概要
てんとう虫コミックス38巻及び、藤子・F・不二雄大全集12巻に収録。
この紙に描かれた円の中に入った2人は友達になることができる。
ドラえもんの歴史漫画では歴史上の人物と仲良くなるために使われることが多い。
ストーリー
とても可憐な容姿をした少女とすれ違った、のび太、ジャイアン、スネ夫はその可愛さに心を奪われて騒ぎ出し、彼女が神成さんちに入って行くのを目撃する。きっと親戚の子で夏休みを利用して遊びに来てるんだろと予想した3人は、こっそりと玄関から中を覗こうとするが、神成さんに見つかり慌てて退散した。
諦めきれないながらも帰宅したのび太は、さっきしずかから電話があったことをドラえもんから伝えられるが、頭の中はあの少女のことでいっぱいだったため、そっけない態度であった。そして彼女と話すきっかけを掴もうと神成さんちに向かったが、既にジャイアンとスネ夫が空地にいて、2人はかみなりさんが外出したのを確認すると、野球ボールとラジコンの飛行機をそれぞれわざと家の中に投げ入れ、取らせてくださいと声をかけた。
だがその時神成さんが帰って来て怒鳴って来たため、少女と話すことはできず逃げ出して行った。この光景に笑っていたのび太だったが、神成さんが少女に変な者が来ても出ないようにいいつけたため、のび太もその場を後にするしかなくなってしまった。
するとその時、近くの家の屋根の上でドラえもんが一匹の白猫に友達になってとお願いしていて、ドラえもんは白猫にそっぽを向かれると、「友だちの輪」を取り出して使用し、この猫と友達になった。これを見ていたのび太はこの道具を貸して欲しいと頼み、しずかとの結婚の件を言われるも、それはずっと先の話で「ドラえもんだって猫のガールフレンドがいっぱいいるくせに」と言い、貸してもらった。
さっそくこれを使って少女と友達になろうと神成さんちに向かったのび太だったが、声をかけてみようかと思ったその時、神成さんから何をしているのかと声をかけられ、一目散に退散。だが、まず神成さんと友達になればいいと閃いて、この道具を使って計画通り友達になることができ、例の少女も紹介してもらい「ミズエ」という名前であったことが分かった。
だがミズエはのび太にお茶を出すと勉強の続きをしに戻ってしまい、のび太は神成さんから囲碁をしようと誘われてしまう。更にミズエと話がしたいと言っても、「話ならわしがしてあげよう」と、初めて活動写真を見た時の話を聞かされ、自慢の盆栽まで見せられることになってしまった。そして、そんなことをしている間にミズエは外出してしまい、のび太も後を追おうとしたが神成さんに「泊っていきなさい」だのと止められてしまい、何とか断り切ったものの、友だちの輪を置いてきてしまった。
帰宅後も取りに行くか行かないかでドラえもんと言い争いからの取っ組み合いになるが、ママからさっきまでしずかが来ていたことを聞かされ、自分にはしずかという優しい友達がいることを思い出して感動したのび太は、全速力で彼女のもとに向かう始めた。
一方のその頃、ミズエは神成さんに言われて、友だちの輪をのび太のもとに届けに向かっていたが、これが風で飛ばされてしまい、更にこれをその場に通りかかったしずかが押さえて止めたため、2人が親友同士になってしまい、後からやって来たのび太はしずかに「親友が遊びに来たの。また今度にしてね」と言われてしまった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1985年2月8日に、水田版は2005年7月15日及び、2018年5月25日にそれぞれ放送している。
1985年版
- 冒頭でジャイアンとスネ夫は空地でやることがなく退屈していて、ジャイアンはそばで地面に落書きをしていたのび太に何かスカッとするような遊びを聞いたが、返って来た答えがおはじきやあやとりだったため、「そんなことスカッとするか!」と怒鳴り返した。そしてそこにミズエが通りかかり、先に後を追いかけたのび太とスネ夫を押しのけてジャイアンも出てきていて、誰に微笑んだかで言い争いもしている。
- のび太が帰って来た時、ドラえもんは鏡を見て髭をセットしていた。一方ののび太は机に座ってミズエと一緒に楽しいひと時を過ごす様子を妄想している。
- のび太はドラえもんからしずかとの結婚の件を言われた際は強く反論している。
- 神成さんがした活動写真の話の続きは、これを見て俳優になりたいと言ったら、父親から猛烈に反対され怒られたことだった。
- ドラえもんとのび太は取っ組み合いになった際、間を開けてにらみ合ったりしていた。またのび太がしずかの元に向かったのは、ママに待たせてしまったことを謝りに行くよう言われたからで、のび太はしずかのことを素晴らしい友達と言っている。
- ラストでのび太は扉を閉められてしまい、これに鼻をぶつけてしまってい、「何でこうなっちゃうの。しずかちゃーん!」と叫んでいる。
2005年版
- 冒頭でのび太達は空地で野球をしていて、ジャイアンの打ったボールが神成さんの家に入ってしまい、見つかって怒られそうになったので逃げ出し、河川敷のグラウンドに移動した野球を再開した。そしてそこにミズエが通りかかり、ジャイアンの打ったボールにぶつかりそうになったが、見事にキャッチして剛速球で返していて、仲間に入れて野球をしたが、その見事なプレーぶりに一同は完敗だった。
- 神成さんの家にミズエが入って行くのを見たのはこの帰り道での出来事で、見つかって逃げた際、スネ夫は覗いたのはのび太だと叫んでいる。
- のび太が帰って来た時ドラえもんは漫画を読んでいた。
- ドラえもんと友達になった猫は黒猫だった。
- 時代が既に21世紀の平成になっていたため、神成さんは映画のことを昔は活動写真と呼んでいたと話していた。
- ドラえもんは最初「友達になったんだったら怖くないだろ!」と言ったが、それでものび太が行くのを拒んだため、顔を掴み合って喧嘩になった。また1985年版と同じくママは部屋に来た際、最初に2人の喧嘩について注意していて、のび太がしずかの大切さに気付いたのは、特製のクッキーと、それをドラえもんと2人で仲良く分けて食べてという内容の手紙をママから受け取ったからだった。
2018年版
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトル画面では、ドラえもんは左側に立っていて、そのことから左を向いていた。
- しずかの電話の要件は一緒に遊ばないかというものだった。
- ドラえもんと友達になった猫は2005年版と同じく黒猫だった。また、のび太から猫のガールフレンドがいっぱいいることを指摘された際、ドラえもんは頬を赤らめている。
- のび太は友だちの輪を借りた後、ジャイアンとスネ夫からさっき笑ったこと指摘され追いかけることになったが、この道具を使って親友同士になり殴られずに済んだが、遊びに誘われてしまい、用があるからといって凌いだ。
- のび太が神成さんと友達になることを閃いたのは空地になっている。
- 神成さんがした活動写真の話の続きは、寒い中これを見に行って感動し、そのことがまだ昨日のことのように覚えているというものだった。
- 道具が風で飛んでしまった際にミズエは「捕まえてー!」と叫んでいる。
- ラストでの尾田は「そんなー」と言いながら、こちらを振り向き泣いている。
余談
ミズエの声は大山版では佐々木るん、水田版では2つとも福圓美里がそれぞれ担当している。