概要
リゾットのように調理した米を衣をつけて形にし、揚げたコロッケ。
主にイタリア料理のアランチーニとスップリが知られている。
ただしどちらも米の代わりにカッペリーニのような細長いパスタを切って、中身に用いる場合もあるので注意が必要。
フランス等、他国にもライスコロッケは存在するが、イタリア式のものがほとんどである。
アランチーニ
「小さなオレンジ」という意味で、シチリア産とナポリ産がある。
シチリアのアランチーニの大きさは直径3.8cm〜10cmほど。シチリア島南東部では球状ではなく円錐形にして揚げる。
シチリア西部では、アランチーニを女性形容詞の「アランチーネ」と綴るのが正しいとされる。
中身は色々で、グリーンピース入りのミートソース、ほうれん草、パンチェッタ(生ベーコン)、ナッツペースト等。同じシチリアでも中の具が地方によって違い、中身によって形が変わっていく。
ナポリのアランチーニは「パッレ・ディ・リゾ」(米の団子)とも言われ、ピンポン玉大でシチリアのものよりも小さく、そのサイズ故、中に何も詰めないことが多い。
スップリ
ローマ生まれのライスコロッケ。スプリとも表記される。語源はフランス語の「サプライズ」がイタリア風に訛ったもので、中に思いがけないもの(モッツァレラ)が入っていることからきていると言われる。また、モッツァレラが糸を引く様子から糸電話に例えて「スップリ・アッラ・テレフォーノ」ともいわれる。
基本的にはアランチーニと同じであるが、アランチーニに用いられるサフランは入っていない。
またスップリには具にモッツァレッラが入っているが、アランチーニは具としてチーズは入っていなくチーズの一種カチョカヴァッロが練りこんである。
ローマでは、「アランチーニはシチリアでしか食べられない」と言われる。
(ただし、シチリアのアランチーニにもモッツァレラが具として入ってるとも言われ、最近ではアランチーニとスップリの区別はつきにくくなっている模様)
ローマでは、ピザ専門店の定番メニューで、ピッツァを食べる際の前菜としてスップリ等の揚げ物を食べる。
その他の国のライスコロッケ
タイ料理には「カオ・トート」という、丸めて揚げた米を砕いて野菜や肉と混ぜ合わせる料理があり、見た目はコロッケのそれであるが、どちらかというと中華料理のおこげに近い。
(日本のタイ料理店によっては「タイ風ライスコロッケ」として砕かずに出されることもある)
台湾には日本のおにぎりを魔改造した揚げおにぎりなるものがあり、おにぎりを揚げて好みの具材とソースを海苔と一緒にはさむという。これも一種のライスコロッケと言えるかもしれない。
オランダにはインドネシア料理のナシゴレンを丸めてパン粉をまぶして揚げた料理「ナシバル」がある。オランダには他にもミーゴレンを円盤形にしてパン粉をまぶし揚げた「バーミーハップ」(バーミーセイフとも言う)をはじめ、コロッケ(クロケット)に範疇に当てはまる料理が色々ある。
関連項目
瑞穂(艦隊これくしょん)…「【Xmas】差分mode」にて大量に用意している
ミスター味っ子…アニメ版にてポテトとクリーム、どちらが元祖コロッケか?というアンサーにライスコロッケがでてくる。