概要
てんとう虫コミックス13巻及び、藤子・F・不二雄大全集8巻に収録。
この望遠鏡で覗いた対象物に手を伸ばすと、それを取ることができる。
ストーリー
空地にてジャイアンはヨーヨーで「犬の散歩」を披露し、スネ夫がこれを褒める中のび太を返してと頼むが、当分預かると返してもらえず、スネ夫からも「どうせできないんだから」と言われ、「ヨーヨーだってジャイアンに遊んでもらった方が幸せだろ」と持っていかれてしまった。泣きながら帰宅したのび太は、このことをドラえもんに話すも、「いくじなし、自分で取り返してこい」と言われてしまった。
これにのび太が「それができるくらいなら泣いて帰らない」と反論すると、ドラえもんは仕方なく「手にとり望遠鏡」を取り出し、これを使って帰宅して来たママが持っていた買い物かごを自分の手元に移動して見せた。当然ママは買い物かごが消えたと慌てて帰宅し、ドラえもんからかごを渡されるも、訳が分からなかった。
そしてのび太もこれを使って、魚を咥え逃げている泥棒猫を包丁を持った主婦から助けてあげようとしたが、間違えて主婦の方を手元に持ってきてしまった。それでものび太はもう一度試してみることにし、木の上にいる先ほどの猫を見つけるが、今度は自分が自分が木の方に移動してしまった。だがそこからジャイアンがヨーヨーで遊んでいるのを発見したので、これを使って無事ヨーヨーを取り戻すことができた。
訳が分からないジャイアンは最初スネ夫を疑うも、知らないと言われたので2人で探すことにしたが、のび太が道具でスネ夫の頭を殴ったことで、ジャイアンは言いがかりを付けられ本当に殴りかかろうとし出した。そこで次はジャイアンのセーターを引っぺがし、これによりスネ夫は本当に殴られる羽目になってしまった。
気分がスッとしたのび太はセーターをジャイアンちに返した後、ドラえもんにもヨーヨーを取り戻せたこと報告し、その夜この望遠鏡で星を眺めていたが、これにより本当に星を掴んできてしまった。そしてドラえもんは「星なんか本当にとるやつがあるかっ」と文句を言っていたが、のび太は「つい手がでちゃったんだよ」と弁解していた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1979年8月15日に、水田版は2020年8月29日にそれぞれ放送している。
1979年版
- 冒頭のび太達は道路にいた。
- ドラえもんはママに望遠鏡を使う前に、少年が犬にあげようと思い投げたどら焼きを、これを使って手元に移動させ食べている。
- ドラえもんとのび太は土下座をして、移動させてしまった主婦に謝っている。ちなみに追われていた猫は原作での白い部分も黒くなっていた
- のび太がこの望遠鏡を使い、ベランダで読書をしているしずかの前に出現したり、銭湯の煙突や塔の上に移動しそこから見つけた少年野球でボールを操作しホームランを打たせてあげたり、空き巣の頭を叩いて家から追い出す下りが追加され、この空き巣は通りかかった警官に助けを求め署まで一緒に来るよう言われた。
- ジャイアンのセーターは望遠鏡を使って家に帰していて、塔の上にいるのを住民や警官に見つかってしまったため、慌てて望遠鏡を使い家に帰った。また、夜空は机が置かれていない方の窓から見いて、星により部屋がメチャメチャになってしまった。
- 本編終了後のショートアニメは、手にとり望遠鏡を持ったドラえもんが腕をびよーんと伸ばしどら焼きを持ってきた後、こちらに望遠鏡を振り向けるというものだった。
2020年版
- ジャイアンがヨーヨーで披露した技はあ「アラウンド・ザ・ワールド」からの「ジャイアンエクストリームギャラクシースペシャル」だった。
- 泣いて帰ってきたのび太の台詞のうち、「泣いて帰らないよ」は「苦労しないよ」に変更されている。
- ママに買い物かごを返した後、ドラえもんは「今日のご飯は肉じゃが?」と聞いている。
- 主婦が手に持っていたのは魚焼き機だった。
- ジャイアンが殴りかかろうとした際、勘違いではあるがスネ夫はちゃんと殴ったことを言っていて、のび太がスネ夫のズボンなどもはぎ取ったため、2人して殴り合いになった。ちなみにドラえもんはここに様子を見に来ていて、のび太がはぎ取った服を返しにいく描写はカットされている。
- 1979年版と同じく、のび太が望遠鏡を使って泥棒を捕まえる下りが追加されており、途中間違って警官の方や郵便局に行こうとしている老人を取り寄せてしまったが、河川敷の坂を転げ落ちるときに手あたり次第引き寄せたことで警官もその中に入っていたため、無事逮捕することができ、のび太は感謝状と金一封をもらい、その晩はご褒美にステーキを食べることができた。
- のび太は、「皆に褒められてまるでスターにでもなった気分」と言いながら星空を眺めていて、原作では異様に部屋が広く描かれていたが、今回はいつも通りの広さだったためドラえもんとのび太はギュウギュウ詰めになってしまった。