概説
梵名を「マハーシュリー」という。
四天王の筆頭・多聞天(毘沙門天)の妻ともされ、たおやかな天女として表される。
一説では鬼子母神の娘ともいわれる。
貴人の衣に袖を通し、手には宝珠または吉祥果(ざくろ)を持っている。
また様々な善行を為し、数多の功徳を積んでいるため、「功徳天」「宝蔵天女」の別名を持つ。
そのため、かつては七福神の一角であり、現在弁財天がいる席に座っていた。
これは時代が下るにつれ、弁財天が河神サラスヴァティーを起源とする水神の側面を持つことから、水田による稲作を重視する日本人には、弁財天の方が馴染みやすかったことに起因する。
また現在でも七福神の一柱として数えられることが有り、その場合は大抵(キャラが被っている)福禄寿か寿老人のどちらかを外す、あるいは悪魔合体させて数を合わせている。
弁財天とは類似点が多いものの、本質的に勝気で気丈な弁財天に対し、吉祥天は清楚で朗らかな女性とされやすい。
分かりやすく言えば、弁財天はモデル出身のタレント、吉祥天は清純派アイドルといったところか。
インド神話においてラクシュミーの姉とされるアラクシュミーも、「黒闇天」という女天として取り入れられ、原典同様に吉祥天の姉とされる。
また大乗仏教のある説話では姉妹揃って登場し、幸福の本質について語られる。
御利益
豊穣、招福、財運守護、諸願成就……など
御真言
オン・マカシリエイ・ソワカ