演:大島かれん(Finalでは大島かれんと吉永毎莉奈の二役)
概要
小学校高学年位の長い髪の少女。
家族構成は母親の水沼マリエ、妹の水沼菜々子。
強力な念力の持ち主。死の予告電話による殺人が多いが、美々子の霊自らが出向き、直接殺人を行う場合もある(美々子が現れる時は喘息用の呼吸器の音がする)が、美々子が他の人間に乗り移ったり、化けて殺人を行うこともある。
過去に虐待を受けていた人物などは彼女と共鳴(自ら内なる悪魔を覚醒させてしまう)し、新たな殺人鬼となることもあるが、魂を吸収されたり、肉体を借りるために利用されることもある。
経歴
美々子は、水沼マリエが偶然押し入ってきた男に性的暴行を加えられて生まれてきた娘だった。
妹の菜々子はマリエがホステスのバイトをしてそのバイトの客の一人と出来た子供らしい(即ち、美々子と菜々子は異父姉妹にあたる)。
喘息を患っており、母親のマリエに加賀見病院に何度も運ばれていたことが事の発端となり、美々子は「母親からの愛を一身に受けたい」と思い始め、妹の菜々子を虐待するようになり、自ら看病してマリエに“良い姉”として演じることに喜びを感じていた(しかし、マリエは美々子が妹を虐待していたことに薄々気づいていた模様)。
だが……、2002年12月24日に菜々子の腕を包丁で斬りつけたところをマリエに見つかり、怒ったマリエが自分の携帯を美々子から取り上げて怪我を負った菜々子を病院に連れて行こうとする際に喘息の発作が起きてしまう。
マリエに見捨てられたことから、強い悲しみと憎しみを抱き、誰の助けも得られずに悶え苦しみながら死亡。
それが呪いの発端となってしまい、その後の日本で起きた「死の予告電話」の事件に多く関与するようになった。
映画版『着信アリ』では、終盤に山下弘が今際の際に見た夢で、彼が喘息用の呼吸器を使用したことで美々子が救われる場面がある。
『着信アリFinal』では、意外な形でしっぺ返しを食らう場面もあった。
死の予告電話との関係
美々子による死の予告電話の被害者の口には共通して赤黒い飴玉(リリィによる呪いの被害者は台湾製の石炭)が残っており、それは美々子が生前、妹を虐待していた際に「早く良くなってね」と言いながらよくあげていた物。
死の予告電話のメロディは、美々子が好きだった子供番組の曲が元であり、菜々子が持っている音声再生機能がついたぬいぐるみにも、そのメロディーが録音されている。
重要人物達
李麗(リリィ)/リー・リィー(映画版)
演:小泉奈々
『着信アリ2』で登場する、台湾の炭坑の侯硐の近くの村で生まれた殺人鬼の少女。
身体が小さいにもかかわらず、美々子と同じ様な強い念力の持ち主で、他者に化けることが可能。リリィの呪いの被害者の胃の中には共通して微量の炭が検出されている。
7〜8歳の陰気な雰囲気を漂わせた子どもで、村の子ども達からイジメの標的にされていた。
村に伝染病が流行った時、村人達の死を予言するようになる。村人達は伝染病は“リリィによる呪い”として、リリィの口を針と糸で縫いつけ炭坑に封印してしまう。そしてリリィは炭坑の中で約50日間もがき続け、苦しみながら死亡。
その直後に、村人達宛に受け取り人の筆跡で死を予告する手紙が出回り、リリィの唯一の友達であったガオ・スウメイを除いて村は全滅した(恐らく酷い目に遭わせた事による恨みだと思われる)。
美々子との関連は余り語られなかったが、映画版での美々子はリリィの呪いの被害者の一人として語られており、リリィの呪いがその後に死んだ美々子と共鳴してしまい、それが美々子が殺人鬼になるきっかけを作ったと思われる。
美々子の家族
水沼マリエ/水沼毬恵(原作)
美々子と菜々子の母親。
短期間の内に 娘の美々子と菜々子を何度も救急治療に運び込んでいたため、マリエが実の娘を虐待して病院に運び、看病して“良い母親”を演じているのではないかと疑われ、娘が死んでからも他の人を殺している殺人鬼と判断された。
しかし、菜々子が持っていたビデオテープでその疑いは晴れるが、美々子による死の予告電話での最初の犠牲者はマリエ自身だった事が明かされている。
水沼菜々子
美々子の異父妹。
母親が失踪した後、現在は養護施設「夢の木学園」に預けられ、暮らしている。
異父姉の美々子から虐待を受けていた事が原因なのか、話すことが出来ない。
美々子に関わる者達
『着信アリ』に登場する主人公兼ヒロイン。普通の女子大生だったが、死の予告電話と関わったことで美々子に取り憑かれて殺人鬼に豹変し、協力者であった山下弘を殺害して第二の美々子となってしまう。詳しくは個別記事を参照。
『着信アリ2』に登場する死の予告電話の謎を追うジャーナリスト。
しかし、物語終盤で自分が既に美々子に殺されていたと知り(その時点で美々子と共鳴して新たな殺人鬼になった可能性もある)、物語の最後に口からあの赤黒い飴玉を取り出し、不気味な笑みを浮かべていた。
詳しくは個別記事を参照。
『着信アリFinal』に登場するヒロイン。通称「パム」。
クラスでひどいいじめを受けていた女子高生だったが、死の予告電話と関わったことで“誰かに転送すれば助かるが、代わりに転送を受けた相手が死ぬ”死の予告電話がクラス内で広まり、自分をいじめたクラスメイトへの復讐を遂行する復讐者と化したが…?
詳しくは個別記事を参照。
ハリウッドリメイク版
リメイク版『ワン・ミス・コール』では、「エリー・レイトン」という名の少女で登場しており、基本的な設定は美々子と同じ。
妹のローレル(原作における菜々子)を虐待する際は、黒いパーカーのフードを被っている。
家で不気味な虫や人形を持っており、呪いの電話を聞いた者はその虫や不気味な人形がモデルとなった不気味な人の幻覚を見るようになる。
妹を虐待していたところを偶然母・マリー(原作のマリエ)に見つかってしまい、怒ったマリーによって部屋に閉じ込められてしまう。
その時発作が起きて呼吸器を当てるも、空気が入っておらず、そのまま苦しみながら死亡。それが呪いの発端となった。
関連タグ
代理ミュンヒハウゼン症候群(MSBP):実在する精神疾患。(母親には薄々バレてはいたものの)裏で妹を傷つけ、熱心に看病しているふりをして“良い姉”を演じ、母親から注目を集めようとするといった彼女の行動は現代で言うとまさにこれ。