「暦お兄ちゃん・・・ちゃんと見ててね」
概要
CV:花澤香菜
「なでこスネイク」「なでこメドゥーサ」「なでこドロー」「まよいスネイル」「よつぎシャドウ」「おうぎフライト」「なでこアラウンド」のメインキャラクター。
『撫物語』以降はシリーズ第二の主人公かつ語り部となる。
蛇に巻き憑かれた少女。
阿良々木月火の小学生時代の友達で、月火に「せんちゃん」と呼ばれる一方、月火のことは「ララちゃん」と呼んでいた。主人公、阿良々木暦を「暦お兄ちゃん」と呼ぶ。
上記の「お兄ちゃん」発言や上半身裸にブルマー姿やスク水姿にやられた人々は数知れない(ちなみに両者とも神原駿河が「乙女のたしなみ」として用意したもの)。
解説
プロフィール
6月3日生まれのB型。囮物語時点で14歳の中学ニ年生。
忍野忍をして、「儂の次にかわいい」と称されるほどの可愛らしい容姿の持ち主。
ただし、本人自ら「内気、根暗、人見知り」とネガティブに称するほどの、極度の内向的な恥ずかしがり屋。他人の視線が苦手で見るのも見られるのも嫌なため、常に帽子と前髪で目を隠している。おかげでスカートを触られても動じないが、前髪を触られたり頭を撫でられたりすることは嫌がるという独特の羞恥心の持ち主となっている。
好きなゲームはレトロゲームで、多くのレトロゲーム機を所持しているほど。また好きな漫画は80年代、好きな音楽はフォークソング、好きな小説はジュブナイル……と趣味嗜好が(作品発表時の年代を鑑みても)どうも古臭い。おかげで「語彙力がないから会話が苦手」と称しつつも、暦との会話では、暦が突っ込みに説明をつけなければいけないほどのマニアックなネタを振ってくる。(拾える暦も暦なのだが。)しかしいざ会話すると、結構な笑い上戸でもあり、暦と神原の会話にはよく笑っていた。
勉学については通知表を見る限り、ぶっちゃけ「平均以下」と言えるレベル。特に苦手なのが理数系で、逆に得意なのが技術家庭と美術。描写を見る限り、授業態度もあまり良くない方。
スカートは苦手で、私服では滅多に履かずもっぱらズボンを好んでいる。また裸足でいるのが好きな一方で、靴下は「履いていると気持ち悪い」「寒くても部屋の中では裸足」と徹底して嫌っており、それを鑑みてかアニメでも素足に直接靴を履いている描写が多く、また暦の部屋に訪れた際も、我慢できなかったのかわざわざ靴下を脱いでいる。(暦はそれを見て「他人の部屋では靴下を脱ぐマナーなんてあったっけ?」と勘違いしていた。)
周囲との関係
引っ込み思案で気弱な性格であるのが災いしてか、親友と言える存在はおらず、友人も少なめ。(阿良々木月火は数少ない友人と言える存在だが、物語開始時点ではそこまで仲が良いというわけでもない。)
ただし孤立していたりイジめられているというわけではなく、むしろ両親を含む周囲の人間からは親切にされ、可愛がられ、甘やかされている。「惚れられた男子がいる」ことからも分かる通り異性からはモテている様子。
一方で、阿良々木暦のことが大好きで、彼に対してはことのほか大胆な行動をとる。
いつもは上げない前髪を上げては、滅多に履かないというスカートとニーソックス着用と、彼女の好みを踏まえるとだいぶ無茶をしている。それどころかツイスターゲームとか。二人で王様ゲームとかとか!上着脱ぐように強要したりとか!ベッドに座らせたりとか!!
