本記事自体が本編の重大なネタバレにつき注意
概要
本編のネオ童実野シティを中心とした、世界各国で大小様々な形で運用される無公害の半永久エネルギー機関。これによって、世界はエネルギー問題を解消するだけでなく飛躍的な発展を遂げる。
エネルギー源は遊星粒子と呼ばれる新たな原初粒子。遊星歯車のように、粒子同士をつなぐ特殊な作用がある。
開発陣
モーメント開発機関『MIDS』の元で現在のサテライトに初期型のモーメントが開発される(後の旧モーメント)。
開発主任は遊星粒子の発見者でもあり、後に誕生する不動遊星の父親不動博士。助手としてルドガー・ゴドウィン、レクス・ゴドウィンが着任する。
開発途中の不可解な現象とナスカの神々
レクス「エネルギーゲージが異常な数値を示しています!」
ルドガー「装置に異常はないようですが…」
モーメントの開発実験中のある時、不可解な現象が起こる。実験を行う度に装置が逆回転を起こし、シティは異常気象に見舞われた。一連の異変にモーメントが関わっていると考えた不動博士はシティを危険にさらせないと、実験の中止を決断する。
実験が中止された後、ルドガーは世界中で同じような現象が起きていないかを調べた。そして、同じ時間で異変が起きている場所を突き止めた。それがナスカであった。
ルドガーはナスカの地上絵へ向かい……五千年ごとに繰り返される神々の戦いの伝説を聞き、地上絵は封印された邪神であるということも知る。
その地で、ルドガーはイリアステルの使者と出会い、自らの左腕に刻まれた痣の秘密も、五千年ごとの戦いが真実である事も知らされる。
惨劇
ナスカから戻ったルドガーはモーメントの光に触れ、全てを悟った。モーメントが五千年ごとの神々の戦いに欠かせないことを……………そして、モーメントを通じて邪神に身体を乗っ取られたルドガーは………
「何を言われようとも、私はモーメントの開発を止める!!」
不動博士は研究中止の意見を変えなかったが、市議会やスポンサーは耳を貸さず不動博士を『MIDS』から除名し、ルドガーを後任の開発主任にした。
「だが、モーメントには既に制御装置を造った!その封印を解かぬ限り…」
「封印とは、このことですか?」
しかし、不動博士もナスカの地で行われる神々の戦いとモーメントの関わりには気付いていた。それに基づいた四つの制御装置を開発し、それらの封印を起動させるデュエルモンスターズのカードを開発していた。
即ち、
である。
だが、ルドガーは制御装置から四枚のカードを取り外していた。不動博士はそれを咄嗟に奪い取って逃走するが、そのさなかで『エンシェント・フェアリー・ドラゴン』だけは落としてしまい、不動博士はレクスに残った三枚を託す。
「レクス、モーメントを止めるんだ!」
不動博士の意志を受けたレクスは中枢の制御室で左腕を切断したルドガーを発見する。
「レクス、いずれシグナーという者達が現れる。」
「例え、何年かかろうと彼らを集めこの私を倒せ!」
ルドガーは自分が二つの神を宿し、自らは邪神の道を選んだことを告げる。そして、いずれ現れるシグナーを集め、彼らに自らの打倒を託すよう伝え、レクスを脱出させる。
そして…………
「これで私は生まれ変わる………ダークシグナーに!!」
ルドガーはモーメントを暴走させ、その光に呑まれた。息子を脱出させた不動博士も妻と共に犠牲となり、サテライトの多くの住民が死亡する。更に、モーメントの規格外のエネルギーによって地続きだったシティとサテライトが分断され、脱出したレクスもサテライトに取り残されてしまった。
これが後にゼロ・リバースと呼ばれる事件である。モーメントの暴走であるという事実は『MIDS』により隠蔽され、公には天変地異ということになっている。
旧モーメントと制御装置
