概要
DVD第8弾に収録。
御存じ大泉洋、ミスターこと鈴井貴之、onちゃん(の中身)こと安田顕の三人が、西表島を舞台に生き物を捕まえてそのポイントを競う、いわゆる『釣りバカ』形式の企画。
現時点(2024年)までで、安田が出演した最後の企画(本企画以降は「大泉とミスターのレギュラー出演者コンビ&ヒゲの藤村とヒラの嬉野のディレクターコンビの4人」のみの出演となり、TEAM NACS内では未出演の戸次重幸を除く安田以外のメンバーである森崎博之や音尾琢真もゲスト出演していない)であり、なおかつ不定期放送移行後に「レギュラー陣4人以外の出演者もいた企画」としては唯一の企画(本企画以降は直近の最新作に至るまで「レギュラー陣4人のみの出演期間」が更新され続けている)でもある。
ちなみに、当時の『ハナタレナックス』プロデューサーの福屋渉(通称キャップ)や、オヤビンことスタイリストの小松江里子も企画に参加している(この2人は後述する後日談の企画にも参加している)。
ルール
本大会の大きな特徴は、厳密なルールが存在していないことにあるが、これは、後述するロビンソンの一言で企画の趣旨を変えざるをえなかったためである。
とはいえ、共通のルールのようなものは存在しており、それは以下の通り。
- 優勝者には「ムシオイキング(ム●キングではない)」の称号が与えられる
- 今回の優勝特典はなし
- 会場・試合時間・得点はロビンソンと藤村Dが決定するが、ロビンソンの判断が優先
- 食べる目的以外の生き物はリリース(天然記念物も多いため)
そもそもの発端
全ての始まりは、前回の企画である『ジャングル・リベンジ』のロケ終了前に、大泉が放った一言(というよりも番組への文句)がきっかけである。
「もっと荒々しいことをしたい。スペインの牛追い祭りなんかが良い」
「(このままでは)僕の子猫ちゃんたちが満足しない」
もちろん、これは大泉の軽い冗談だったのだろう。だが、D陣は帰国後にスペインへ牛追い祭りの視察へ向かい、その話は大泉にも伝えられた(この道中の模様は『どうでしょう本』に記載されている)。
そして2005年7月11日の早朝、企画発表のために大泉はお馴染みのHTBの駐車場に呼び出される。本気で「俺はこれから牛追い祭りに行くんだ」と信じて…。
激闘の記録
1日目
いよいよ始まる企画発表。牛追いを彷彿とさせる赤と白の衣装を着た鈴井、企画説明用のボードには黒い角が生えている。緊張しながら発表を聞く大泉と安田だったが、発表された企画は「スペインでのうし(牛)追い」ではなく「西表島でのむし(虫)追い」であった。(ちなみに、大泉と安田はパスポートを用意していた)
緊張の糸が切れたのか、「ゆるい企画」だとボヤく大泉を笑う出演者たち…。後にこれが大きなフラグとなるのだが、当時の彼らは知る由もなかった。
この日は全て移動に費やされ、石垣島にて一泊。その際、泥酔した大泉は宿泊した部屋への不満(エアコンを26度以上にすると悪臭が出るという張り紙がある、一泊三千円で安田・鈴井と相部屋であることなど)をぶちまけつつ、藤村Dに対しては「この企画以外ありえないね」と企画に肯定的な発言をし、その意気込みを語った。(もっとも、聞いている藤村Dもパンツ一丁ではあったが)
二日目
二日目の朝、ようやく西表島に到着した一行だったが、たっぷり昼寝をしていたため、競技が開始されたのはその日の午後。しかも、現地ガイドであるロビンソンの「虫なんか取っても面白くない」の一言によって企画は路線変更せざるをえなくなり、ここからロビンソンに言われるがままの行動を余儀なくされていく。
第1ラウンド クマノミ捕り
まずは西表の海を紹介しようということで行われた魚捕り。主なルールは、海に入って魚を捕まえるだけ。
序盤から海の中では白熱した戦いが繰り広げられていた…ようだが、水中カメラを持ってきていなかったため、残念ながら“おっさん達が延々とシュノーケリングをしている”映像が主となった。(嬉野先生曰く「地味っていうか展開がよくわからないよね」)
絵面は非常に地味だったものの、安田は大きなクマノミを捕まえ、ミスターはルリスズメを捕まえるなど美しい熱帯魚の姿をお茶の間にお届けすることができた。(大泉のみが、藤村Dの背中についていた魚ではない何かを捕まえただけだった)
