概要
「南渓和尚」とは、NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」の登場人物である。
本作品の舞台の一つである「龍潭寺」の住職であり、主人公の「おとわ:次郎法師:井伊直虎」の後見人であり保護者であり師匠であり、そして導き手であった。
史実の人物である「南渓瑞聞」がモデルである。
解説
演:小林薫
「亀之丞(井伊直親)」や「鶴丸(小野政次)」、そして「おとわ(直虎)」を、幼い頃より寺で手習いを教えていた。
住職でありながら真っ昼間から酒を飲んでいるなど、いつもキジトラ猫(にゃんけい)を抱えている、飄々とした人物。
が、実は井伊家の出身で、おとわの曾祖父である「井伊直平」の子であり「井伊直盛」の叔父であり、おとわと亀之丞にとっては大叔父に当たる人物。
そして「井伊家の存亡の危機」の時には、深い博識と高い洞察力を駆使し、表に裏に策を巡らせる。
おとわを出家に導き「次郎法師」とし、更に導いて井伊家当主「井伊直虎」としたのも和尚の「策」である。
しかし策が行き過ぎてしまい、時には直虎に信用されなくなってしまうことも(「虎松」を直虎に無断で勝手に井伊家再興の手札としたことなど)
基本的には「井伊家存続」の為に裏で暗躍する「策士」であるが、
その一方で情が深い面もあり、次々に先立っていく井伊家の人々や「亀之丞」や「鶴丸」の姿に心を痛めており、「井伊谷の井戸」で、先立った人々へ向けて杯を交わすことも。
また、井伊谷の民たちと「龍雲党」に諍いが起こった時には「お酒を盗んだ犯人」にされたり、
直虎が「龍雲丸」に「薬の口移し」をした事を、照れ隠しから和尚がしたことにしてしまったり、
何かと濡れ衣を着せられる役回りになることも(笑)
少しネタバレのため、空欄を開ける。
最終回。
またもや自分よりも先に「おとわ」に先立たれてしまい、経を上げる事が出来なくなるほどに落ち込んだ和尚は、一つの決意をする。
徳川家を訪れた和尚は、同じく落ち込んでいた万千代に、「白い碁石」を手渡し、
「井伊家の志とは何ぞや?」と問うた。
見事にその「確かな答え」を出した万千代に対し、「今度はお前が「それ」を、この『日の本』を舞台としてやるのだ」と諭した。
その書状には「直政」と記されていた。
つまり、万千代に「直政」と名付けたのは南渓和尚であり、これがこの物語における「和尚の最後の策」となった。
史実では
「龍潭寺」の二世(二代目)住職。
井伊直平の子、とされているが、実はまだ詳細は不明とされている。
しかし今川家に命を狙われた亀之丞(井伊直親)を逃がしたり、
次郎法師を井伊家当主とし「井伊直虎」としたり、
井伊家再興のため、虎松を徳川家に出仕させ、後の「井伊直政」とした、など、
井伊家存続の為に尽力を尽くした、とされている。
龍潭寺歴代住職(南渓・傑山・昊天)|井伊家の歴史|遠州の古刹 龍潭寺
「おんな城主直虎」での南渓和尚の風体からは想像出来ないが、かなり偉いお坊様なのである。