次郎長三国志
じろちょうさんごくし
清水次郎長当人の活躍している当時から、巷間様々な伝承をもって語られていた。次郎長の生前である1884年(明治17年)4月に発表した伝記『東海遊侠伝』等がこれに当たる、そうした虚実入り混じる次郎長像を一つの創作物に纏め上げたのが、二代目広沢虎造の浪曲である。
この虎造の浪曲や、その他の資料伝説を元に執筆されたのが村上元三の小説『次郎長三国志』である。同作は、『オール讀物』(文藝春秋新社、現在の文藝春秋)誌上に1952年(昭和27年)6月号から1954年(昭和29年)4月号まで連載された。
東宝版
1950年代の作品、東宝版は全作モノクロ作品である。マキノ雅弘が監督。
シリーズ
『次郎長三國志 次郎長賣出す』 (1952年12月4日公開)
『次郎長三国志 次郎長初旅』 (1953年1月9日公開)
『次郎長三国志 第三部 次郎長と石松』 (1953年6月3日公開)
『次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港』 (1953年6月23日公開)
『次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路』 (1953年11月3日公開)
『次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家』 (1953年12月15日公開)
『次郎長三国志 第七部 初祝い清水港』 (1954年1月3日公開)
『次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊』 (1954年6月8日公開)
『次郎長三国志 第九部 荒神山』 (1954年7月14日公開)
『次郎長三国志 第十部 荒神山後篇』 (未公開)
キャスト
清水次郎長 - 小堀明男
お蝶 - 若山セツ子(1-6)
張子の虎三 - 広沢虎造
大政 - 河津清三郎
法印大五郎 - 田中春男
関東綱五郎 - 森健二
桶屋の鬼吉 - 田崎潤
江尻の大熊 - 沢村国太郎(1-5,7-8)
増川仙右衛門 - 石井一雄(2-8)
森の石松 - 森繁久彌(2-8)
投げ節お仲 - 久慈あさみ(3-7)
追分三五郎 - 小泉博(3-9)
三保の豚松 - 加東大介(4-5)
小川武一 - 清水元(3-4)
保下田の久六 - 千葉信男(4,6-7)
黒駒の勝蔵 - 石黒達也(4,9)
お千 - 豊島美智子(1-2,4-5,8)
沼津の佐太郎 - 堺左千夫(2,7-8)
大野の鶴吉 - 緒方燐作(5-9)
島の喜代蔵 - 長門裕之(6-9)
お園 - 越路吹雪(6,8)
七五郎 - 山本廉(2,6-9)
浜松の政五郎(小政) - 水島道太郎(8-9)
身受山鎌太郎 - 志村喬(8)
夕顔 - 川合玉江(8)
吉良の仁吉 - 若原雅夫(9)
お米 - 角梨枝子(9)
神戸の長吉 - 千秋実(9)
東映版
1960年代の作品である。マキノ雅弘が監督。
シリーズ
『次郎長三国志』 (1963年10月20日公開)
『続・次郎長三国志』 (1963年11月8日公開)
『次郎長三国志 第三部』 (1964年2月8日公開)
『次郎長三国志 甲州路殴り込み』 (1965年8月25日公開)