピオンシップ南部杯へぶっつけ本番で挑むが、9着に大敗してしまう。
フィールが遺したもの
フィールオーライの死が残したショックはあまりにも大きすぎた。
しかし、同時に彼の存在は「挑戦し続けることの意味」を関わった馬たちに問い続けていた。
失意にあった文太も、かつてのミドリマキバオーの調教師である飯富昌虎の下で修行の日々を送り、ついに復活。その後ドバイへと遠征を行い、ゴドルフィンマイルを制覇した。
そしてその後もフェブラリーステークス、ブリーダーズカップ・クラシック、ドバイワールドカップと戦い続け、激闘の果てに、文太はある大目標を打ち出した。
それは、フィールが目指した凱旋門賞の制覇であった。
古馬の年齢を迎え、徐々にすり減ってゆく競走寿命…
それでも亡き友が夢見た舞台を目指し、文太はたとえ無謀であっても挑戦を続けることを選んだのだった。
果たして、その果てなき挑戦の先に待つものは…
関連タグ
ディープインパクト…モデルとなった馬。死して尚も生ける伝説として、今も語り継がれる無敗で三冠をとった競走馬である。また、あらゆる事情からお流れとなってしまったが、文太の元ネタとなるハルウララと交配させる計画があったことでも知られる。