概要
THEENDOFEVANGELION第25話「Air」冒頭における碇シンジの台詞。
それまで心を許していた綾波レイはアルミサエルと共に自爆してそれまでのシンジとの交流を失い、葛城ミサトもセカンドインパクトや人類補完計画の謎を追うためシンジとの交流が少なくなっていた。
そして最後の希望であった渚カヲルをその手にかけたことでシンジの精神は崩壊寸前にまで陥っていた。
アラエルの精神汚染の影響でいまだ眠りから覚めない惣流・アスカ・ラングレーの病室でシンジは一人いう。
「ミサトさんも、綾波も、怖いんだ……助けて……助けてよアスカ。ねえ…起きてよ、ねえ、目を覚ましてよ……ねえ……ねえ」
聞こえるのは心電図の電子音のみ。それでもシンジはアスカを揺り動かす。呼びかけは悲痛な叫びに変わっていく。
「アスカ…アスカッ…アスカッ! 助けて…助けてよ…助けてよ…助けてよッ…助けてよっ!!」
「またいつものように僕を馬鹿にしてよ!!ねぇ!!」
シンジは勢いよくアスカを引き寄せ、仰向けにする。その拍子に、心電図のケーブルを張り付けるために、前のボタンが外されていたパジャマがはだけ、乳房があらわになる。息をのむシンジ。
ロックされた病室の中からはかすかに、シンジの荒い息遣いが聞こえる。
呼吸は徐々に大きくなっていき、最後に息を詰まらせたように「あっ」と一段大きな声があがり、沈黙する。
シンジの手には、白くべったりとした粘液が付着していた。
それを見たシンジは激しい自己嫌悪に陥り、呟くのだった。
「最低だ、俺って…」
第25話「Air」
余談
冒頭のこのシーンにて、シンジ役である緒方恵美女史はこのシーンを演じるにあたって、男性であるシンジの心情が女性の視点からはイマイチわかりづらく演技が難しかったため、シンジの父・碇ゲンドウ役の立木文彦氏からアドバイスを受けて臨んだというエピソードがエヴァファン界隈で噂されていたが、この話はのちに緒方女史本人が否定している。
また、第26話「まごころを、君に」のラストでアスカが言い放った「気持ち悪い」についても、宮村優子女史が後に語った【庵野秀明監督から「もし宮村が自分の部屋で一人寝てて、窓から知らない男が入ってきたことに気づかず、いつでも襲われるような状況だったにもかかわらず、襲われないで寝てるところを見ながら、あのさっきのシンジのシーンじゃないですけど、自分でオナニーされたと、それをされたときに目が覚めたらなんていう?」と突然聞かれ、咄嗟に宮村女史が「気持ち悪い、ですかね。」と答えた。】というエピソードを考慮すると、この件に対する返答ではないかとも推測できる。
同時に美少女の裸で自慰行為するというこの場面は、庵野秀明が嫌っていたという「現実を生きずにアニメに依存する若いオタク」への揶揄と言う説もある。そんなオタクに自分と一緒に冷や水を被せて現実へ引き戻すために作られたのがあの最終回である。
公式のコラボカフェにて「最低だ…」という名義でカクテルになっている。「寝ているアスカの服を脱がしてしまった後、部屋に入ったシンジの手に残ったアレをイメージしたカクテル。どろっとしてて若い女性にオススメ」(原文ママ)というほんとに最低な説明文が掲載されている。
関連項目
日向坂で会いましょう:「遅れてきたバレンタイン 妄想キュンキュン朗読会」にてこのセリフがデカデカとテロップとして挿入されたため、エヴァファン兼「おひさま」が大慌てになる事態へと発展した。
デンジ:第2部でヒロインをオカズに致してしまった主人公。そのため、Xでは「碇デンジ」がトレンド入りする事態に。ただし、こちらはヒロインによるアレとアレ付きで白濁した粘液は彼女の手に出てしまった。