アニメ版『偽物語』においても、前述の彼女の大胆な行動が映像化され、全国のTVの前のお兄ちゃん達を狂喜させた。
魔性の女
以上のことから分かる通り、「飛び抜けて可愛い容姿」という所に目をつむって冷静に観察してみると悪いとまでは言わないものの、なかなか健全ではない性格の持ち主である。
しかしその周囲の目を曇らせてしまうほどの「飛び抜けて可愛い容姿」のせいで黙っているだけでも皆から親切にされたり可愛がられてしまい、撫子自身もいつしか言葉と本心を押し殺しながら、可愛いがられるための行動をとりつつ、周囲の言われるまま為すがままに生きるようになってしまった。
それを見抜いた忍野忍は撫子のことを、性悪を飛び越えて「魔性」と言い切っている。(更に続けて「良かったのぉ、たまたま可愛くて」とひどい追い打ちをしている。)
また忍野メメは彼女の持っている「危うさ」を見抜いていたのか度々気にかけていたらしく、妥協やごまかしが許せない月火も、撫子の態度に業を煮やして物理的な手段で彼女の本心を暴こうとしていた。
そんな心の闇を抱えた撫子は、とある人物に付け込まれることとなる。
巻き込まれた怪異
最初に言っておくと、蛇切縄の騒動においては忍野メメも認める通り、彼女は一方的な被害者である。
撫子のクラスメイトの女子が、とある男子のことを好きで、その男子が撫子に振られたのを知り、逆恨みで、その頃彼女らの中学で流行っていた「おまじない」を撫子にかけた。
しかし、これだけではなにも起こらない代物だったのだが、このことに気付いた撫子が素人判断で呪いを解こうとした上に、儀式を行った神社跡が、街に来たキスショットに触発された「よくないもの」のたまり場となっていたことにより、その「よくないもの」の影響を受けて「蛇切縄」が発動してしまった(ちなみに、蛇をブツ切りにするという行為自体は、正しい作法らしい)。
暦と再会したのはちょうどその解呪の儀式が終わった後、帰る途中にすれ違った時である。
忍野メメの協力による正しい解呪の儀式で解決した……かに見えたが、実は撫子に振られた男子もまた「おまじない」をかけていたため、「二匹目の蛇切縄」により撫子は殺されそうになる。
暦の活躍と神原の機転により蛇をなんとか追い払うことができたが、あくまでも「追い払った」だけで、その蛇は「おまじない」をした女子もしくは男子に戻っていったものと見られる。人を呪わば穴二つ。自業自得というものである。ちなみにどうやら「蛇」は女子の方に戻ったようで、蛇に巻きつかれた彼女がのちに『恋物語』で登場する。
しかし、蛇切縄の騒動が解決したしばらく後、突如彼女の前に北白蛇神社の神である「クチナワさん」が現れ、蛇切縄を払うときに殺した蛇の命の償いをするよう撫子に迫る。その償いの内容は「クチナワさんの生前の体を見つけること」。
呪いの被害者であると同時に、いくらその呪いを払うためとは言え蛇を殺した加害者でもあった撫子。罪の意識に苛まれた彼女は腕にシュシュのように絡み付いたクチナワさんと共に御神体を探し始めるのだが……。
コラボ
スマートフォン向けRPG「マギアレコード」にて、魔法少女になった「if」の彼女が期間限定で登場。
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ネタバレ注意
※以下、彼女が再びメインを務める『囮物語』以降の詳細なネタバレ項目です。該当する物語シリーズを未読の方は閲覧非推奨。
『囮物語』~『恋物語』
実は家族など周囲に「可愛がられ」続けた抑圧からかなりのストレスを溜め込んでいたらしいことが、『囮物語』および『恋物語』で判明する。忍に言わせると「可愛いだけのガキ」。
結果、『囮物語』において忍野扇にそそのかされて神様となり、真のラスボス化・・・?
自室のクローゼットには、家族も知らない彼女の「秘密」が隠されている。
顛末は、『恋物語』で語られることになる。
ファイナルシーズン
『恋物語』以後は色々な事情で暦を避けており、彼の名前は独白では出てこない。
暦の事も実は好きというわけではなく、「恋人がいる人を好きになる自分って健気」と悲劇のヒロインを演じていただけだった。
『終物語』の「おうぎダーク」で、髪型をベリーショートにしたことが語られる。
オフシーズン
『撫物語』において、斧乃木余接の協力のもと、過去の自分や暦のことについて、気持ちの整理をつける。
また、このときの活躍が臥煙伊豆湖に認められ、専門家としての道を進むことになる。
専門家としての千石撫子の能力は、絵を使ったものが主となる。
過去の自分の姿(前髪をのばしているときや、スク水を着ていたとき等)を描き、式神として召喚するが、それが騒動を引き起こしてしまう(この展開はやろう、ぶっころしてやるでお馴染みの『ドラえもんだらけ』との類似性が指摘されている)。
この召喚能力については、持ち前の画力の高さに加え、かつて神として君臨していたことが影響していると考えられている。
彼女が使役する式神はあくまで絵が本体であるため、描かれた紙を折るなどして画面を閉じることで封印できる。
また、描かれた画面の材質など、本人がもつ能力以外の要素も式神の召喚に関わる。
その他の能力としては「御札の作成」「空間などに憑いた怪異の封印」があり、いずれも絵を描くことで行使する。
『結物語』では、「千石撫子(なでしこ)」のペンネームで漫画家として、また臥煙グループの専門家としても活動している。