結果…ミスター:6ポイント、大泉:1ポイント、安田:12ポイント
第2ラウンド ヤシガニ捕り
夕方の間に森にサバ缶を仕掛けて、夜になったらヤシガニが来ているか見に行く。そして大きなヤシガニが来ていればそれが得点になるという単純な競技。
このラウンドから、ロビンソンが得点にも口出しをするようになっていく。(この時点で虫は捕まえても得点にならなくなった)
サバ缶の置き場所が良かったのか、大泉とミスターの場所には大きなヤシガニがいたが、安田の場所には一匹も来ておらず、このラウンドでのポイントはお預けとなった。
結果…ミスター:34ポイント、大泉:26ポイント、安田12ポイント
ちなみに、宿での夕食の際、藤村Dは「ロビンソンが来なきゃいい」と発言していたという。
深夜のカエル捕り
大ウナギを捕まえるための準備。餌となるカエルを捕まえ、仕掛けをするだけ…のはずだったのだが、事態は予想もつかない方向に走り出していく。
ヤシガニ捕りの終了後の午後11時頃からカエル探しは始まった。
出演陣はロビンソンの車に乗り(二人は車内、一人は荷台)、D陣は後方から車で後を追う。初めに荷台に乗った大泉はとても元気だった。後方のD陣にガッツポーズをしてみせるほどに…。
しかし、どれだけ捜索してもカエルが見つからない。荷台に乗せられっぱなしの大泉の覇気はだんだんと小さくなり、ついには荷台にしがみつくような体制になり始めた。結局カエルの代わりにテナガエビを捕ることになった頃にはD陣の方にも疲労の色が見え始め、嬉野先生が「勘弁してほしい…」と本音をもらしたほどであった。(この後、安田も荷台に乗せられてヒドイ目に遭った)
小魚捕り大作戦
諦めないロビンソンは、最終手段として用水路での小魚捕りを行う。
しかし、結果は芳しくなく、大泉からは「ロビンソンもう帰ろうよ」という言葉が飛び出す始末。持ち前のポジティブさで全員をここまで引っ張ってきたロビンソンも
「疲れちゃったよ、オレ」
と発言したため、唯一捕まえた二匹のカエルをミスターと安田が仕掛け、テナガエビを大泉(とロビンソン)が仕掛けて終了。
午前2時頃、ようやく宿に戻った一行。カメラを前に大泉は
「俺たちはさぁ、ロビンソンの合宿に参加してんじゃないんだからさぁ…」
とボヤき、翌日のロビンソン襲来におびえつつ就寝した。
三日目
長い一夜が明けた三日目。出演陣、D陣共に疲れ切って眠そうだったが、宿まで迎えに来たロビンソンまでもが「目が開かない」ともらしていた。
第3ラウンド 大ウナギ捕り
前日の夜の仕掛けをあげるだけ。掛かっているかどうかは運次第だが、餌にエビを使うかカエルを使うかによって、掛かる獲物に大きな差がある。(ポイントにも大きな差がある)
結果的に大ウナギが掛かったのはミスターと安田の仕掛けで、やはりカエルが功を奏したようだ。一方の大泉はエビを使用したものの、ホシマダラハゼ(ロビンソン曰く、日本最大のハゼ)を釣り上げた。
ちなみに、動物や生き物が苦手な大泉はハゼの手ごたえにビビりまくっていた。
結果…ミスター:134ポイント、大泉:111ポイント、安田132ポイント
オオタニワタリの新芽とカヌー
次の第4ラウンド会場に向かう際に、ロビンソンはオオタニワタリの新芽を探しに行ったが発見できず、一行は前日のカエル捕りの二の舞になるのではと警戒していた。
しかし、タイミングよくロビンソン小屋(ロビンソンの経営している店)のスタッフが新芽を採ってきてくれたために事なきを得た。
会場へは西田川をカヌーで遡って向かうことになる。その途中の森の中では大泉がロビンソンのモノマネを完成させ、一行の笑いを誘った。(このモノマネで、ロビンソンがかつて阿寒に住んでいたことが発覚した)
第4ラウンド テナガエビ釣り
テナガエビを釣り竿で釣るという、そのまんまの競技。開始の合図はロビンソンの「プレイボーイ」。
なかなか釣れなかったが、最終的に三人が一匹ずつ釣り上げることができた。
だが、配点の基準になったのが最初に大泉が釣り上げた一匹だったため、大泉には不利な展開となった。
結果…ミスター:144ポイント、大泉:114ポイント、安田:147ポイント
第5ラウンド テナガエビすくい
