「そう……すべてはわらわの意のままに動いてるのよん♡」
「ヒュ――ッホホホ…ホ―――ッホホホホホホホ♡」
概要
太公望の最大にして最強のライバルにしてラスボスにして物語のヒロイン。
金鰲島出身の仙女であり殷の皇后。原型は1700歳を生きた狐の妖怪仙人。
聞仲、趙公明と並ぶ金鰲三強の一人。ただし、趙公明は1500年前に、妲己は600年以上前に金鰲島を離れたため、まだ300歳の聞仲が金鰲島で彼女らと並んでいた時期はない。
夏王朝では「末喜」、(作中の)60年前の殷では「王氏」を名乗り、その絶世の美貌により歴代の皇帝を意のままに操ってきた。スーパー宝貝「傾世元禳」により完成させた誘惑の術を使い、紂王を誑かし贅沢三昧の悪政を行う。
なお、太公望の部族を焼き討ちしたのは「王氏」の時であり、この時は聞仲と九龍島の四聖によって撃破されている。
語尾にハートマークをつける可愛らしい喋り方をし、どんな時にでも余裕の表情を崩さず、太公望以上に恐ろしく切れる頭脳を用いて、他人の心理を読み取り思うがままに利用することが得意。
人肉を喰らうなど残酷な性格をしているその反面、妹想いでスタイルも良い。
また、金鰲に崑崙から人質として出され、妖怪社会の目に晒され檻の中で精神をすり減らせていた王奕のもとに現れ、母親めいて甘えさせながら心身を妲己好みに壊し、改造しつつ育てあげ、王天君として成長させた。王天君自身も自分が妲己に壊されながら育てられたことは自覚しているが、それでも妲己を母親のように想っており、妲己も妲己でそんな育て方をしつつもそれなりに『母親』としての愛情は持っているなど、独特な関係を築いている。
戦闘面においても圧倒的な力を誇るが、自ら戦いに赴くことは滅多にない。
セクシーポーズをとることで宝貝の効果を上げるという妙な能力(宝貝の効力が誘惑・魅了に類するものゆえか)を持っている。風呂場シーンもあるなど、一糸纏わぬ姿もところどころあったりするなど、歩く18禁のごときエロさを持っている割に、彼女のpixivにおけるR18率と同人誌はかなり少ない。数が少ないことについては他の作品の妲己に対しても言える。作中でもデフォルメされた原作者の上司達に「少年誌的にNG」という理由で止められており、自分の魅力を最大限に曝け出せないことを嘆いていた。…誰か描いてやれ。
また彼女の特筆すべき点として、『魂魄だけになっても自在に活動でき、自身と波長の合う他の人間に憑依し、容姿や記憶も含む自身の存在情報を上書きして乗っ取る』という“借体形成の術”の使い手でもある。現在の姿は冀州侯・蘇護の娘である蘇妲己の体に憑依したもので、本来の名前や形態は不明。尚、蘇妲己に乗り移る時に一カットでのみ、妖狐と思われる姿を見せている。
また、彼女に完全に乗っ取られた者は、例え彼女がその体から抜け出しても肉体は元に戻らず、魂もその体に残らない(肉体情報が上書きされ、魂も彼女に取り込まれてしまったためと思われる)。
ラスボスにしてヒロイン
太公望の最大の敵であり、第1話から最終話まで変わらないラスボス。これはジャンプのみならずバトルマンガ界全体でも非常に珍しい特徴である。
彼女が最大の敵で在り続けた理由として、知略を武器にするためにバトルマンガ特有の強さインフレが関係ない事などが挙げられる。
そして、もう一つの特徴がヒロインでもあるラスボスという点。
彼女は何度も太公望やその仲間を残酷な策略で絶望へと叩き落すが、同時に太公望が絶体絶命となったときには必ず現れて助けてくれるのである。
ラスボスでありヒロインでありそしてライバルでもある。正にジャンプの歴史上でも非常に稀有な敵キャラクターと言える。
……実際は最終巻にて真のラスボスとの戦いが待っているのだが。
末喜時代に女媧と出会い、手を結び、表面的には女媧の肉体を開放するための手足となっていたが、彼女の唯一の望みとは地球と一体化し真の支配者となること。そのため永久氷壁に封印されていた女媧の肉体を乗っ取った後、太公望(伏羲)に別れを告げ、地球と融合する。
しかし女媧は肉体にわずかだが魂魄を遺しており実体化。太公望と壮絶な一騎討ちを繰り広げる。
勝負は太公望に分があったが追い込まれた女媧は道連れにと自爆してしまう。しかし妲己の意志が太公望を救い出すという結末を迎えた。
「本当にそれでいいのん? 太公望ちゃん……」
余談だが、作者は単行本のあとがきで、「楊戩と並んで描きにくいキャラ」とコメントしている。
宝貝
- 傾世元禳(けいせいげんじょう)効果は宝貝を参照
- 五火七禽扇(ごかしちきんおう)振るうことで爆炎の衝撃波を発生させ攻撃をする
- 金霞帽(きんかぼう)精神撹乱系の宝貝攻撃の防御(『封神大全』より)
その他
メディアミックス化における彼女
アニメ・仙界伝封神演義
原作の設定は全てオミットされており、歴史の黒幕が時の王朝を衰退させるため用いてきた傀儡という設定に変更されている。自我を持ち、今まで自分を使役してきた黒幕に反抗したが、最後は太公望たちによって倒された。
ゲーム・仙界伝及び仙界伝弐(ワンダースワン版)
「仙界伝」と銘打たれてはいるがこちらはアニメ「仙界伝」のストーリーラインではなく、原作漫画版のお話にワンダースワン版のオリジナル主人公が関わっていたら…という、ifのストーリーライン。特に「弐」のほうは原作漫画版本編終了後の世界を、「仙界伝壱(アニメとの区別のため便宜上こう表記する)」の話や設定を取り入れて描いたアフターストーリー。
「壱」ではそれほどWS版主人公たちに絡んではこなかったが、歴史の道標との戦いが終結して数年後、「弐」において、地球と融合したはずの彼女が、何かよからぬ策動を始めていき…。
なお、「壱」、「弐」とも、ゲーム本編中では原作で戦ったあの妲己と戦うことはできないが、
通信共闘(専用ケーブルでWS同士を接続して行う協力プレイモード)用のボスキャラとして戦うことが可能。