概要
同人サークル・上海アリス幻樂団の作品である東方Project及び「ZUN's Music Collection」に登場する概念または実際の場所、あるいは別の世界と対比する形で表現されるところの「外の世界」に関連するキャラクターたちによるグループ。
メンバーは主にその世界に居住していたり、かつて居住していたりするキャラクターたちによる。
本グループに特徴的な点は、それぞれの作品間においてその時間的・空間的連結のあり方が(あるいは繋がりがあるのかどうかも)はっきりとは語られていないキャラクター達によるグループ構成である点である。
「外の世界」
「外界組」には2016年2月現在では「外の世界」に関連して三つの(または後述のものの内前者二つを一つのものとして捉えた場合は二つの)世界観が交差している。
即ち、物語が進行中の「東方Project」、「東方Project」に包括されつつも各作品で語られたエピソードが一部を除いてその後語られていない通称「東方旧作」(「PC-98版」とも。計五作品)、主に幻想郷での物語が主である「東方Project」との具体的な関係性が言及されておらずファンなどの間でも多大な考察の渦中にある「ZUN's Music Collection」の「秘封倶楽部」の三者である。
それぞれの「外の世界」を見る時、広く東方Projectにおいては幻想郷と対比される形で語られるものであり、博麗大結界をはじめとした種々の結界や境界で隔てられた幻想郷からみた「外側」の世界が「外の世界」と通称される。
この世界観については具体的な描写もなされている(『東方三月精』)他、作中で「外の世界」から誰かが幻想郷を訪れたり(『東方夢時空』、岡崎夢美他 / 『東方深秘録』、宇佐見菫子他)、幻想郷側のキャラクターが実際に「外の世界」に引き寄せられたり飛び出して行ったりする様子も語られている(『深秘録』)。
「ZUN's Music Collection」では登場人物たちが自分たちの住まう世界を指して「外の世界」などの呼び方で特別に呼称する事こそないものの、宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーン(メリー)による秘封倶楽部の二人は様々な結界を介して異なる世界を体験しており、ファンなどの間ではその所在する世界が東方Projectにおける「外の世界」(幻想郷と隔てられた世界)とも理解される。
ただし先述の現在時点においてそれぞれの作品で語られている「外の世界」がどのような関係性であるかについては明確には語られておらず、関連する二次創作によって多様なアプローチが試みられている。
例えば「ZUN's Music Collection」に見る事が出来る「外の世界」と主に夢美に関連した東方旧作に見る事の出来る「外の世界」とのミックスという視点では、夢美が「大学教授」と語られていることから蓮子やメリーが通う「大学」に夢美及びその助手の北白河ちゆりが教授職等として在籍しており、創作によっては蓮子またはメリーが講義やゼミといった形で夢美らと接触している、などの想像の在り方もある。
夢美の物理学者としてのアプローチを基盤にする時は蓮子が、「魔力」などのアプローチを基盤にする場合はメリーがその講義等に触れるなどといった夢美の二つの側面が個別に関連性を見出されるケース、あるいは夢美が追う、世界に隠された「オカルト」という点は秘封倶楽部の活動そのものにも共感し得るものでもあり、蓮子とメリーのどちらか一方ではなく二人両者との接点ともなり得る。
また明確に「外の世界」のキャラクターとして登場した菫子についても、同じく秘封倶楽部を冠する活動を行うキャラクターたちとして蓮子、メリーとの交流が想像されている(詳細は「秘封倶楽部」記事や「すみ蓮メリ」記事、「秘封倶楽部初代会長」記事等も参照)。
さらに「伊弉諾物質」で語られた「信州」の「サナトリウム」を通しては主にメリーと東風谷早苗との交流を見出すものもある(詳細は「緑のサナトリウム」記事を参照)。
所謂「東方旧作」や「ZUN's Music Collection」もまた多様な二次創作的な想像が長い時間を掛けて醸成され続けており、「外界組」とも関連した上記のような両者のミックスという視点もまたその一つである。
メンバー
2016年2月現在のpixivでは次のキャラクターがメンバーとして描かれている。
キャラクター名 | 初登場作品 | 作品の位置づけ(ファンによる通称含む) |
---|---|---|
北白河ちゆり | 『東方夢時空』 | 東方旧作 |
岡崎夢美 | ||
東風谷早苗 | 『東方風神録』 | windows版以降 |
宇佐見菫子 | 『東方深秘録』 | |
宇佐見蓮子 | 「蓮台野夜行」 | 「ZUN's Music Collection」 |
マエリベリー・ハーン(メリー) |
なお上記の面々はいずれも「人間」であり、「人間組」ともメンバー構成が重なっている。
この他で今日の「外の世界」との関わりのあるキャラクターとしては、そもそも幻想郷の創設に携わり両世界を行き来する事も自由だとされる八雲紫をはじめ昨今の「外の世界」から幻想郷へとやってきた八坂神奈子、洩矢諏訪子、二ッ岩マミゾウ、一瞬ながら「外の世界」の空気感などを体験した森近霖之助、「外の世界」の演奏者を取り込んで自らを確立する術を見出した堀川雷鼓などがある。
さらに先述のとおり『深秘録』では博麗霊夢や霧雨魔理沙をはじめとした多数のキャラクターが同作で菫子が起こした異変に関連して「外の世界」を体験している。
茨木華扇は自ら結界を開いて「外の世界」への通路を生み出すことも行った。
この内紫は外の世界と幻想郷とをその能力を介して同時に眺めている様子が描かれてお(『三月精』)、霖之助は外の世界から流れ着く物品に多大な興味を寄せてそれを蒐集している。
また特定のキャラクターではなく一つの世界観同士の関わりとしては、『東方紺珠伝』で語られた「 月の都遷都計画 」に関連して、その進捗や純狐らの攻撃の如何によっては月の都の勢力は幻想郷だけでなく「外の世界」にも進攻する可能性も秘めていた様子であったことが語られている(『東方外來韋編』)。