寄せ餌を用いて小型の網でエビをすくう競技。
餌にエビがどんどん群がってくる…はずだったが、来るのは小さなエビばかり。拍子抜けはしたものの、ここで大泉は数を稼ぎ、第4ラウンドのポイントを挽回した。(捕ったエビはオオタニワタリと一緒に揚げて食した)
結果…ミスター:179ポイント、大泉:164ポイント、安田:162ポイント
第6ラウンド 入れ食い!オオグチユゴイ釣り
これまた単純な魚釣り。
試しに岩の下に餌を投げ入れてみると、大量の魚が現れたので入れ食い状態かと思われたが…ビックリするくらい全く釣れず。
20分経ったところで、見かねた藤村Dがストップをかけたほどだった。運がないのかなんなのか…。
結果…第5ラウンドとポイント変わらず
クロダイ釣り
カヌーで帰る途中にクロダイを発見したので、急遽行われたクロダイ釣り。
ロビンソンが「誰かが釣らないと帰れない」と発言したため、一気に出演陣にプレッシャーがかかってしまい、なかなか釣れなかった。
しかし、最後の最後に大泉がクロダイを見事に釣り上げた。
また、この際に藤村Dが「どこかで夜釣りができないか」とロビンソンに尋ねたのがきっかけとなり、伝説の最終ラウンド“夜釣りよ今夜もありがとう”が
開催されることとなった。
結果…ミスター:179ポイント、大泉:194ポイント、安田:162ポイント
最終ラウンド:夜釣りよ今夜もありがとう
そしてまた、しこたま食ってしこたま飲んだその日の夜、午後10時40分。
上原港にて運命の対決がいよいよ始まる。
ルールはいたってシンプルで、「釣ったらポイントになる」ただそれだけである(ちなみに制限時間は後ほど発表)。
「西表は夜も眠らせない楽しませ方をする」と上機嫌で語る藤村Dに対して、ミスターは「西表が眠らせないわけじゃない。あなた達が眠らせない」と冷静に話した。(出演陣はこの時間まで仮眠を取っていたらしいが、大泉は眠たそうにしており「寝かしてくんねぇか」と発言)この時、ロビンソンは眠気に勝てなかったようで、姿を現していない。
10時55分 試合開始
いよいよ決戦スタート。
開始すぐ、ミスターは見事にゴマフエダイを釣り上げて先制ポイントを獲得。(ミスター+30ポイント)と、このタイミングでロビンソンが「心配で眠れない」と様子を見に来た。
エサの撒き方などの指導をビシバシとこなし、その過程で「ライトをあまり照らすと釣れないよ」という発言が飛び出す。(その結果、後述するあの伝説の実況が生まれる)
午前0時5分 ロビンソンの指導によりライトOFF
ロビンソンの熱い指導により、ライトを消して真っ暗闇の中でバトルを続ける事にしたどうでしょう班。結果として、視聴者には延々と遥か彼方の町の光だけが映る、真っ暗な映像がお届けされることとなった。(決してテレビの故障・放送事故ではない)
そんな中ようやく大泉がアタリを引き、ライトON。ミスターと同じくゴマフエダイを釣り上げた。(大泉+30ポイント)そして再びライトはOFFに。
0時25分 “寝釣り”のスタイルが完成
「寝そうになると魚が来る」という理論に基づき、3人は“寝釣り”のスタイルを完成させる。
それは、硬いコンクリートの桟橋に身を横たえ、あたかも眠っているように魚に見せかけるというもの。(藤村Dはこれを「無の境地」と呼んだ)ここで『ライトON=釣れた』という
方程式が確立される。ちなみに安田さんはこの時半分寝ていた模様。
カメラの後方(もちろん映ってない)では、ハナタレ・キャップ(福屋P)も釣りを開始。ロビンソンの指導を受けて「静かにしてくれ。集中してるんだ」という本末転倒な発言が飛び出す。そしてここでロビンソンは寝に帰っていった。
0時45分 大泉が“マジ寝釣り”に入る
この間、出演陣よりも真剣なキャップのウキは微動だにしない。
1時 嬉野先生、“マジ寝”しかける
嬉野先生が一瞬“マジ寝”の体制に入りかけたところで、大泉にアタリが。
再びゴマフエダイを釣り上げた。(大泉+30ポイント)その後、あまりにも容赦なくライトを消すD陣にボヤく大泉だったが、
「大事なのは何?“釣る”ってことだから」
とその潔さを称賛した。
1時32分 全員が“マジ寝釣り”に入る
