「共に向かいましょう。世界の平和という果ての果てへ。
大丈夫、私がついています」
概要
『Fate/Grand Order』の主人公と、ルーラー・天草四郎時貞とのカップリング。
以下の詳細は天ぐだ記事より抜粋。
天草四郎体験クエスト
2016/3/9~3/16の期間限定イベント「天草四郎体験クエスト」『第二節 幼き賢王と叛逆の聖人』にて、天草四郎と主人公の出会いが描かれている。
聖杯を巡って、千日手に陥りかけた子ギルと天草四郎の間に、アストルフォに連れられた主人公が仲裁に入ったところで初めて顔を合わせることになる。
子ギルと天草四郎、どちらに聖杯を預けるべきか主人公に選択を迫ったが(どちらにせよ主人公が断ることになる)、聖杯が手に入らないと知ると、天草四郎は子ギルと共闘して主人公たちに襲いかかった。
しかし放置していた聖杯が汚染され暴走状態になってしまい、やむなく聖杯を諦めた天草四郎と子ギルは聖杯破壊のために主人公たちに協力することになる。
第三節にして、ようやく天草四郎をお試しできるのである。
聖杯破壊後、子ギルとアストルフォが座に還り、最後に残った天草四郎は魔術王の脅威について主人公に語り、協力の意志を述べた。
「マスター、○○○殿。
我が真名は天草四郎時貞。
裁定者として、サーヴァントとして、
貴方と共に戦いに挑みましょう!」
監獄塔に復讐鬼は哭く
天草四郎体験クエスト直後に開催された、2016/3/16~3/23の上級者向け高難易度クエスト「監獄塔に復讐鬼は哭く」。その『第六の扉・復讐するは――』にて、“大罪の具現”の一つ“強欲”としてジャンヌと共に天草四郎が再び登場する。
監獄塔に現れた天草四郎の目的は、ジャンヌと同じくアヴェンジャーを救うことにあったので、主人公に対しては特に言葉もなかった。
しかし当のアヴェンジャーは、主人公と天草四郎の人物像を以下のように語っていた。
天草四郎の行いを“強欲なまでの大願“、“高潔な復讐劇“と称し、アヴェンジャーはある種の敬意さえ抱いていると口述する。
さらに付け加えて主人公に告げた。
「おまえとよく似ているぞ。
彼は世界を救おうとしたのだから」
彼について、お前ならば真に理解が及ぶかもしれない、と。
二代目はオルタちゃん ~2016クリスマス~
2016/11/28~12/7の期間限定イベント「二代目はオルタちゃん ~2016クリスマス~」。
このイベントでは、毎度のことながらトナカイ役に抜擢される主人公と、サンタアイランド仮面などという某礼服マスク仮面を彷彿とさせる姿で天草四郎も登場している。
本来ならば存在し得ないジャンヌ・オルタの幼少期であるジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ(後述ではリリィと表記)の霊基を安定させるために、一計を案じた主人公が今回のサンタ道中記に同行する――というのがイベントの大筋である。
主人公が道中の行く先々でサーヴァント達に協力を求めるのだが、何を張り切ったのか天草四郎がアマデウスの仮面を付け、佐々木小次郎から無人島漂流記での出来事を聞いていたのか「アイランド仮面」の名前を継承し、「サンタアイランド仮面」と名乗ってラムレイ二号に乗り込み華々しい登場を果たすのだった。
天草「ちなみに赤いからといって、エミヤとかシロウとかとは特に縁のない男ですゆえ。」
主人公「えぇ~、ほんとにござるかぁ?」
天草「ほんとでござるよぅ。奇跡的な偶然の一致というやつです。」
上記のように、ここで初めて男子高校生のようなノリの会話を繰り広げてみせた。
ほかの場面でも、
天草「サンタアイランド仮面、参上……!」
主人公「惨状では」
天草「参上!」
(ジャックに対して)
天草「ですが、クリスマスは貴女のおかあさんが沢山できる日です。よかったですね」
主人公「ジャックに変なこと吹き込む奴は、零基変還の刑に処す」
天草「ふふふ、マスターの不興も買ったところで、それではご機嫌よう、アデュー!」
(何度目かのサンタアイランド仮面登場演出に対して)
主人公「はいはい、薔薇の黒鍵」
主人公「はいはいナントカ仮面様」
主人公が他のサーヴァントとは違い、天草四郎に対してやや塩めの対応を返す所も、彼に気を許している印象が窺える。
“トナカイさん”、“サンタアイランド仮面” として、主人公と天草四郎の二人が共謀してリリィを導くという、2016年クリスマスは天ぐだ♂に手厚いイベントでもあった。
世界の救済について話をしよう
救う、という行為は本来傲慢なものです。
ですが、その傲慢さを容認しなくては、人は人を引っ張り上げられない。
個々人を救済するのは簡単です。
彼ら彼女らに想いを砕けば、それでいい。
