概要
1977年から北朝鮮の朝鮮中央テレビで放送されたアニメ。製作は朝鮮4.26漫画映画撮影所(SEKスタジオ)。
漫画を原作とするがアニメの方がよく知られている。動物たちが暮らす世界を舞台に、イタチやオオカミといった悪役から花の丘を守る小動物たちの戦いを描くシリーズで、30年以上に渡り放送されてきた人気作として知られ、北朝鮮ではグッズが販売される程の人気と知名度を誇る。これまでに32部製作されたが2013年の再放送を最後に放送されておらず、暫定的に打ち切られたと見られる。打ち切り理由として他作品に人員を割かざるを得ないためと噂されるが真偽は不明。
登場人物・勢力
花の丘
作中の舞台。シマリス等の小動物や草食動物が暮らす穏やかな雰囲気の地域だが、イタチ軍団やオオカミ軍団に狙われている。勢力では劣るが、スパイ活動や情報戦を得意とし強大な敵に立ち向かう。勢力こそ弱いが銃や[[戦車((等も保有する。小さいが力を合わせて知略で勝つという点から北朝鮮を表していると見られる。
クムセク
CV:ウォン・ジョンスク(5~31部)→ホ・ギョンフイ(32部)
主人公のシマリス。花の丘の偵察兵で当初は一民間人だったが、イタチ軍団の襲撃を受け憤慨し、兵士として戦いの道を選ぶこととなる。弟がいる。作中ではイタチ軍団への潜入等数々の任務をこなしては生還しており、次第に昇進し最終的に軍団補佐官にまで登り詰めた。クムセクとは「金色」の意味。兵士らしく迷彩服にヘルメットを被るがデザインは11部以降固定されたのか殆ど変化が無い。
初期のCVを担当したウォン・ジョンスクは他にも100本以上の子ども向けアニメに出演する有名声優だが、引退か何らかの理由で降板したのか32部で唐突に変更された。
カルセク
第2シリーズの27部から登場したクムセクの弟。元々はモル博士の助手だったが博士の誘拐をきっかけにスカウトされた。
シマリス兵士
クムセクと同じくイタチ軍団の兵士に成り済まして潜入した一人。クムセクとは親しい仲。英語吹き替え版の名前はカイオ(Kaio)。
ハリネズミ偵察兵
クムセクの仲間であるハリネズミ。針つきのヘルメットを被っている。あまり多く登場しないハリネズミの中では貴重な存在で、偵察や諜報活動でクムセクをサポートする。作中では主人公のクムセクをも凌駕するトップクラスの戦闘力を誇り、銃を使用するだけでなく針を飛ばして攻撃も可能。英語吹き替え版の名前はロデア(Rodea)。性別は男性と見られるが、英語吹き替えでは女性。
ユンチ
ハリネズミ偵察兵の弟で第2シリーズから登場。
クマおじさん
花の丘の山に暮らすクマ。岩や丸太を軽々と投げられる怪力の持ち主。
カモ
クムセクの仲間。セーラー服を着ており海軍所属と見られる。他にも多数のカモが登場。
ムランゲ
カモの同僚。性別不明だが英語吹き替えでは男性。英語吹き替え版の名前はクアック(Quack)。
カモ部隊長
カモ部隊を率いる。初期から登場するが露出が少なく空気。
モル博士
花の丘の地下を調査しているスーツに眼鏡姿の博士。やや分かりにくいがモルモットと見られる。第2シリーズの重要人物で、オオカミ軍団に誘拐された。
ハリネズミ/リス部隊長
毎エピソード前に戦車に乗って現れあらすじを教えてくれる二人。ハリネズミ部隊長は1部から、リス部隊長は2部から登場する。天の川というコードネームを持つ。
ウサギ園
ウサギが暮らす町。花の丘の大切な隣人と言及されている。
キタリス園
キタリスが暮らす町。作中では軽く触れられるのみで具体的な描写はない。
イタチ軍団
第1シリーズの悪役で花の丘の侵略を目論む。イタチ、ネズミ、ハタネズミ、カラス等で構成されているが将校や幹部クラス、特殊部隊等はイタチが占めておりそれ以外のネズミ等は一部を除き下級兵士という扱いがされている。戦力の大半はネズミでカラスやワシが空軍戦力を担う。また団結力の強い花の丘と比較するとお世辞にも規律がとれているとは言い難く、下剋上や陰謀、策略が跋扈しており一枚岩ではないようだ。描写から韓国を表していると思われる。
イタチ大将
イタチ軍団の司令官。部下からは閣下と呼ばれる。初期は曖昧なヘルメットと軍服姿だったが2部からは紫のコートとネックレスを身に付けている。陰険で残忍な性格で花の丘を征服し住民を奴隷にすることが目標らしい。決して無能ではないがスパイとして潜入したクムセクの活躍で痛い目を見たり部下に反乱を起こされたり、後述のオオカミ軍団と比較すると一番哀れな運命を辿ったキャラクターと言える。なお見た目に反して結構な高齢らしい。
