「なかなか…ロックな連中でござる」
プロフィール
銀魂
概要
高杉率いる鬼兵隊所属の剣豪であり、「人斬り万斉」の異名を持つ。鬼兵隊の中では彼のみ高杉のことを「晋助」と呼び捨てにしており、鬼兵隊の事実上のナンバー2と思われる。武市と同様、また子からは「先輩」付けで呼ばれている。鬼兵隊の中ではボケとシリアス、両方そつなくこなせる頼もしい存在。
その出で立ちは、常にサングラス(デザインは34巻から変更されている)とヘッドフォンを着用し、ロングコートを羽織って三味線を背負っている(全体的な配色は、原作では黒一色でアニメでは青緑に近い)。三味線の中には刀が仕込まれており、その弦は対象に絡めてトラップとして用いることが可能。弦は鉄の強度を誇り、無理に動こうとすれば身体が引き裂けるほどである。真選組動乱編では銀時と戦い、その戦闘能力の高さを見せつけた。烙陽決戦篇では、ついにサングラスを外した素顔が公表され、昏睡状態に陥った高杉を救うために奮戦する姿が見られた。
音楽プロデューサーの「つんぽ」としての顔を持っており、寺門通に楽曲の提供をしている。
彼女には芸能戦術を徹底的に叩きこんだ模様(ただし44巻の質問コーナーで、お通ちゃんと直接会ったことがないことが判明した)。またアニメでは、動乱編の後に突き指を理由に曲の提供を延期したというオリジナルの設定が追加された。曰く
「三味線を弾いてたら、天然パーマの男に木刀でヘリコプターに叩きつけられてそのままヘリコプターごと地面に落とされたから突き指した。来年になったら本気出すからちょっと待ってでござる」と言い訳をしたらしい。
寺門市「突き指で済むわけないじゃないっ!」
お通「そこなのお母ちゃん!?」
小説版
小説「3年Z組銀八先生」では、第三巻のポスターに登場。
一人だけ半袖の青いシャツを着ており、高杉を「鬼兵隊」という名のバンドに誘っている。
「リターンズ」では再登場を果たし、原作とは打って変わり徹底的にボケている。
演劇でおばちゃんパーマのヅラを被って母親役を演じたり、バンドオーディションでノリノリで司会をやったり、高杉と学食のラーメンを食べてメンマを鼻にさしたりしている。
そして、銀魂高校の校歌が好きである模様。
ことあるごとに校歌を歌おうとし、また子から「うるさい」「歌詞のクオリティ低すぎる」「『嗚呼』を言い過ぎ」などとツッコまれ、ウザがられている。
また、原作でもヘッドフォンを付けていて、シャカシャカと聞いている音楽が音漏れしているように描かれていたが、小説版ではマジで文字通り「シャカシャカ」という音楽(雑音?)を聞いていることが判明した。
人気投票
初出場の第二回では19位、第三回では23位、そして第四回では25位を獲得した。
鬼兵隊の中では高杉に次いで2番目に人気が高い(第三回では、24位のまた子と接戦だった)。
余談
名前のモデルは、肥後藩出身で佐久間象山暗殺の下手人・河上彦斎(「ござる」口調で喋る有り様は、元ネタが同じである彼を連想させる)。表の顔である「つんぽ」の名前の由来は、シャ乱Qのメンバーで音楽プロデューサーのつんく♂。
原作では紅桜篇が初登場だが、アニメ版では原作だと紅桜篇より後の短編である「一日局長に気をつけロッテンマイヤーさん」が前倒しになっているためこちらが初登場となっている。ただしこの回でのキャストクレジットは「つんぽ」名義になっている。
万斉不憫説
「万斎」じゃなくて「万斉」だよ。万斎じゃなくて万斉です。漢字を覚えてあげて下さい。
「まんさい」とか「まんざい」じゃなくて「ばんさい」だよ。
アニメ209話で登場したのにセリフがなかったし、持ち物がシンプルになってたよ。
寺門通関連イラスト
関連タグ
共通点が見られるキャラ
以下、ネタバレ注意!!
