概要
名門進学校を舞台に、ひょんなことから生徒会長に就いた少女が、謎のスピーチライターの男と共に、「コトバの力=スピーチ」で腐敗した学校を改革していく学園ドラマ。主演は、ドラマ初出演となる広瀬すずが務める。
タイトルの「カイダン」は革命へと進む「階段」の事であり、間違っても「学校の怪談」ではない。
あらすじ
祖父と二人暮らしの高校2年生の春菜ツバメは、2か月前に通っていた高校が閉鎖されたために、名門校として知られる私立明蘭学園高校に"特別採用枠"として編入することになった。明蘭学園は、様々な事情で閉鎖された学校の生徒たちを無償で受け入れるプロジェクトを行なっていた。
しかし、学園には、"プラチナ8"と呼ばれる生徒たちが学園を牛耳っていて、ツバメのような特別採用枠で入った生徒たちは特サ枠と呼ばれ、他の生徒から蔑まれていた。
ある日、ツバメは金時教頭から、生徒会長になったことを全校生徒の前で知らされ、驚く。彼女は、生徒会長選挙の候補者に無理やり選ばれ、プラチナ8の謀略によって生徒会長にされたのだった。無理やり生徒会長にされ、途方に暮れるツバメの前に、謎の男が現れ、「願い事をかなえてやろうか?」と声を掛ける。
登場人物
主人公。通っていた高校が閉鎖されたため、特別採用枠で明蘭学園に編入した高校2年生。編入早々、プラチナ8の謀略によって皆がやりたくない生徒会長に就任してしまう。
これまで周囲の顔色を窺いながら過ごしていたが、生徒会長として改めて校内を見回したとき、学校が不満と不条理に満ちた「悪魔の巣窟」と化している事に気が付く。「この世界を変えたい」と思いながら、どうすることもできず嘆いていた時に、謎のスピーチライターの彗と出会い、学校を変えるために革命を起こすことを胸に決める。
現在は八百屋を経営する祖父・徳次郎(演:泉谷しげる)と二人で生活している。
ツバメの前に突然現れた、『学校をメチャクチャにすること』をモットーとしている謎の天才スピーチライター。自分が常に正しいと考え、自分が興味のないことにはまるで無関心。しかし自分の琴線に触れる出来事や人に対してはとてつもない関心を持ち、その人物が迎える「最高の一言」を引き出すために、自分の持つ「オハナシ」のギミックや技術を授ける。
プラチナ8
明蘭学園の中でも絶対的な権力を持つ8人組の生徒。親が学園に多額の寄付金を収めている関係で権威を振りかざし「生徒会の裏執行部」とも呼ばれていたが、実際にはメンバーたちの両親が利己的な要求を過剰に突き付けていた影響もあった。メンバーはその枠の証として南から贈られた特製の指輪をはめている。
しかし、ツバメとの交流を通して全員心を動かされ、指輪を外し離脱。以降ツバメに協力的になる。
- 麻生南(演:石井杏奈)
プラチナ8のリーダー格で学園の女王として君臨していた。ラクロス部に所属している。音楽家として活動している母親が世界中を飛び回っているため、他者からの愛を実感できないまま、幼少時代より一人自宅で過ごす孤独な生活を強いられてきた経緯から感情を失い、自分の立ち位置を他者にかき乱されることを嫌うようになった。プラチナ8の証である指輪も自分から離れて行かない様に縛り付ける為の象徴である。
仲間が次々にツバメの影響を受けて「プラチナ8」を離脱していく様を見て次第に焦りが募り、ツバメの協力者である彗の存在を掴み暴露しようとするが、失敗。しまいには彗から辛辣な言葉を突きつけられたことでついに自身の愚かさを自覚し改心した。
- 香田美森(演:杉咲花)
ラクロス部所属。学園の女子生徒でも、言論の面で強い影響力を持っている。かなりの演技派で策略家でもある。ツバメからは「みもりん」と呼ばれる。
