概要
1995年6月中旬にカプコン協力のもとバンダイから発売されたロックマンXの公式外伝カードダスシリーズ第一弾。X2の事件から3か月後の設定でオリジナルストーリーが展開されている。
尚、本作はX3が発売される前に企画されたため、X3で登場するドップラー博士が先行登場している(但し、本作ではマッドサイエンティストとして登場しているため設定が大きく異なる)。
カードダスに登場するボスは主にX1とX2からのもので構成されているが強化・再生されたという設定のため、カラーリングや容姿が変化している。
また、第一弾である本作はありがひとし先生がロックマンXシリーズの中で唯一コミカライズした作品でもある。
ストーリー
『ロックマンX2』の戦いからおよそ3ヶ月後、エックスの前に新たな敵が現れる。それは今までにエックスが倒して来たはずのレプリロイド達だった。彼らと戦ううちに、エックスとゼロは謎の半有機機械生命体「リミテッド」を取り巻く事件に巻き込まれて行く。
登場キャラクター
エックスのパワーアップ
本作のエックスは、ゲームシリーズのようにライト博士のカプセルからパーツを受け取るのではなく、バスターに付着したリミテッドがエックスの体を浸食して行く事でアーマーの形を成して行く。
故にその能力はエックスにとって必ずしも有利に働く物とは限らない。
第一段階「クリアバスター」
ワイヤー・ヘチマール・Lとの戦い後、バスターにリミテッドが付着した初期の状態。過去の戦闘データを引き出し、オプションバスターへの変換が可能となって、エックスが装備した経験のある各種特殊武器(時期的にX1からX2まで)を再現することができる。
この状態ではエックスの体に対する負担は殆ど無い。
第二段階「クリアハイバスター」
リミートレプリロイドやインセプトチェイサーとの戦闘を経て、クリアバスターが更に変化した状態。絶大な攻撃力を誇る代わりにエックス自身の体力までも攻撃エネルギーに変換してしまうため、リスクが大きくなっている。
第三段階「クリアアーマー」
イクスとの戦いの中、リミテッドの浸食がバスターからついに全身に及び、アーマー状に胴部と脚部を覆った状態(ヘッドパーツに該当する部分は存在しない)。
敵からの攻撃を吸収し、破損部を自動的に修復する能力を持っている。宿主たるエックスのボディを守る為の進化だが、その反面エックスは自由に動く事が出来ない。
イクスを倒した後、このアーマーはエックスの手によって強引に剥がされた。
本作オリジナルキャラと設定
インセプトチェイサー
ドップラー博士が独自に開発した、特殊任務に就くレプリロイドの通称。カーチスとシュミットの2名から構成され、リミテッドの追跡・その進化の観察を主任務としている事から仲間からこう呼ばれている。
カーチス
ドップラーに生み出されたレプリロイドであり、ドップラーの命によりリミテッド、及びリミテッドに寄生されたレプリロイドの追跡と観察を任務とする。戦闘時以外は大きなマントに姿を隠している。
腰に装備した巨大なブーメランを主武装とするが、その大型のボディ自体が持つ破壊力も計り知れない。
しかしその一方で知能はそれほど高くなく、また自身がピンチに陥ると簡単に仲間の情報を売ろうとする(ありがひとし先生の漫画版では、リミテッドに意識を乗っ取られているエックスに対して聞いてもいないのに黒幕の正体をばらそうとした)。
結果、カードダス及び漫画版でシュミットに処分される。
シュミット
カーチスと同じインセプトチェイサーの一員であり、ドップラーの手による最新型のレプリロイドにして側近。カーチスと同じく普段はマントに身を包んでいる。
スピード型のレプリロイドであり、両手から発するエネルギーを利用した手刀によって戦闘を行う。必要とあらば同胞たるカーチスの破壊をも厭わない。
急速にパワーアップしたエックスを相手にダメージを受け、マザーリミテッドを利用して回復しようとするが逆に吸収されてしまい、イクスの素体とされてしまう。
リミテッド
ドップラーが“進化する細胞”の研究の末に完成した機械と融合し、その機械を進化させる能力を持つ、半有機物質。
資料によって「反有機物質」もしくは「半有機生命体」という表記もある。本シリーズに登場するボスキャラはこのリミテッドによって強化・再生され、エックス本人はシリーズを通して二度も浸食を受けている。
リミートレプリロイド
リミテッドと融合し、強化・再生されたレプリロイドの総称。名称は、元々の名前の末尾にL(リミテッド)の一語が追加されている(『メガミッション3』ではこの上位互換のハイパーリミテッド、『ギガミッション』では更にその上のエクストリームが存在する)。
余談
- 本作のボスキャラたちは強化・再生されたという設定で一部はだいぶデザインが変更されているものがある。
- また、本シリーズは共通してエックスの強化アーマーにヘッドパーツが存在しない。