概要っ☆
孔宣とは、
1:中国の古典怪奇小説「封神演義」の登場人物
2:1を原作とした藤崎竜の同名漫画の外伝に登場するキャラクター
である。
本項では2を重点的に紹介する。
人物っ☆
殷王朝最悪の皇后にして仙人界の大物妖怪仙人蘇妲己の義妹・胡喜媚の、その実の弟。
実弟だけあって彼も姉と同じく、雉鶏精という「時空に干渉し現在過去未来を好き勝手に飛び回れる」超レアな鳥の妖怪仙人である。
かつて週刊少年ジャンプで連載されていた漫画本編やそれに関連したメディアミックス作品にも一切登場しなかったが、2018年春から、2度目のアニメ化である覇穹封神演義の放映開始にあわせて、週刊ヤングジャンプにて、作者の藤崎竜氏によって短期連載された封神演義外伝において初めて登場した。
いかにもロリロリしい容姿の姉・喜媚(イラスト左側)と違い、体格は成人したてかその直前くらいの若い金髪青年の姿で、顔や肩・胸元にエスニックな丸く赤い紋様が浮かんでいる。
一見線の細い体格に見えるがこれでもやはり妖怪であり、全力で暴れれば身体能力だけでも並の人間どころか仙人や道士・妖怪でもただではすまない力や殺傷力を備えている。
なお、姉と同じく喋りの最後には「ッ☆」とつける。…こんな風にねッ☆
普段は通常世界に居らず時空の狭間に存在していて、それほど暴力的でもないトボけた性格だが、数万、数億年に一度「殺劫」という本能的殺戮スイッチが入ったら、その衝動が収まるまで(それが世界にどう影響しようと構わず)雉鶏精としての力で適当な時代にタイムトラベルして野放図に暴れ続け、満足したらその足でさっさと暴れた時代から時空の狭間に帰ってしまうという、かなり迷惑な存在となっている。
こうした彼の生活事情につき、喜媚の義姉妹である妲己や王貴人との親交の類はほぼ皆無と思われる(彼の存在とその能力からすれば、妲己が目をつけちょっかいを出し抱き込まないはずがなく、実際孔宣のコの字ほども本編に絡まなかったため。…こらそこ、大人の事情とか持ち出さない)。
なお、殺劫で頭の中がエキサイトしてないときはそれなりに対話はできており、太公望が四不象のことを「喜媚の婚約者だぞ」と紹介した際は四不象のことを「義兄さん」と読んでいくらかは尊重するような態度は見せていた。
活躍っ☆
主人公・太公望が歴史の道標との戦いを終え、その最後の戦いで死んだと見せかけて仙人界や周の国からも行方をくらまし、(居場所を突き止め追って来た)乗騎の霊獣四不象とともに気ままな中国大陸ぶらり旅を続けている中、突如出現し、太公望たちに襲い掛かってくる。
融合していた王天君に肉体を家出されていたため伏羲モードに変身できないながらもどうにか太公望は孔宣に応戦し、退けることに成功したが、そこから世界のあらゆるものが消失し、人間界が何もない不毛の荒野になっていくことに仰天した太公望と四不象。
その後出会った、伏義や女媧らの同胞にして太古に地球と融合した「最初の人」の一人・神農の思念体から話を聞いた太公望と四不象はさらに仰天することとなる。
なんと孔宣は喜媚の弟の雉鶏精であり、さらに上述の殺劫の発作により、孔宣が、太公望たちが世界を救うために戦ってきたその過去の歴史の中に飛び込んで大暴れし、その為に「女媧の討伐が成し遂げられなかった」と歴史が改変されてタイムパラドックスが発生し、今いる自分たちの時代にある全てが崩壊していっている、という緊急事態だったのである。
話を聞いた太公望と四不象は、すぐに神農の持つ「時空を超える力を持つ」第8のスーパー宝貝「禁光銼」の力で過去へ飛び、孔宣を追う。
その追跡の果て、孔宣に追いついたその時代は、ちょうど魔家四将が建国宣言したての周の王都・豊邑を襲撃し、それを迎え撃った崑崙の仙道たちの戦いが決着しようというその場面(単行本第8部ごろ)。
過去の自分たちと鉢合わせするとややこしいことになる、と隠密裏にことを運ぼうとする太公望たちだったが、楊戩や武吉ら目ざとい面々に隠しきれるはずもなく、結局騒ぎを察知されて過去の太公望たちも巻き込んだ一大バトルに発展。それで倒しきれればよかったが、それがむしろ孔宣の殺劫による戦闘衝動を大きく刺激してしまい、さらに騒ぎを聞きつけて面白がった妲己たちもこの戦いに食指を伸ばし始める。
いよいよ収拾がつかなくなり始めた事態だが、ここで太公望は状況を逆用することを考え付く。
「むしろこうなった以上妲己たちも巻き込んでバトルをより大規模で派手なものにし、それで孔宣には戦闘欲求を発散させるだけ発散させ満足させて、お帰り願おう」と…。
戦闘能力っ☆
戦闘については、基本的に如意羽衣による変化能力頼みの姉と違い、自身の身体能力にものを言わせたバリバリの直接戦闘派。さらに姉と違い雉鶏精としての時空干渉の力を自身の戦闘にも取り入れており、自身が致命傷を負わされても、自身の肉体時間を巻き戻して『負傷したという事実そのもの』をなかった事にしてしまうという芸当までこなしてしまう。
1についてっ☆
当項目上記における1、すなわち安能務の小説版の孔宣は、雉鶏精ではなく孔雀の妖怪仙人(それも後の孔雀明王)であり、周軍も崑崙の仙道(十二仙および燃燈道人も含む)でも攻略できず、崑崙の仙道以上の力を持つ西方の仏教教主・準提道人&接引道人の介入でようやくどうにかできた超チートキャラ。ここから彼を元ネタに、鳥系チート妖怪つながりで、フジリュー版の作中トップクラスのオリジナルチート能力設定を持つ鳥系妖怪「雉鶏精」となった喜媚の縁者として、フジリュー版の孔宣が生まれたものと思われる。
関連イラストっ☆
関連タグっ☆
孔雀明王…1における彼の後の姿。
準提道人&接引道人によって孔雀妖怪としての原型を暴かれた上で捕らえられ、仏教に帰依した果ての姿。