概要
羽海野チカ原作のマンガ『3月のライオン』の実写映画。2017年3月18日に前編、同年4月22日に後編が公開された。
監督に映画『るろうに剣心』の大友啓史、主人公の高校生棋士・桐山零に神木隆之介を起用、前後編それぞれ150分の大作映画となった。
ストーリー展開としては、原作にある「桐山零と幸田柾近の出会い」⇒「C級1組順位戦」⇒「島田開vs後藤正宗」⇒「獅子王戦」⇒「新人戦」⇒「宗谷冬司との記念対局」⇒「川本ひなたに対するいじめ問題」⇒「川本家の家庭問題」までと、原作にない「桐山零vs後藤正宗」⇒「エピローグ」へと進み、伏線として「幸田家の家庭崩壊」「桐山零と後藤正宗の確執」「桐山零と幸田香子の複雑な関係」「桐山零と川本家の触れあい」に、多くの棋士や板橋高校教師の林田高志ら、多くの登場人物が絡まりあう人間ドラマとなった。
将棋の世界を舞台にし、前後編それぞれ150分を要することから、原作未読の新規鑑賞者からは「プロ棋士の世界がわからない」「ストーリーが冗長すぎる」との声が多く、興行成績も振るわなかったが、ミスキャストがなく、原作にないエピソードも羽海野氏が考えていたもののひとつということもあって、原作ファンに不満はさほど高く上がらなかった。
登場人物
C級1組に所属する高校生プロ棋士。家族を事故で亡くし、父の友人であるプロ棋士・幸田柾近八段に引き取られ、内弟子となるが、このことが幸田家の家庭崩壊を招くこととなる。
川本家
将棋だけの荒んだ生活を送る零を温かく迎え入れる。
川本家の長女。
川本家の次女、中学二年生。
川本家の三女、幼稚園児。
川本三姉妹の祖父、和菓子屋「三日月堂」を営む。
- 川本美咲(演:板谷由夏)
相米二の長女、三姉妹の伯母。
幸田家
八段の段位をもつプロ棋士。長女・香子、長男・歩を零とともに育成していたが、零がわざと負けていることに気づかなかったため見切りをつけ、将棋をやめさせる。
父・柾近に才能を見切られ、無理やり将棋をやめさせられる。が、そのことが傷となって家を出て後藤と不倫関係になり、零にも複雑な感情をぶつける。
棋士
A級棋士の全員が「打倒・宗谷冬司」をめざし修行、後藤には宗谷を想定し、そこにいない宗谷と将棋を指すシーンがある。
A級棋士のひとり、八段。
後藤との激闘を制し、「獅子王」をかけて宗谷冬司名人に挑戦する。
A級棋士のひとり、九段。
宗谷への挑戦権をかけて島田と対決し惜敗、後、零と対戦し、彼を追い詰める。
名人・獅子王のタイトル保持者。将棋界の頂点に立つ。
C級1組、五段。零の「心友」、ライバル。
- 山崎順慶(演:奥野瑛太)
C級2組、五段、二海堂が重い病気を患っていること知っており、新人戦準決勝で持久戦に持ち込んで破り、決勝で零と対決。
- 神宮寺崇徳(演:斉木しげる)
日本将棋連盟会長。
神宮寺の盟友、棋匠のタイトルホルダー。
B級1組、六段。
C級2組、五段。
- 安井学(演:甲本雅裕)
C級1組、六段。酒癖が悪く、負けるとDVを起こすため離婚、娘に会う最後のクリスマスに零に敗れたため、彼に八つ当たりする。
その他の人物
私立板橋高校教師、零に温かく接する。
川本三姉妹の父、三姉妹の母・美香子と離婚し、家を出ていたのだが・・。