ワスレナグサ
イタチ軍団側の主要人物。軍団の数少ない上層部に属するネズミ。作中ではクムセクのライバルとして登場する。視力が非常に悪く眼鏡が無ければ満足に手元すら見えない程。軍服は韓国軍を意識したもの。声優が頻繁に変わっており初登場時は女性、その後いきなり何故か低い男性声、少年らしい声等安定しない。英語では男性声。ワスレナグサという優美な名前ではあるがこれは北朝鮮で眼鏡をかけた人に対する侮蔑的な言葉でもある。
片耳
ワスレナグサの部下であるハタネズミ。名前の通り片耳が無い。ワスレナグサを兄として従う一方内面では不満に思っている。が、普通に親しく接する場面もある。一兵士だけでなく捜索隊長や警備隊長にもなったりした。エピソードが進むにつれ顔つきが丸みを帯びた可愛らしいデザインに変わっていった。
イタチ調査隊長
イタチ軍団の調査隊長。サングラスをかけている。クムセクと渡り合える程の高い戦闘力を持つ。
トルパク山大将
イタチ軍団の参謀長。大将の花の丘攻撃が惨敗したことを利用し自ら率いる部隊ごと独立、反旗を翻す。以降、彼の部隊はトルパク山部隊としてイタチ大将とは争う立場になる。彼のみヘルメットのデザインが異なる。
エク特務隊長
トルパク山大将の腹心。独立後参謀長兼特務隊長となる。左目に眼帯をし腹が出ている。
黒イタチ
エク特務隊長の弟で軍医。兄と同じく腹が出ている。
ワンコ
黒い鼻を持つイタチ軍団陸戦隊長。
フェレット博士
イタチ大将の切り札である凶悪犯で、秘密兵器のチョウザメ開発者及びチョウザメ基地責任者。全身の毛が白く長い髭を生やし杖を携行している。レーザーを放つ無人兵器や航空兵器等の開発も手掛けている。
イタチ参謀長
フェレット博士率いるフェレット部隊の参謀長。博士を表面上では従ってはいるが内心では嫌っている。
ハタネズミ2号
序盤に花の丘に潜入した二人のうちの一人。潜入したが発見され逃走、片方は死亡するが重傷を負いながら生還した。以降はイタチ大将の連絡官として登場するが、最終的にクムセクの策略で仕掛けられた爆弾で死亡。
ハタネズミ6号
ハタネズミ兵士の一人。イタチ大将の命令で偽イタチ大将暗殺を図るが、操縦していた飛行機をクムセクに制圧、脅迫されたことで任務をバラしてしまう。その後の消息は不明。
水湖
ワスレナグサの部下。認識力と判断力に優れる。機密書類を手に水中を泳ぐところをカモによって爆死した。
特殊部隊長
太ったネズミ。元々は刑務所の炊事係だったが最終的にイタチ軍団特殊部隊長にまでなった特異な存在。
オオカミ軍団
イタチ軍団壊滅後に新たに登場した悪役。花の丘の資源を狙っておりイタチ軍団の残党を操り侵略を図る。しかしその後イタチ軍団が完全に全滅したため直接侵攻に乗り出す。作中最強の敵とも言える存在で、アメリカを表していると見られる。構成員は多彩だがオオカミが一般的で他にはキツネ、ワニ等がいる。またイタチ軍団の残党も受け入れたためイタチやネズミもいる。
狡猾な印象の強いイタチ軍団とは対照的にやり方は力任せである。また攻撃ヘリコプターやクジラの潜水艦も保有する屈指の軍事力を持ち、現実のアメリカと同様の超大国として描写されている。
オオカミ大将
オオカミ軍団司令官。作中のラスボス。非道かつ狡猾な性格で既に軍団を率いて多くの地域を征服してきた。裏切りが日常茶飯事なイタチ軍団と異なり大将が部下から恐れているためか裏切りを起こすような空気はない。軍団トップであるにもかかわらず、運転手を持たず自動車の運転は本人が直接行っており後述のキツネ将校も彼が運転する際は大人しく後部座席に座っている。運転好きなのだろうか……なお運転はかなり荒い。
キツネ将校
オオカミ大将の副官。漫画では男性だったが2006年からの新シリーズでは何故か眼鏡をかけた女性に変更。登場シーンは多くないがその妙に妖艶な声や風貌が海外で話題を呼び、いわゆるケモナーたちに大いに愛されR-18を含めた多数のファンアートが描かれる事態になった。海外のリスとハリネズミのファンアートの90%以上がこのキツネ将校のものらしい……。
イタチ補佐官
オオカミ大将の補佐官でイタチ軍団出身。事実上のオオカミ軍団ナンバー2でもある。死亡したイタチ大将の弟で、顔もよく似ており影武者としても活動していた。イタチ軍団壊滅時に偶然オオカミ軍団に派遣されていたため生き延びた。
ワニ補佐官
27部で僅かに登場した。アフリカ系アメリカ人やラテン系がモチーフと思われる。