概要
Youtubeトピック(公式)動画
片翼の天使とは、『FINAL FANTASY Ⅶ』のラスボス「セーファ・セフィロス」戦のBGM名及び「ディシディア」等に登場する(ボス)キャラクター「セフィロス」の異名である。
彼は人間であるにもかかわらず、人間とは呼べない身体を持つ苦悩に苛まれながら壊れていったキャラクターである。
彼とのラストバトルで流れる楽曲も同様の名前である。のちに、時代とともに「セフィロスのテーマ曲」という印象が強まった。
公式英語名・One-Winged Angel
かつてゲーム内楽曲といえば、重要なイベントシーンであろうと無声BGMが主流であり、当然ファイナルファンタジーシリーズも例外ではなかった。そんなファイナルファンタジーシリーズにおいて、史上初の歌詞の付いたコーラス入りの楽曲であり、メロディ自体の荘厳さも相まって、当時のプレイヤーを驚かせた。(コーラス入りの楽曲自体は前作『FINAL FANTASY Ⅵ』の妖星乱舞が先である。)
海外の『最も素晴らしいラスボス曲』などのランキングで1位、NHKの『全ファイナルファンタジー大投票』で6位をとるなど世界的に有名なゲーム音楽である。
知名度の高さ、セフィロスを代表する曲として多くのアレンジバージョンが作られている。(詳しくは後述)
ちなみにHDリマスター版『FINAL FANTASY Ⅶ』で「ニューゲーム」「つづきから」を選ぶ画面に追加された移植担当の「スタッフロール」を選択するといきなり聴く事が可能である。
様々なアレンジ
この曲は人気を博して、セフィロスが登場する関連作品などでたくさんのアレンジ曲が作られている。以下はその一部である。(一部Youtubeトピック(公式)動画リンクあり)
- キングダムハーツ(初代FINAL MIX、Ⅱ、メロディオブメモリー)・「One-Winged Angel (from FINAL FANTASY VII)」※1
- FF7アドベントチルドレン・「再臨：片翼の天使 〜Advent: One-Winged Angel〜」
- FF7アドベントチルドレンコンプリート・「ADVENT: ONE-WINGED ANGEL – ACC LONG VERSION」※2
- クライシスコアFF7・「世に仇なす者(FFVII『片翼の天使』より)」
- FF7リメイク・「片翼の天使 -再生-」(英語名・「One-Winged Angel - Rebirth」)※3
※1 タイトルはオリジナル(英語表記)と同じだが、原曲をより豪華にしたようなアレンジが施されている。アレンジは2種類(OriginalとHD ReMIX)存在する。
※2 ACC用の追加・変更シーン収録に伴い曲に新たな旋律が追加され、前作より長尺になった。なお、サウンドトラック「Reunion Tracks/FINAL FANTASY ADVENT CHILDREN COMPLETE」で聞くことができる。
※3 FFVII REMAKE: 片翼の天使 -再生-(FFVII REMAKE: One-Winged Angel - Rebirth)と表記されることもある。
他にも、スクウェア・エニックス主催のオーケストラコンサートやアレンジアルバムなどもある。
参考映像・Distant Worlds THE CELEBRATION
主な歌詞と和訳
(「再臨:片翼の天使(以下略)」版は以下と違うためSpotifyの歌詞機能の閲覧をお勧めします)
歌詞はラテン語でカルミナ・ブラーナの詩を個々に抜粋したものとなっている。
セフィロスの心情やストーリーの流れを表しているといえる。
Estuans interius ira vehementi
エスタンス インテリウス イラベーヘメティ
(激しき怒りと苦き思いを胸に秘めつ)
Sors immanis et inanis
ソースィマニス エ イナニス
(恐ろしく非情に、しかも何の実もなき虚しい運命よ)
Veni, veni, venias, ne me mori facias
ベニベニベニアス ネメモリ ファチアス
(来たれ、来たれ、愛しの人よ、来ずば焦れて死のうものを)
(gloriosa, generosa) ※女性コーラス
グローリーオーサー ジェーネーローサー
(栄光なるもの、高貴なるものよ)
ネット上で有名な空耳ネタ
ここのコーナーではいわゆるネットミームを扱います。苦手な方はご注意ください。