では、世界を救済するとはどういうことなのか。
私は分かったつもりでいるのですが、その実何も分かっていないのかもしれません。
だから、必要なのは問答無用の力。
この世全て、万物を公平に――無慈悲なまでに救済する力。
私が召喚に応じたのは、もちろん人理修復が目的ですが、
それでも、心の何処かでその無慈悲な力を探しているのです。
――そう、聖杯という無慈悲な救済を。
第五特異点クリア、霊基再臨2回、絆Lv.4の条件到達によりクエストが解放される。
天草四郎との絆を深める幕間の物語であるはずが、ここで描かれるのは彼が聖杯を前に主人公を裏切るという内容である。
汚染された聖杯を発見した主人公、マシュ、天草四郎の前に、聖杯の泥から間桐臓硯が現れ、聖杯を破壊させまいと襲い掛かってくる。
これを撃破したのも束の間、今度はアンリマユが泥から生まれ出でた。
聖杯を望んでいるのが天草四郎だと言い当てたアンリマユは、彼に対して聖杯の危険性を説くが、新人と同じ鋼鉄のメンタルを目の当たりのして吐き気がするとせせら笑った。
アンリマユの言葉やロマンの制止を耳にしても、聖杯を望む天草四郎の意志は変わらなかった。
汚染のリスクを負ってでも、世界救済の願いを諦めきれない。その機会があるなら、手を伸ばさずにはいられない。
天草四郎は、主人公にこの聖杯を任せてほしいと判断を迫った。
しかし、主人公は首を横に振った。最初に天草四郎と出会った時と同じように。
「……やはり、そうなりますか。では申し訳ありませんが……。
原初の聖杯戦争と行きましょう。
勝利者の総取りです。」
幕間の物語で裏切りを断行する天草四郎。
そしてこの戦闘で、なんとフレンドガチャ排出率が★5より低いとされるアンリマユをお試し編成できる。
戦闘に勝利し、天草四郎を止めることができた主人公だったが、暴発寸前の聖杯を前に事態は切迫する。
強制離脱を提案するロマンに、天草四郎は敗北したケジメとして自らの手で聖杯を破壊すると告げた。
宝具を展開し、一瞬の躊躇いを見せながらも聖杯を破壊する天草四郎。
無事に聖杯を破壊し、カルデアに帰還した主人公に待っていたのは、叛逆したサーヴァントに対する処罰だった。
しかし主人公は天草四郎を罰することなく、これからも同じように聖杯を求め続けると告白する天草四郎に「それは仕方のないことだ」と言い放った。次も同じことが起きたら、また自分が天草四郎を止める、と。
主人公「何度でも止める」
天草「マスターである限り、貴方は私を止める……と。何度でも……ですか。」
平行線となる対話に、天草四郎はまた一つの決断をした。
主人公のサーヴァントである限り、私は自らの夢を封じる、と。
「分かり合えずとも、共に戦うことはできる。
いつか離れるとしても、手を握ることはできる。
貴方がそうやって、私を信じてくれるのならば――
私もまた、自身の願いを封じ続けると誓いましょう。」
サーヴァント・サマー・フェスティバル!
2018/8/9~8/29の期間限定イベント「サーヴァント・サマー・フェスティバル!」。
そのイベントの一幕「修羅場クライマックス」。
主人公とジャンヌ・オルタ(後述ではオルタと表記)がホテルで原稿に勤しんでいると、物語の展開に悩むオルタが、怪物と姫の結末について主人公に問い掛ける場面がある。
オルタ「怪物は怪物のまま、この姫は姫のまま。それでも、理解し合えるのかしら?」
主人公「相互理解はそんなに大事?」
オルタ「すべてを知る必要はないってコト? それって偽物の愛じゃないの?」
天草四郎の幕間「世界の救済について話をしよう」を踏まえると、怪物と姫の関係は、まるで主人公と天草四郎の関係と重なるところがある。
相互理解が重要などではなく、理解し合えずとも互いを尊重し、手を取り合える関係性が大切なのだと。
余談だが、このイベント内での天草四郎は、時間ループの度にサバフェス会場の閉幕ギリギリで主人公たちの同人誌を買ってくれる仮面男として登場する。黒髭ですら避けた「詠天流受法用心集」すら買っていってくれた事になる。おい、その先は地獄だぞ。
それからも邪悪について話をしよう
人の善悪を両断して、いいことなど何もない。
善人は悪性を、悪人は善性を奇跡のように降り注がせる。
……善性を邪魔するのは、人間の本能に他ならない。
食べたい、眠りたい、痛みから逃れたい、褒められたい、敬われたい、考えたくない。
繋がりたい、繋ぎたい、休みたい、安らぎたい、死にたくない。
そのために、悪を選ぶこともある。
これを是正しろという方が無理な話。
「異聞帯についてです。
どうやら相当、参っておられるようなので。」
「……しかし。
それ故に貴方は輝くのです。」
「傷つきながらも踏み止まる、英雄でない君は。」
