概要
漫画『遊☆戯☆王』において海馬瀬人が使用したウイルスカードの1つ「死のデッキ破壊」が元であり、同作を元にしたアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』においてもOCG寄りの仕様で使用している。
後に「デッキ破壊ウイルス」の名と類似した効果を持つ派生カードも登場している。
エラッタ前カードテキスト
死のデッキ破壊ウイルス/Crush Card Virus
通常罠
自分フィールド上の攻撃力1000以下の
闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。
相手フィールド上のモンスター、相手の手札、
相手のターンで数えて3ターンの間に相手がドローしたカードを全て確認し、
攻撃力1500以上のモンスターを破壊する。
※2004年9月1日制限カード指定、2009年9月1日禁止カード指定、2015年1月10日現テキストにエラッタ。
解説
相手のフィールド・手札の攻撃力1500以上のモンスターを根こそぎ一掃するという効果であり、原作・アニメではそれどころか相手のデッキにも影響が及んでいた(これについては話によって処理が異なり、攻撃力1500以上のモンスターが相手の手札に加わった時に墓地へ送るという処理になっていた時もあれば、このカードが発動した時点で相手デッキの条件に合うカードをまとめて墓地へ送っていた時もある)。
このカードが登場したばかりの頃はシンクロモンスターやエクシーズモンスター、リンクモンスターといったカードは存在せず、アタッカーの供給をメインデッキに投入するカードに頼らざるを得なかったため、デュエル序盤にこのカードの効果を受けただけで出鼻を挫かれ、そのまま敗北に繋がる事は珍しくなかった。
そのためこのカードのコストとなる攻撃力1000以下の闇属性モンスターを安定して供給する事に特化したデッキが組まれたり、反対にこのカードを警戒して元々の攻撃力が1500未満のモンスターをカード効果で強化する戦術が取られたりするなど、環境に大きな影響を及ぼしていた。
そしてその影響力があまりに大きすぎると判断され、長きにわたって禁止カードとなっていた。
『遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ』版現カードテキスト
死のデッキ破壊ウイルス/Crush Card Virus
(1):自分フィールドの攻撃力1000以下の闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。
相手フィールドのモンスター及び相手の手札を全て確認し、
その内の攻撃力1500以上のモンスターを全て破壊する。
その後、相手はデッキから攻撃力1500以上のモンスターを3体まで選んで破壊できる。
このカードの発動後、次のターンの終了時まで相手が受ける全てのダメージは0になる。
※2015年1月1日制限カード指定、2015年1月10日現テキストにエラッタ、2015年10月1日準制限カード指定、2016年4月1日制限解除。
解説
その後このカードは大幅なエラッタ(カードテキストの変更)がなされ、発動後に相手がドローしたカードを破壊できなくなった他、「発動した次のターン終了時までダメージを与える事ができなくなる」「相手にデッキから好きなカードを墓地へ送る事を許してしまう」という大きなデメリットが加えられた。
現在のテキストではデュエル序盤に発動したとしても相手の出鼻を挫くどころか、相手のデッキ次第ではむしろ体勢を整える大きな手助けをしてしまい、そのままこちらの敗北に繋がる事も充分にあり得るハイリスクハイリターンなカードになったと言えるだろう。
一応、結果的には相手のデッキ枚数を減らせる可能性が出てくるようになったため、「デッキ破壊ウイルス」の名前にはより相応しくなったのかもしれないが。
そしてこのエラッタの少し後にデス・ウイルス・ドラゴンがOCG化され、エラッタ前のこのカードと同じ効果になった。
活躍
原作・アニメでは自分フィールドの攻撃力1000以下の闇属性モンスターを「媒介」とし、そのモンスターが戦闘破壊されると相手への破壊効果が適用されるという効果処理になっていた。
初登場は王国編での闇遊戯とのデュエルであり、ブラック・マジシャンを初めとする遊戯の主力となる高攻撃力のモンスターをまとめて封じた上に自分は青眼の究極竜で圧倒するという戦術で闇遊戯を苦しめた。
しかし、ペガサス・J・クロフォードとのデュエルでは媒介としたモンスターの攻撃力が1000を超えるとこのカードの効果が無効になって破壊されるという弱点を突かれ、魔法カードの効果で相手モンスターの攻撃力を上げるという逆転の発想で突破された上、コピーキャットでこのカードをコピーされて自分の方が大打撃を受け敗北する事になる。
これ以降も海馬は度々デュエルで発動を試みているが、やはりストーリーとしてこのカードであっさり相手を圧倒してばかりでは面白くないという事もあってか、「対策を取られて不発に終わる」「発動に成功しても逆にそれを相手に利用されて不利になる」等相手の強さを印象付けるかませ犬の役割にされる事が多い。
ゲーム作品では
GBシリーズおよび「封印されし記憶」では効果が簡略化されており、「敵フィールド上の攻撃力1500以上のモンスターを全て破壊する」という魔法カードになっている。発動には特にコストを必要としない。
また、DM2〜4では原作でのカードの分類を名前と誤認したのか、「ウイルスカード」名義になっている。
言ってしまえば「サンダー・ボルト」の下位互換ではあるが、デッキキャパシティとコストの概念が存在するGBシリーズでは「サンダー・ボルト」に比べてかなり低コストに設定されることが多く、その点で差別化はされている。
特にDM3ではサンダー・ボルトの1/5以下のコストに設定されているうえ、サンダー・ボルトが制限カードなのに対しこちらは無制限であるため、気軽にデッキに投入可能な便利な除去カードになっている。
本作は攻撃力2200の地雷蜘蛛をはじめ強力な下級モンスターが頻繁に場に出てくる環境であるため、特にキャンペーンモード終盤やコンストラクションモンスターが主力となりがちな対人戦ではほぼサンダー・ボルトと同じ感覚で使える。
関連タグ
デス・ウイルス・ドラゴン:ドーマ編にて海馬が入手した伝説の竜のカード『クリティウスの牙』が死のデッキ破壊ウイルスと融合して誕生する効果モンスター。詳細は個別記事を参照。
継承されし記憶:ゲーム中では死のデッキ破壊ウイルスの効果を踏襲した地形である『ウイルス』が登場する。攻撃力1500以上のモンスターがこのマスに移動すると死滅するが、例外となるモンスターが存在する。
「デッキ破壊ウイルス」
- 死のデッキ破壊ウイルス
- 魔のデッキ破壊ウイルス
- 闇のデッキ破壊ウイルス
- 影のデッキ破壊ウイルス
- 悪のデッキ破壊ウイルス