概要
コンセプトは「居住性」「衝突安全性」「斬新なデザイン」を統合したプレミアムスモール。三菱がパジェロミニで先鞭を付けた「プレミアムな付加価値を持つ軽自動車」を発展させたものである。
先行開発は2000年、正式な開発は2001年1月から始まっている。途中2度も開発が停止する事態に陥りながらも、2004年のダイムラー・クライスラーとの提携解消後の再建計画の中で、最終的に商品化に向けての開発が認められることになったという経歴を持つ。
駆動方式は二輪駆動モデルは近年の軽自動車には珍しいリア・ミッドシップマウント。四輪駆動モデルはオンデマンド方式フルタイム4WDシステムでビスカスカップリング式フルタイム4WDを採用し、路面や走行状況に応じて後輪から前輪に駆動力を最適配分、すべりやすい路面でのスムーズな発進・加速と優れた走行安定性を得ている。
三菱自動車の軽自動車では、派生車を除くとeKワゴン以来4年3ヶ月ぶりのニューモデルである。
生産は、岡山県倉敷市の三菱自動車工業 水島製作所で行われていた。
i-MiEV
2009年6月5日に正式発表され、同年7月下旬から法人を中心に販売開始され、2010年4月1日から個人向け販売も開始した電気自動車仕様。本車両の発売により、三菱自動車はライバル企業に先駆けリチウムイオン二次電池を用いた電気自動車の量産化に成功した。
、ガソリンエンジンに代え、永久磁石式交流同期電動機と重量200kgのリチウムイオン二次電池(バッテリー)パックなどMiEV技術や回生ブレーキなどを搭載。走行中には二酸化炭素の排出がなく、使用エネルギー単価もガソリン車であるiより低く抑えられる。新規開発した電気自動車統合制御システムMiEV OSを搭載し、モーター、インバーター、バッテリーを総合的に管理している。充電は三相交流200ボルトを電源に用いた急速充電の他、家庭用の単相交流100ボルトまたは200ボルトによる普通充電にも対応している。バッテリーの製造は、電気自動車用電池の開発・製造専門の会社としてジーエス・ユアサコーポレーション、三菱商事、三菱自動車がそれぞれ出資して設立したリチウムエナジージャパンで行っている。
2009年には、プジョー・シトロエンの2社にOEM提供された。
尚、2018年4月の一部改良で全長が85mm拡大され、登録車扱いとなった。
ベース車のiは2013年限りで生産終了したが、i-MiEVは2021年まで生産された。
このi-MiEVでの経験がアウトランダー、エクリプスクロスのPHEVやMINICAB-MiEV、後継車種などに生かされることになった。
光岡・ライク
光岡自動車 は、i-MiEVをベースとした「ライク」を2010年に販売した。
ベース車にクロームメッキを施した大き目の前後 バンパーや重厚感のあるフロントグリルなどを採用することで、存在感を主張。全長を3,570mmにまで延長した結果、軽自動車枠を飛び出し小型自動車扱いとなった。
インテリアもそれに合わせてリアシートならびにリアドアトリムの形状変更やシートベルトの追加を施すことで、乗車定員をベース車の4名から5名に増員している。これについては、タクシー用としての需要を見込んでいるためだという。
車名は電気の根源である「雷」で「駆動」することから。また、アルファベット表記の「Like」は人に好かれるクルマであってほしいという願いが込められている。
キャッチコピーは「ライク Small jewel」
2012年7月、シートベルト安全基準の法改正により販売終了。