二十世紀のおとのさま
にじゅうせいきのおとのさま
ドラえもんが暇つぶしにタイムテレビで過去の日本を見ていると百姓が捕まるシーンが写し出された。雉狩りの最中にその百姓が通りかかったせいで獲物が逃げてしまったので怒った殿様は手打ちにしろと命令を出した。
かわいそうだと思ったドラえもんはのび太を連れて、タイムマシンに乗り込み、その時代の城へ向かう。ひみつ道具でその百姓を助け出し、現代へ帰ろうとするが2人が牢屋へ向かっている最中、庭を散歩していた殿様がタイムマシンの入り口を見つけ、誤って、タイムマシンに乗ってしまい、のび太の時代にやって来てしまった。
殿様は玉子と口論になり、斬りかかろうとした際に刀が照明のコードに当たったことから感電し、家の外に飛び出してしまう。
ドラえもんとのび太はタイム電話でドラミに連絡を取って、迎えに来てもらうことで事なきを得た一方、現代の町を歩く殿様はしずか、ジャイアン、スネ夫の3人に城の場所を訊ねるも偉そうな態度が災いして、相手にされず、ラーメン屋では無一文だったから食い逃げで店主に殴られてしまう。
その夜、ドラえもんとのび太が玉子から殿様のことを教えてもらった中、殿様は雨が降ってきたことから人様の家に勝手に上がりこんだために追い出されてしまう。そんな殿様は1人の少年の親切で彼の家で雨宿りできるようになり、少年の父親と共に工事現場で働き始めた。
殿様が工事現場で働いていることを知ったドラえもんたちは様子を見に行き、殿様が反省していることも知り、元の時代に帰すことにする。
苦労を知った殿様は民思いの殿様として慕われるようになった。
- 殿様の顔が丸顔に変更
- ジャイアンとスネ夫がのび太を悪い殿様役としての水戸黄門ごっこを行う
- しずかもドラえもんたちと共に百姓救出に赴き、それに伴い、しずかにも台詞が付く
- ジャイアンとスネ夫が殿様相手に水戸黄門ごっこを行うも殿様の危なさを見て、頭を下げている最中に逃げ出す
- 殿様が工事現場で日の丸弁当を食べるシーンが描かれ、空腹時に食べたことから感激し、それで完全に改心したことから、元の時代に帰されることになり、殿様を帰すシーンも描かれた
- 原作ではドラえもんとのび太が改心した殿様をタイムテレビで見て一安心だったが本作ではタイムマシンで帰還中のドラえもんとのび太のやり取りとなり、のび太は夏休みの自由研究を忘れていたことを思い出し、殿様の暮らしを調べるためにもう一度戻るように頼んでの幕引きとなる
- サブタイトルを二十一世紀のおとのさまに変更
- 本作でもしずかに台詞が用意され、殿様との会話は殿様が水飲み場を訊ねる展開となり、使い方が分かっていない殿様はびしょ濡れになってしまう
- ラーメン屋がカットされ、代わりにスーパーで包装状態の肉を食べようとしたり、タイムセールに巻き込まれたりし、スーパーを離れた後はジャイアンの母ちゃんが作っている料理を食べようとするがジャイアンの母ちゃんに追い出される展開に変更
- ドラミはすぐには帰らず、殿様探しを手伝う
- 少年の家での食事シーンが描かれ、それが現代での殿様の初の食事となる
- 原作では描かれなかった殿様を元の時代に帰すシーンに関しては少年の家で就寝中に行われた
- 元の時代に帰還した殿様が民たちの稲刈りを手伝い、殿様は少年の父に教えてもらったファイトコールを行い、民や様子を見に来たドラえもんとのび太もファイトコールを行う
現代で行き倒れになっている殿様を家に上げた親子は、殿様が手打ちにしようとしていた百姓の子孫ではないかとも言われる。
そう考えると、殿様は気に入らない者の命を奪おうとしていたが皮肉にも今度はその子孫に自分が助けられたということになる。