旧モーメントと呼ばれる不動博士が開発した最初のモーメントと制御装置にはケチュア語のコードネームがつけられている。それらはモーメントをUru、四つの制御装置はCcapacApu、AsllaPiscu、Ccarayhua、Cusilluと読み、いずれもナスカの地上絵に当てはまっている。
シグナーとダークシグナーの戦いはこれら停止した四つの制御装置に起動カードを読み込ませて再起動させ、冥界の扉となった旧モーメントを封印し、冥界の王の出現を阻止するためにデュエルを行うことになる。
旧モーメント及び制御装置に対応する地縛神とシグナ―の竜
旧モーメント | 地縛神Uru |
---|---|
制御装置 | 起動カード |
地縛神CcapacApu | スターダスト・ドラゴン |
地縛神AsllaPiscu | レッド・デーモンズ・ドラゴン |
地縛神Ccarayhua | ブラック・ローズ・ドラゴン |
地縛神Cusillu | エンシェント・フェアリー・ドラゴン |
遊星粒子の秘密
遊星粒子は人の心を読み取り、それによって性質や力を変える生きたエネルギーであり、不動博士とルドガーはそれに気付いていた。
この粒子は古代から人々の間で利用されてきた。良き心が赤き竜、悪しき心が邪神として。
つまり、赤き竜とそのしもべであるシグナーの竜、地縛神は人々の心によって生み出された存在だったのである。
だが、その性質故に未来ではゼロ・リバースを遙かに凌ぐ破滅と絶望が訪れてしまう。
破滅と絶望
不動遊星がダークシグナーを倒した200年後、世界はシンクロ召喚によってモーメントが更にエネルギーを放出し、それにより世界は急激な発展を遂げていた。
もっと進化を、もっとレベルを上げろ………もっと、もっと
しかし、それが絶望の始まりであった。際限ない進化により、人々の心が誘惑や欲望の悪意に染まり、増長していった。人の心に反応する遊星粒子の特性によってモーメントは暴走を始め、ネットワークがその影響を受けた。
このままでは地球は滅びる。その元凶である人類を滅ぼせ。
ネットワークは地球の滅亡を阻止するために、機械の軍隊を生み出した。不動遊星の時代から二百年、既に赤き竜もシグナーの竜もいない時代に破滅が到来したのである。
機械の軍隊は突如として世界中に出現し、人々を攻撃していった。こんな状況下でも、人々は誘惑と欲望にとらわれ続けており、やがてそれは限界を超えた。世界中のモーメントが破滅的な逆回転を始め、暴走……全てのモーメントが爆発し、ネットワークは人類を巻き添えに機械の軍隊を自爆させることで目的を完遂した。
かつて、不動博士が信じたモーメントにより紡がれる未来は人間の欲望と悪意によって破滅と絶望の道を突き進み、滅びてしまった。
そして、僅かな生き残り達はこの絶望を変えるべく抗うこととなり、ありとあらゆる手段を講じる。
新しい未来
モーメントを取り巻く運命を乗り越えた不動遊星は、世界を破滅と絶望の未来へ進ませない為の第一歩として、かつて父が旧モーメントの制御装置を開発したように、現在海馬コーポレーションで運用されているモーメントを制御するメインフレーム・フォーチュンを開発した。
イリアステルの存在と介入がなければ、ゼロ・リバースの真相も遊星粒子の性質も知られることはなかったことは想像に難くない。
関連タグ
赤き竜、シグナーの竜--遊星粒子が読み取った人の良き心から生み出された力。
地縛神、機皇帝--遊星粒子が読み取った悪意から生み出された力。
三極神--モーメントと直接の関わりはないが、性質それ自体はシグナーの竜に近いためにD・ホイールと接続し、召喚することで逆回転しているモーメントを正常に回転させることが可能。
イリアステル--モーメントの暴走でもたらされた破滅した未来の生き残り達。未来を救うため、モーメントの消滅を始めあらゆる手段を講じる。