単行本71巻で、鬼兵隊が命がけで解放軍の惑星破壊兵器「火之迦具土神」の発射を阻止する中で、万斉は手薄になった装置を仲間に突かせることを目的として、単身敵部隊に乗り込み、高杉とまた子を兵器の制御中枢へ送り出した。
万斉は、「高杉晋助」という英雄がいるから仲間は走り続けられるのだとしながらも、「高杉晋助とは、どんなに辛くとも振り向くことも立ち止まることも許されなかったただの一人の弱い人間なのだと知っている」と、高杉が決して人々が祀りあげる神のような存在などではなく、大切なものを失う苦しみと戦い続けていたことを理解していた。だとしても、だからこそ。
「振り向くなァァァ!! 晋助ェェェ!! 前を向けェェェ!!」
「この世界にはまだ英雄が必要にござる お前を失うわけにはいかぬのだ」
「お前の背中を追いかけるのが鬼兵隊だ そこがどこだって必ず追いついてみせるさ」
珍しく感情をむき出しにした高杉も、万斉の言葉を受けてまた子と共に制御中枢へ走り出した。
その後も万斉は死闘を続けるが、そこにあるのは「死ぬ覚悟」ではなかった。戦を切り抜けたその先の未来で、仲間と、高杉と、「ただの友」としてその隣で生きたいと望んでいたのだ。
これまでのストーリーからどこか冷酷なイメージのあった鬼兵隊は、実は一人の女の子を救うために結成したことから、高杉に吸い寄せられた蛾の集まりなどではなく、各々が魂に信念を持ち、高杉とともに戦う、絆の強い”賊軍”であった。
ボロボロになりながらもなんとかゲート前の敵を倒しきった万斉だったが、突如ゲートが内側から爆破、中から大量の敵兵が出撃してきた。爆風で吹き飛ばされ、瀕死の万斉に歩み寄ったのはなんと、紅桜篇でその命を散らした岡田似蔵。迎えが来たかと力無く笑う万斉に対して、お馴染みの点鼻薬をプシュプシュしながら、「迎えに来たわけでも待っていたわけでもない、この身が消えるまで高杉の背中を追いかけるのが鬼兵隊だ」と、万斉に三味線を手渡す。その言葉に、絶命するその瞬間まで高杉の後ろで歩みを止めない”鬼兵隊”の生き様を思い出して立ち上がり、弦で吊り上げた敵の死体をも利用して敵部隊を撹乱し続ける。
敵が撃ち方止めの合図を取り、硝煙が晴れたその先には、転がる死体の中立ち続ける万斉の姿が。これには敵も動揺するが、この時既に万斉は絶命寸前であり、自身の体に弦を巻き付けて辛うじて立っていた。その体には爆弾を巻き付けており、最後まで高杉を想い柔らかな笑顔を浮かべて、交戦していた部隊を丸ごと爆発させた。
高杉晋助の背を追いかけ、高杉晋助の背を守り抜いた、短くも波乱に満ちたその生涯の幕が閉じられたのだった……。
余談ではあるが、これらのシーンのアニメ版でのタイトルは『おもしろきこともなき世をおもしろく』であり、この句は奇兵隊総督として知られる高杉晋作の辞世の句として(諸説あり)広く知られているものである。
人斬りとして色のない世界で生きてきた万斉も、高杉と共に鬼兵隊として生きることで、「おもしろきこともなき世」を壊したかったのかもしれない。
また、原作第四十三訓『男はみんなロマンティスト』にて、真剣の賭け試合が行われる闘技場・煉獄関の闘士である鬼道丸こと道信が、殺しから足を洗おうとした所を殺害された際に、銀時が「野郎も人斬りだ 自分でもロクな死に方できねーのくらい覚悟してたさ」と発言、また岡田似蔵との一度目の闘いを演じた原作第八十訓『デートは30分前行動で』にて、似蔵が人が死んだ瞬間に見える魂について語ると、「人斬りなんぞができる奴は人の痛みもなにも見ようとしねークソヤローだけだ」と発言していることなどから、皮肉にも”人斬り”である万斉の死亡フラグに繋がっていると言えるのかもしれない。