メガラニア
めがらにあ
およそ4万年前、新生代第4紀更新世のオーストラリアに生息していたオオトカゲの一種。元々は独立した属と考えられてきたが、2004年に再分類されオオトカゲ属の一種とされるようになった。
系統については諸説あり、コモドオオトカゲに近いという説やペレンティーオオトカゲやヒャクメオオトカゲ、スナオオトカゲらに近いとする説がある。
化石が断片的であるため大きさに関しては諸説あるが、Wroeらは2009年の論文で最大で5.5m程度としている。
肉食性であり、大型の有袋類も捕食していたのではないかと考えられている。
なおアボリジニの祖先となる人々もこの時期に移入しており、メガラニアと遭遇することもあっただろう。
2009年に近縁なトカゲ18種のデータから推定された走行速度は時速9.4〜10.8km。現存するジョンストンワニに匹敵する速度である。
コモドオオトカゲをはじめとした数種のオオトカゲから毒性が知られているが、メガラニアが毒性を持っていたかは不明。近縁種から、毒を持っているとしたら出血毒と推定される。もし有毒であるならば、史上最大の有毒生物となる。
絶滅の原因についても研究が行われており、気候変動や、筋肉の組成や量などが当時入植してきた人間に比べ非効率的であった点などが挙げられている。
EMAとしてのメガラニア
UMAと表記されることもあるが、メガラニアは記載された絶滅生物のため「EMA(未確認絶滅動物)」(UMAと同じく実吉達郎氏が作った言葉である)が適切。
主にオーストラリアの北部でオオトカゲを見たという情報がありが寄せられるように。
例えば1975年頃にワタガン山脈を車で走っていたとある2人の農夫が、道路に横たわり進路を妨害する巨大な巨木と誤認して目撃したと証言しており、頭部は道からはみ出していてよく見えなかったという目撃談がある。
また、同年の12月のニューサウスウェールズ州の中東部セスノックで某農民が納屋の傍で体が灰色でぶちがあり、背中や尻尾に黒い縞模様がある全長が9m、首と頭だけで1.5mもあり、体重が900kg以上もあるような巨大なオオトカゲを目撃したという証言があるほか、同じセスノックでマイク・ブレイクという人物が体長7m程のトカゲを目撃したとされる。
このほか、1979年には爬虫類学者のフランク・ゴードンがワタガン山脈でメガラニアらしきトカゲを目撃したという証言や1990年代にパプアニューギニアでも目撃されたという情報がある。
だが目撃したとされた日以降は全く音沙汰がない上、目撃談が近代に入ってから増えた一方、それ以前は皆無であった事。そしてメガラニアが生息していた時代と現在を比べると全く環境が変わってしまっている事などから、古生物学者たちの間ではメガラニアの生存説は否定されている。
目撃地域ではイリエワニなどのワニ類、オオトカゲ類などが生息しており、その大型個体を目撃し、その迫力から大きさを見誤ったという説が有力。
まあ否定派とてロマンを潰したいわけではなく、科学的見地に基づいて「生き残ってはいないだろう」と推測しているだけの事。ましてこれは人間の理屈であり、シーラカンスしかり、クニマスしかりでどこかに生き残っている可能性もゼロだとは言い切れないのだ。