概要
本作の主人公兼ヒロインである女子大生。 心理学を専攻している。
幼い頃、母・中村幸子から虐待を受けていた。
母の虐待から守ってくれていた祖母が首を吊り、その現場を母に障子の穴から無理矢理見せられた精神的ショックから、覗き穴恐怖症となってしまう(小西なつみ曰く、小学校の理科の実験の時に顕微鏡の穴を覗くことが出来ず、泣きじゃくったほど)。
そのため、高校を卒業して家を出て以来、母とは一度も会っていない。
また、携帯電話の着メロが苦手でいつもバイブレータに設定している。
「死の予告電話」によって友人や知人が次々に怪死していった頃、葬儀屋に勤めていた山下弘に出会い、彼と共に死の予告電話の謎を解明していく。
小学校の頃からの友人であるなつみを救うために奔走したが間に合わず、彼女が死亡した直後に携帯電話が鳴り、8月7日20時26分の予告を受けてしまう……。
山下に何度も励まされつつ調査を続け、遂に旧加賀見病院に乗り込み水沼毬恵(映画版では水沼マリエ)の遺体を発見する。ゾンビと化して襲ってくる水沼を受け止め、嘗て自分を虐待していた母に接するように従順な姿勢を見せたところ、毬恵の動きが止まり白骨化した。
その後、安心して山下と別れて家に帰り、シャワーを浴びた後に寛いでいたが……部屋の置時計の針が何故か逆回転をし始める。そして、丁度予告時間までに戻った時、目の前に現れた水沼美々子に取り憑かれてしまい殺人鬼に豹変、真実を知り彼女の家に来た山下を果物ナイフで刺した。
急所を外していたため、この時点では殺人未遂で終わったが、その後彼を旧加賀美病院にて殺害した。
小説版着信アリでは、山下と一緒に海へ行く約束をしていたが、それが果たされることは無かった……。
続編の『着信アリ2』では、解離性同一性障害の患者として都立藤沢病院に収容される。
病室で山下や自分の母親を殺したことを本宮刑事に明かした後、彼を殺害して失踪。
その後、2月9日に妹尾刑事の前に突然現れて殺害し、翌日の2月10日に多摩川で妹尾との入水自殺に見せかけて死亡した。
実の母を殺した後、「お婆ちゃんが寂しがらないように」という理由で祖母と同じ墓に埋めており、警察の取り調べでそのことを明かした。
映画版着信アリ2では、山下を殺害した後行方を晦まし、その後死体で発見された。
由美の死亡を聞いた本宮刑事は、死体の確認へ行く途中、事故に遭って死亡している。
生前の由美が使用していた携帯は、J-PHONE(現・ソフトバンク)のJ-T09。
家族
中村幸子(演:今井久美子)
中村由美の母親。
夫とはかなり仲が悪かった(後に離婚した)ようで、その腹いせとして幼い頃の由美を虐待していた。
浜松市にあった家は由美が逮捕された夜に炎上したが、幸子の遺体などは見つからず行方不明のままだった。
だが、取材に来た野添孝子によって中村家の墓石の下で死後4ヶ月が経過した幸子の遺体が発見された。死因は衰弱死で墓石の下で数週間生きていたと見られる。
不思議なことに、幸子の死体が握っていた携帯電話は電池切れしていなかった。
さらに長年の雨によって風化して墓石が軽くなっていたにもかかわらず、脱出しようとしなかった。
映画版では由美の回想に登場するだけで、安否は定かではない。