概要
某「最古のブログ」の筆者を主人公に、平安時代の宮中の日常を描く百合・ギャグ漫画。作者はくずしろ。
まんがライフWINで2010年3月10日から2024年3月21日まで連載された。
「時は平安時代、宮中では殿上人と女房達の宮廷文化が花盛り。後世名を残した清少納言は、そんな事お構いなしにひたすら定子様を溺愛していたのでした。…なにせ1000年も昔の事、史実なんてアテになりません!?」
掲載サイト「あらすじ」より抜粋。
単行本は全14巻完結。
登場人物
メインキャラクター
主人公。対人恐怖症で、定職に就かずに自宅に引きこもって日記を記す日々を送っていたが、友人の弁官の勧めで藤原定子の家庭教師を務めることとなる。その面接時に定子のかわいさと聡明さにノックアウトされ、以後は変態的なまでに彼女を慕い、その言動を逐一日記に残すようになった。
外見は美人の部類に入るが浮いた話は一切無く、女好きの道長にも「攻略対象外」と言われている。生活能力が徹底的に欠如しており、宮中に入るまでは弁官に頼りっきりだった。いわゆるダメな大人だが、優れた文才に高い学識、卓越した記憶力を持つ。27歳。
日本最古のエッセイ『枕草子』の作者。ちなみに史実の『枕草子』でも『定子様はすごい』という内容が再三繰り返されている。
中宮。藤原道隆の娘であり天皇の后。幼いながらも気品に溢れ、愛らしい容貌と純粋で優しい性格の持ち主。
中宮という立場からくる孤独感に悩み、私的な友人を求めて清少納言を登用した。自分が変態的に愛されているとは知らず、素直に少納言を慕っている。13歳。
史実では一条天皇の皇后。天皇と仲睦まじく、三人の子を生むも難産が原因で早世している。
藤原彰子の家庭教師。理知的で文才と色気に溢れる女性。『源氏物語』の作者として賞賛されている。
彰子の奔放な振る舞いに頭を悩ませているが、時には大人の余裕で諌める。自分の著作に初めて冷淡な評価を下した(恥ずかしいドリーム小説と言われた)清少納言に強い対抗意識を燃やしているが、当の少納言は定子にしか興味が無いためスルーされている。
実は人付き合いが苦手だったり、元引きこもりだったり、と少納言と結構似ている所が多い。24歳。
古典文学の代表『源氏物語』の作者。
なお、史実でも紫式部は『紫式部日記』で清少納言を酷評しているが、史実の紫式部は清少納言よりかなり(おそらく20歳以上)年下。紫式部の出仕は清少納言が宮中を離れたと思われる年代より後のことであり、直接の面識はなかったものと考えられている。
藤原道長の娘。自由な性格をしているがヤンデレ気味であり、家庭教師の紫式部や従姉妹の定子に屈折した愛情を抱いている。特に紫式部に対する独占欲が強く、彼女が他の者のことを考えているとすぐに刃物や呪術道具を持ち出してくる。
また、定子のお気に入りとなった清少納言に対し、凶行に及ぼうとしたこともある。12歳。
史実では一条天皇の中宮。二人の天皇の生母として父道長の権勢に貢献し、道長出家後は一門の支柱となった。
宮中の女官たち
弁官
定子の母である北の方藤原貴子の女房。清少納言とは幼少の頃からの腐れ縁。彼女のだらけっぷりを見かね、定子の家庭教師採用試験を受けるよう勧めた張本人。
しかし、現在は定子への偏愛を爆発させる少納言に頭を痛め、時には過剰なまでに強烈なツッコミを入れている。少納言に対しては容赦がなく、少納言も弁官に憎まれ口を叩く事が多いが、なんだかんだで仲は良い。
清少納言にとっては一番(宮中に入るまでは唯一)の友人であると同時に姉兼母親代わりでもあり、初めて『枕草子』を見せた相手でもある。作中では数少ない常識人であり、ツッコミ役。30歳。
『枕草子』にも清少納言と親しい『弁官』という役職の人物が登場するが、そちらは藤原行成という男性である。
紅式部
定子に仕える女房の一人。いきなり定子に重用された清少納言に反発し、否定的な言動をする。
実は少納言のことを気に入っているのだが、ついついその反対のことを言ってしまっては自己嫌悪に陥る典型的なツンデレ。後に少納言と相部屋となり、多少ではあるが素直になった。17歳。
白銀小左近
定子に仕える女房の一人。弁官不在時のツッコミ役や、素直になれない紅式部へのダメ出しを担当している。
翠中納言
定子に仕える女房の一人。紅式部や白銀小左近と行動を共にすることが多い。
常識的だが時には空気をガン無視したツッコミを行う。
椿
主上の傍らに仕える女官。目が細く大人びた雰囲気をまとった女性。
冷静で感情を表に出すことが無く、定子のこととなると我を忘れがちな主上をうまくコントロールしている。主上には敬意を払いつつも、かなりずけずけとものを言う。
彰子に仕える女房の一人。紫に懐いており、時折恋愛の愚痴を言いにくる。
