プロフィール
概要
SOULCATCHER(S)の登場人物で、鳴苑高校吹奏楽部二年生で、ファゴット・バスクラリネットのパートリーダー。
緑髪で右側の一部分だけ伸ばした左右非対称の髪型を持ち、目元には睫毛が揃っている。
一人称は「ボク」。当初は目のハイライトが無く、常に網掛けで濁った瞳をしていた。
神峰翔太に見える「心」の形は「紙の心」。その心の周りには、鎖で繋がれたマインスイーパーのような形の機雷が無数があり、マイナス思考・発言によって誘爆していく。
人物
性格は非常に卑屈で自虐的。ちょっとした事でもすぐにマイナス思考に陥ってしまい、フォローしてもそれが加速してしまう負のスパイラル精神を持つ。
一方で努力家でもあるのだが、後述する事情から周囲にはそれを隠している。
能力
音量に限界があるとはいえ、全力で演奏することで、1人で高音パートを押し返す程の実力を持つ。
そして音羽悟偉が『歩く音楽事典』と認めるほどの音楽知識を持っている。
小柄で細身にもかかわらずかなりの筋肉質で、神峰が「アスリートのよう」と評するほどの肉体を持つ。
祭りの余興レベルとはいえ、アームレスリングで力自慢の男にも勝ってしまう程の力がある。
ただ、周囲には知力や体力をひた隠しにしており、セッションを吹っかけて知った音羽以外では、同じ部活にいた刻阪響や歌林優菜も実力を知らなかった。
問題
彼の抱えている問題は「コンプレックスとなっている自分の性格」。
中学三年の大会にて演奏した曲にはラストでバスクラリネットの独奏があるのだが、自身のミスで曲を一瞬止めてしまった。さらにいとこで同時期に音楽を始めた邑楽恵が音楽が好きという心のまま向上心だけを切り捨てている現状の遠因であることも重なり、恵との関係も悪化していた。
トラウマを抱えながら恵を見放すことが出来ず、かといって関係を修復する事も出来ないまま、恵に嘲りを受けながらも一人努力を続けていた。
活躍
問題解決前
神峰が入部した日に初めて顔を合わせるが、この時はハイライトの消えた目で見つめるだけだった。
天籟高校の見学で基礎不足が露呈した神峰に声をかけられる。当初は断るが神峰の頼みに対し、楽曲の全体像を掴みやすい必要最低限の音符で構成された「コンデンス・スコア」という楽譜を一週間で100曲分写譜すれば教えると無理難題を突き付ける。しかし神峰は各楽器ごとの「パート譜」、全ての楽譜が記された指揮者用の「フルスコア」も含めて写譜を行い、課題をやり遂げる。苦手なことにもぶつかることで希望があるという神峰の姿勢を認めた御器谷は基礎を教えることを約束する。
しかし、そこへ取り巻きと共に恵が現れて御器谷をバカにするが、御器谷の努力を知る神峰は激怒。恵が去った後に御器谷に対して妙にきつく当たる事を訝しむ神峰に、恵の事情を伝えた上で、恵を助けてほしいと懇願する。向上心を切り捨てているために恵を攻略する糸口が見つからない中、顧問の谺夕子の提案で、神峰が天籟高校ウインドフェスで一曲指揮をするか、指揮者選抜投票を行うことになる。そこで神峰が指揮する曲に、トラウマとなっている曲を選曲、恵と共に酷く反対するが、指揮者に音楽の決定権があるとして受け容れられなかった。
そして演奏本番では、神峰の指揮から伝わる「失敗で迷惑をかけたくないという悲痛な願いを、全力で演奏しきることで願いを決意に変えればいい」という励ましにより、これまで見せてこなかった全力を出して恵を刺激し、恵の閉じこもっていた限界をも突き破ることに成功。そして全力で演奏することで心のマイナスが消し飛んだ中最後の独奏も演奏しきって、見事トラウマを克服した。
問題解決後
問題解決以降、卑屈な性格は元々なので直らなかったが、演奏に自信はつくようになり、恵との関係も改善された。
なお、強気女子である恵が神峰に好意を抱いていると分かった時には、まるで親のように嬉し泣きをし、神峰に彼女の今後をかなり本気で頼んでいた。
アンサンブルコンテストでは木管六重奏として刻阪、恵、歌林、吹越花澄、木戸雅と共に挑むが、メンバーの一人である木戸を「吹奏楽部には必要ない」と言い放った神峰に反発、他のパートリーダーと共に心から必要な言葉である「木戸は吹奏楽部に絶対に必要だ!!」だと言う言葉を神峰にぶつけた。
ロックフェス編では神峰主導の即興バンド『リンギン・ガーデン』には参加を断ったが、観客のサクラとして混じっていたことが単行本のおまけで判明した。
アンサンブルコンテストの全国大会前に、音羽が神峰と共に地方大会のコンテストを見に行こうとするにあたり、解説役として拉致されて巻き込まれる。
その後のスプリングコンサート、県大会、西関東大会では要所で活躍。
全国大会ではスプリングコンサートの会場で神峰に言い寄って来た、同じバスクラリネット使いで北海道代表の唄方幸乃と向き合う中、同じ部活で低音のチューバを担当する川和壬獅郎との一幕を思い出す。
それは、神峰の音楽の勉強に「型」の大切さを知る川和も参加してほしいと頼んだ時に、低音の役割である「水面下」の重要性を神峰に伝えるのは御器谷がふさわしいと言われたことであった。
自分を助けてくれた神峰に恩を返すべく、「水面下」を支える力強い演奏で川和と共に「吹奏楽の根」となる力強い低音を生み出すことで唄方幸乃を引き離し、「虹の音」に辿り着くピースのひとつとなった。
性別について
可愛らしい容姿、「忍」という男とも女とも取れる名前、具体的に性別を描写されたことがない等々で、ぶっちゃけ、ファンの間では性別不詳説が濃厚で、「男の娘」という意見まで飛び交っていた。
ちなみに、某掲示板では「性別:忍」とされる始末。
一応、スカートを穿いている姿は見られず、29話、30話では男子用制服(ズボン)を穿いていたことはあった。ただしバスクラリネットは、スカートだとキーに挟まる恐れがあるため、演奏時はズボン着用が好ましい(これは作中でも言及されている)とされているので、男と断定する根拠としては弱かった。
その後も、演奏時以外に普段の制服姿で登場する事があっても、下半身が隠れており明確に描かれた場面は見られない。
最早、何かの意図を感じるレベルである。
しかし42話で遂に御器谷自身が「男」だと公言。ようやく決着がついた。
実はOP.14で中学生時代の御器谷が描かれており、彼は男子制服(学ラン)を着ていたのだ。
それでも、初対面の相手が「どっち?」と迷うくらいの容姿ではあるようで、先述した唄方は御器谷を本気で女と勘違いし、「スカートを履きなさい!!!」と提案。その時の御器谷は心が割れるほど狼狽していた。
余談
名字には「器」の字が入っており、これは邑楽と合わせる事で「楽器」となり得る。