D陣が現状確認のために3人を照らすが、3人とも“マジ寝釣り”に入っており、全滅状態。
しかも安田は、竿と間違えて懐中電灯を握りしめていた。そしてまたライトOFF。
2時10分 伝説の名実況スタート
アタリが来なくなって暇になったのか、大泉と藤村Dがノリで実況を始める。
出演陣の3人を「寝釣り御三家」と名付けたり、竿と間違えて懐中電灯を握っていた安田の様子を「寝ボケ釣り」(寝釣りの中でもかなりの荒業だとか)と称したりして楽しんでいた。
その時、大泉に久々のアタリがあり、ミノカサゴを釣り上げる。(大泉+40ポイント)
「寝―釣―り!」「寝―釣―り!」観客の熱い声援と共に、再びライトOFFとなった。(さらに大泉は寝っ屁まで炸裂させている)
2時40分 流れ星を目撃する
「過酷ではあるが、画はユルい」というなかなか厳しい戦いの中、大泉は流れ星を目撃。とっさに「金が欲しい」と願いをかけるが、「布団で寝たい」と願えば良かったと後悔する。
そして、釣りに真剣なキャップは未だ諦めておらず、微動だにしないウキを眺めていた。(ちなみに、オヤビンことスタイリスト小松は、早々に上原港一泊をキメている)
3時 いきなり始まる寝釣りレポート
いびきをかいて“マジ寝釣り”を行う安田の確認という名目で、D陣2人のレポートが始まる。
大泉→ミスター→安田の順で懐中電灯が照らされていくが、安田に光が当たった瞬間、安田は「全身の神経を過敏に反応」させて起床。不意を突かれて動揺したらしい。
そしてここでミスターにアタリが。ゴマフエダイを釣り上げた。(ミスター+30ポイント)
3時30分 再び実況スタート
竿を手で持ってもいないという点に着目し、視聴者から抗議電話が殺到しているという設定に。「深夜ですのでお掛け間違いのないように!!」と大泉は繰り返す。(そのたびに藤村Dは爆笑)
途中で寝冷えしたのかミスターのくしゃみも飛び出し、風邪を引いた疑惑が浮上した。
5時 制限時間発表
うっすらと夜が明けてきた午前5時。藤村Dの一声でタイムリミットが6時と決まる。
のこり1時間となった中、最後の激戦が繰り広げられていく。しばらくして小松が起床。出演陣の頑張りをよそに「あせもできちゃった」と吐き捨てるように愚痴る。
ここでまた大泉にアタリがあったが、意外と小さい魚だった。(大泉+20ポイント)
そして、6時10分。日の出とともに感動の決戦は幕を閉じた。
結果発表
最終結果…ミスター:239ポイント、大泉:314ポイント、安田:162ポイント
最終ポイント合計はこのようになり、ムシオイキングの栄光に輝いたのは大泉となった。
朝日に照らされながらの勝利の喜びもつかの間、早く寝たい大泉はロビンソンに連絡せずに宿へ帰ろうと言い出す。なぜなら、この後沖合にある貝殻がいっぱいの島へロビンソンと向かう予定になっており、早く撤収しなければ、興奮したロビンソンが寝ないで島に行ってしまう可能性があったからである。
どうでしょう班は、そそくさと撤収していったのだった。
白い珊瑚でできた島で遊ぶ出演陣3人を背景に流れる『1/6の夢旅人』。その感動的なエンディングの最後は、こんな言葉で終わっている。
2005年夏―西表の海でミスターは 少し泳げるようになりました
その後
西表島での激闘から十数年余り過ぎた2023年7月2日。
全国各地の「藩士」達は各々が根城にしている映画館へと足を運んでいた。
目的はズバリ「今夏放送予定の新企画」であり、ライブビューイングによってスクリーンに映されたのは…
―懐かしの西表島―
かつて軍団が「虫追い」をするために訪れ、現地ガイドのロビンソンに振り回されまくった思い出の場所を再訪しよう…という企画を立てたまでは良かったのだが、今や多忙を極める売れっ子俳優・大泉洋に許されたスケジュールはわずかに4日。あまりに少ない。
軍団の行く手を阻む様々な「課題」をクリアし、果たして4人はロビンソンに再会できるのか…いや、そもそもロビンソンは無事なのか…?!
…という触れ込みで「2023年8月30日より全6週にて放送(HTB基準)」される事が明かされたのであった。
関連イラスト
ロビンソンに会いたい方
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