教養よりも恋愛や容姿に磨きをかけるタイプ。いわゆるリア充。本人に悪気はないのだが、紫にも執拗に容姿を磨くよう勧めてくるため、彼女には苦手とされている。
性格は小悪魔的だが、天然でどこか抜けている。20歳。
史実では宮廷有数の歌人であり、恋愛に関する多くの優れた歌を残している。
また、彼女自身の恋の顛末を綴った『和泉式部日記』でも有名。
道長と倫子が彰子のために新しく連れてきた女房。教養高く、一見すると物静かで落ち着いているが、実はオタク気質で好きなものを語りだすと止まらなくなる。
ただしリア充(和泉式部)の前では静か。源氏物語の熱狂的なファンであり、作者の紫式部を神のごとく崇めている。当初は彰子に撥ね除けられたが、その言動が「清少納言と同様に頭がおかしい」と評価され、対清少納言用として採用された。
史実では、自身の半生を記した『更級日記』の作者として有名。
昔から物語の熱狂的なファンであり、『源氏物語』を知人から借りて読みまくっていたと言う。
また、『夜半の才覚』や『浜松中納言物語』の作者とも言われる。
皇族・貴族
主上
定子の夫。まだ幼い。性別に関しては単行本で明言はされていない。一人称は「僕」。
聡明で教養深い反面、性格は天の邪鬼で子供っぽい。定子とは基本的に仲睦まじいが、その性格が災いして素直に好意を示せないでいる。定子のお気に入りとなった清少納言に嫉妬しており、なんとか自分の株を下げずに定子から引き剥がせないか画策している。
なお、「主上」とは天皇に対する敬称であり、明言こそされてはいないが、彼は第66代天皇である一条天皇だと思われる。
藤原貴子
定子の母で道隆の妻。北の方と呼ばれている。外見は定子と似ているが、娘に比べてかなり陽気で自由奔放であり、茶目っ気の多い人物。自身の女房である弁官がお気に入りのようで、よくちょっかいをかけている。最近は娘が懐いている清少納言も気に入っている様子。
ちなみに史実によれば、当時かなり珍しい恋愛結婚だったと言われている。本名は高階貴子。
藤原倫子
彰子の母で道長の妻。紫式部の雇い主。外見は彰子とかなり似ている。
また、ヤンデレ気味な性格も同じで、姐様と慕う貴子に屈折した愛情を抱いている。
そのため、彼女に気に入られている弁官や清少納言が気に入らない。ただし、娘に比べるとかなり落ち着いており、精神的に不安定になっていた紫を諭したりしている。
夫の道長は奔放なプレイボーイ、妻の彼女は貴子に対してヤンデレ、と作中では夫婦として成立しているか疑わしい二人だが、史実では夫婦円満だったらしい。ちなみに姉さん女房。本名は源倫子。
定子の父で貴子の夫。真面目で心配性な性格。清少納言の定子への偏愛に薄々気付いており、時折二人の様子をこっそりうかがっている。
かなり偉い人なのだが、容姿も性格も地味なせいか影が薄い。
史実では摂政藤原兼家の長男で、後に関白に上り詰めて『中関白』と称されるようになっている。
作中ではいどこにでもいそうな娘のいる中年男性といった風貌だが、実際は容姿端麗で酒豪、若い頃はプレイボーイで冗談を好む陽気な人物だったされている。
彰子の父で倫子の夫。あっけらかんとして楽天的な性格のイケメンプレイボーイ。
恋愛に関しては相当自由な考え方をしており、娘の女房(紫は除く)を始めとした様々な女性に手を出している。
兄の道隆とは仲が良いようで、作中では行動を共にすることが多い。なお、年が離れている(史実では13歳差)せいか、兄に比べて容姿や言動がかなり若々しい。
史実では後に摂関となり、中関白一族に代わって宮中で絶大な権力を振るっている。
ちなみに本編未登場だが、彼には道隆の他にも同母兄道兼(三男)、異母兄道綱(次男)、道義(四男)といった兄たちがいる。
清原致信
清少納言の兄で、容姿が似ている。一人称は「ウチ」。妹のことは「ヒメ」と呼ぶ。弁官とも知己。父との対立から家出していた不良息子であり、性格は自由奔放で口調も軽薄。自分より出来が良く、父からも溺愛されていた少納言との間にわだかまりを抱えており、彼の家出は少納言が引きこもる要因の一つとなった。‥というのは実は清少納言の思い込みであり、家出の理由は、妹へのコンプレックスではなく、良い年して実の娘とはいえ幼女を溺愛する父に引いたから。
しかし、再会した妹がすっかり父と同じ方向に進んでしまっているのを見て、色々どうでも良くなったらしい。
史実では大宰少監などを務めた官人で、道長四天王の一人・藤原保昌(和泉式部の夫)の郎党だった。
しかし、保昌と保昌の甥・源頼親の大和を巡る利権争いに加わり、頼親の郎党・当麻為頼殺害に関与したため、その報復として自宅で殺害された。
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