亜種特異点Ⅲ&Lostbelt No.3プロローグクリア、霊基再臨3回、絆Lv.5、幕間1クリアの条件到達によりクエストが解放される。
天草四郎と就寝前の会話を交わした主人公は、その夜、炎と血の匂いであふれた夢――“島原地獄絵巻”の風景を目にする。
悪夢を同じくして現れた天草四郎に「あーまーくーさーしーろーうー?」と疑念の目を向ける主人公に対して、「残念ながらその通りだったりします」と天草四郎はさらりと肯定した。
就寝前の会話によって主人公に蓄積していた呪詛がこの風景と繋がり、天草四郎が意図的に悪夢に巻き込んだと聞かされても、主人公は「まあ、いいか……」と彼の行いを受け容れた。
「天草四郎が考えたのだから、きっと意味があるんだよね?」
主人公から全幅の信頼を寄せられていたことを知り、天草四郎は珍しく照れる様子を見せた。
悪夢の怨念を祓いつつ、天草四郎から説明を受ける主人公。
主人公はあらゆる状況の中で“人間の怨念”や“獣の夢見た残滓”といったものを蓄積し、それが呪詛となって無意識下で主人公を苦しめていると語った。
ダ・ヴィンチちゃんをはじめとするスタッフのメンタルケアや、陰日向に主人公を助けているどこかの復讐者によって現状は保たれているが、いずれ致命的な部分で主人公を破滅させてしまう。
そしてその膨れ上がった負債を、今回は天草四郎が引き受けるためにこの悪夢に誘導したと答えた。呪詛に指向性を与えてやれば、私の望むモノに成り果てるかもしれない。
主人公が下総国で対峙したという、自分と同じ姿をした剪定事象の存在──妖術師に。
天草四郎がその名前を口にしたと同時に、下総国で倒した妖術師の残滓が哄笑と共に姿を現した。
我が身を顕現させるなど傲慢の罪を犯したな、と天草四郎を嗤う妖術師。
このまま主人公の精神を殺し、傀儡として操ろうと企てる妖術師に、天草四郎は主人公に向かって断言した。
天草「99.9%勝ちます」
主人公「ちょ、それ負けるーーー!?」
軽口を叩く主人公と天草四郎を前にして、妖術師は自分を侮っているのかと激怒する。復讐を捨て、この地獄の焔を忘れ、人理の奴隷となった貴様などに、私が負ける道理などあるものか!
憎悪と怒りの言葉を叫ぶ妖術師に対して、天草四郎は滔々と語った。私はいついかなる時でも、この焔、この地獄を忘れたことはない。憎んだが、赦した。私が憎んだのは、ただただ人の罪業のみ。悪の一切を浄化し人類を救済する方法を、私はこの身が朽ち果てようとも、探し続けるだろう、と。
お前は英雄などではない。聖人ですらない。ただの破綻者、妄想を追うだけの間抜けめ!と罵る妖術師に戦いを挑む天草四郎。
ちなみに、妖術師(アヴェンジャー)との戦闘ではつい有利クラスのムーンキャンサーを編成しがちだが、あえて不利クラスである天草四郎を出撃させると『この世全ての善』という特殊バフが発動する。本当に99.9%勝ちます。
戦況を圧す天草四郎に対して、妖術師は再び吼える。
無惨に虐げられ、徳川によって搾取され続けた島原の民たち。文字通りの地獄を見ておきながら、なぜ恨まぬ!なぜ憎まぬ!私には、俺には、その権利があるはずだ!
その地獄を繰り返さないために私は人類の救済を目指す、と天草四郎は答えた。
確かに、妖術師と同じ怒りや恨みは自分の中に存在する。どうあれ霊基に刻まれた逃れられぬ“痕”なのだと。
それでも天草四郎は、己と妖術師は同一であっても違う存在なのだと言い放った。
傷つきながらも踏み止まり、英雄ではなく人として進み続ける彼と、今は道を同じくするのだから。
「マスターに害を為すという一点で、私と貴方は踏み出す目的地が異なります。」
最後の一太刀を繰り出すために、互いに睨み合う天草四郎と妖術師。
――膂力も技量も間合いも全てが互角で同一。
――ただの一撃ならばそれまでの損傷は無意味。
幸運も慈悲も躊躇いもないのであれば、勝負の差は。
純然たる決意の差に、滲み出るものである。
妖術師を退け、緊張の糸を解く主人公に天草四郎は穏やかに語った。
「私はあの約束を忘れていません。」
「わかり合えずとも、共に戦うことはできる。
いつか離れるとしても、手を握ることはできる。」
「私は全人類の救済を目指していますが、マスターとの誓いを優先する。」
「ああ――」
「先の妖術師の純粋さこそが、私が今、失ったものなのかもしれません」
差し出された天草四郎の手を取って、悪夢から目覚める主人公。
目覚めた主人公が最初に目にしたのは、ベッドの傍らで安堵の微笑みを浮かべる天草四郎の姿だった。
握った手のぬくもりが、たとえ今この時のものであったとしても。
――後日。
食堂にてその天草四郎の武勇伝を語った主人公により、ノウム・カルデア内で「99.9%勝つ!」という台詞がしばらくの間流行ったとか。