プラチナ8の中で唯一出身中学が別であり、入学当初は独りだったが南に声をかけられ大喜びで加入した。メンバーの為に色々と働くがパシリ気味になっている。
中学時代は1人も友達がおらず孤独な生活を送っていたため、その寂しさと他者からの嘲笑に対する恐れを紛らわせるために、特サ枠の生徒たちを常に笑顔で見下すようになり、自分のプライドに固執していた。
しかし、ツバメとの交流を経て「誰かの顔をうかがうのではなく皆で心から笑顔で過ごしたい」という本心を南達に打ち明け、脱退。「プラチナ8」メンバーの中で最初の脱退者となった。
- 須藤夏樹(演:間宮祥太朗)
プラチナ8のもう一人のリーダー格で、バスケ部のエース。また成績優秀でもあるため、女子生徒からも人気が非常に高い。
内心では、プラチナ8の保護者たちが学校教育に干渉してくることを苦々しく思っているが、長らく父・友忠からは威圧されており、言い出すことができなかった。しかし、友忠のツバメたちに対する傲岸不遜な態度に失望して、プラチナ8メンバーの中で真っ先に、友忠らプラチナ8の保護者達の身勝手さと今までの自分たちの非礼を土下座で謝罪し、美森の次に「プラチナ8」を脱退する。
- 日向タクト(演:白洲迅)
バスケ部部員で、草介とは中学校時代からの友人。プラチナ8でも口先が非常に上手く明朗な性格だが、家庭での問題などもあって時に粗暴な一面を見せる。
私生活で父・司から部活のことなどで度々嫌味を言われており、長らく圧力を掛けられていた経緯から、学校でそのストレスを発散するかのように横暴な態度を露わにしていた。
しかし、ツバメとの交流を経て葛藤が生じ始め、後に和解した。
- 葉月エミリー(演:吉倉あおい)
帰国子女で、物事をはっきり言う性格。
自身の恋愛スキャンダルが原因で「プラチナ8のメンバーに相応しくない」として南たちからも一時期距離を置かれ、プラチナ8からも追放されかける。騒動の早期解決を図る理事長の申し入れでパリ校に転入せざるを得なくなるが、ツバメのスピーチによって救われ転入は取り消しになり、他のメンバーの手のひら返しもあってか不本意ながらも復帰。その時点で、既に葛藤が生じており、後に和解した。
- 伊吹玲奈(演:飯豊まりえ)
常に自身の外見を気にする日和見主義者で、母・雅美から人は見た目とブランドで評価されるという言葉に縛られていた。
雅美が転校させると言い出した際には自らの意思で反発し、親たちの身勝手な振る舞いを夏樹、陸、波留と共に謝罪した。
その後、南の策略で裏切られたとショックを受けツバメを再び敵視するが後に和解。
- 大倉陸(演:成田凌)
頭脳明晰で、プラチナ8のブレーン的存在。常に落ち着いた性格で、泰然自若とした雰囲気を醸し出している。
父・龍平からは将来弁護士になるよう言われているが、本心では両親から進路を押し付けられることを良く思っておらず、将来は小説家になりたがっている。
繊細で鋭敏な感覚の持ち主であり、ツバメの言動に対して最も早く疑問を呈していたが、後にツバメの真摯な態度に心を動かされ、最後には既に離脱していた美森や夏樹、他のプラチナ8のメンバーと共にツバメの手助けをするようになる。
後に自暴自棄となり原稿を燃やしてボヤ騒ぎを起こしてしまい停学処分を下されそうになるが、ツバメの説得により処分は撤回された。
- 千崎波留(演:伊藤健太郎(当時は「健太郎」名義))
文武に優れているが、常に傍若無人な振る舞いをする。タクトとは同じバスケ部だが、ある一件からプレーに対する意欲をなくしている。
その傍若無人な振る舞いは元々父・裕二の性格や言動の受け売りであり、後にこれまでの振る舞いを反省してツバメたちに謝罪した。