概要
別名を北辰菩薩と、尊星王といい、北辰(ほくしん)とは北極星を指す。中国仏教において菩薩の尊称がついているが、神仏中の分類としては「天部」であり、「菩薩」ではない。
中国において仏教だけでなく道教においても信仰され、道教聖典の集大成「道蔵」にはこの神に纏わる符術について記載した『太上秘法鎮宅霊符』というテキストが収録されている。日本伝来後は神道、修験道や陰陽道でも信仰されている。
日本仏教系では浄土真宗と日蓮正宗を除く、ほぼ全ての宗派で信仰されている。
四神のうち北方を司る玄武とも習合し、玄武を想起させる蛇の尾を持つ亀や龍に騎乗した姿で描かれる。
虚空蔵菩薩や吉祥天と同一視されたためか、その像は男女双方の姿で造形される。
像容は一定せず、菩薩形、武神形、童子形、童女形と様々。一面二臂で右手に剣を持ち、左手の指を剣印にしたものが多い。
明治維新の際の神仏分離令の際には妙見菩薩を祭る神社において祭神名が天之御中主神に置き換えられた。
本地
『鎮宅霊符縁起集説』の役小角の説として、熊野権現と同一視する説が紹介されている。
熊野本宮大社の主祭神である家津美御子(けつみみこ)の本地は阿弥陀如来とされており、このためか熊本県八代市にある八代妙見では亀蛇框座阿弥陀如来像(亀蛇に騎座した阿弥陀如来像)が祭られていた。
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太一…北極星の神格化繋がり。