日本人が聞き慣れないラテン語歌詞のため、数多くの聞き間違い/空耳が存在する(詳細は後述)。
もっとも有名なもので、曲中の「セフィロス」というボイスの部分が「タシロ」と聞こえてしまうというものがあり(※)、昔に逮捕されたテレビタレント「田代まさし」氏と掛け合わせたFlash動画「片翼のタシロ」が製作されるなど、ネット上での人気/知名度は高い。
なお、2010年開催のコミックマーケット78にて田代と同人音楽サークル『FRONTIER CREATE』がコラボ・頒布した東方Projectのボーカルアレンジ曲「ウルトラ☆テング」の中でタシロスネタについて軽く触れ、田代がそれに「懐かしいネタだね」と反応するという内容があり、図らずも田代公認のネタとなってしまっている。
以下替え歌の歌詞(お手洗いのネタ有のため閲覧注意、意図的に改行していません)
塩酸、シメジ、ひらめ、出目金・海苔、かけて、食べて、健康で・大きなリス、元気なリス・Ohシマリス、便秘なリス・下痢下痢下痢出す、出ねぇよりマシだ・下痢下痢練ります、出ねぇよりマシだ・バーイートーがーあーるーかーらー・トーイーレーのーなーかーかーらー
※:これに関しては異説もあり、「FLASH動画以前にはそんな空耳なんて言われてなかった」「FLASHで半分無理やり田代としてたのがいつの間にか定着した」という意見もある(特に上記の「セフィロス」というボイスの部分が「タシロ」と聞こえてしまうというのも、そもそも「セフィロス」のテーマ曲と言っても過言ではない本楽曲を聴いていてセフィロスを知らない人はほぼいないだろう点も考慮すると無理矢理感が強い。他のラテン語の部分についてはどうしても耳馴染みが無く、知っている単語が無いことから空耳で聞こえてしまったとしても仕方がない部分もあるかもしれないが)。
特にニコニコ動画のような視聴者がコメントを書き込めるサイトにおける片翼の天使関連のページで、この空耳を書き込む者は時代を問わず一定数いるが、現在は「FF7当時の音源の時点でそんな空耳には聴こえない」「本当にそう聴こえるならば頭がおかしい」等の批判的な意見を言う人が多く、「片翼の天使の空耳」というネットミームとして一定の知名度を誇っているが、人気という意味では現在ではすっかり下火になっていると言わざるを得ない。
Pixivのコメント欄を含めてこの空耳を話題にしたいならばある程度TPOを考慮する必要があるだろう。
その他
ケニー・オメガと片翼の天使
プロレスラーのケニー・オメガは自身のフィニッシュ技名に『片翼の天使』と付けている。
また、彼は公式にFF7プロデューサーの北瀬佳範氏と対談した。(以下スクウェア・エニックス公式動画より、字幕機能を日本語ONにすることをお勧めします)
ケニー・オメガと片翼の天使 -再生-
2023年1月4日、4年ぶりに新日本プロレス「東京ドーム大会 WRESTLE KINGDOM 17」に登場した際、ケニー・オメガはセフィロスをイメージさせる衣装で姿を現し、入場時には大きなモニターにスマブラ参戦ムービー(冒頭)のオマージュらしき映像や彼が大きな黒い片翼を背負う表現が流れ、楽曲もFF7リメイク「片翼の天使 -再生-」のオリジナル版イントロパートから使用するなどの彼のセフィロス愛に溢れる演出となった。(当時Twitterのトレンドにも上がった。)なお、この時の試合(『IWGP USヘビー選手権試合』対ウィル・オスプレイ)では勝利を手にした。
公式Twitter(＠njpwworld)の映像付きツイート
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』でのセフィロス参戦ムービーにて、「再臨:片翼の天使」が使われた。そしてゲーム本編にもオリジナル版とともに(フルサイズで)収録された。(ちなみにムービーは万国共通で「片翼の天使」というタイトルである)
ネットミームの再臨
2020年12月31日に「Adobe Flash」のサポートが終了する事に伴い、サントリーの「クラフトBOSS」の企画「Flash Back Memories」でFlash黄金時代の名作(迷作?)を交えたものがあったのだが、丁度これが話題となった同じ時期に「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」でのセフィロス参戦で、「再臨：片翼の天使」が使われた為に田代をネタにしたFlashネタを思い出した人が続出、Twitter上にセフィロスだけでなく、「デメキン」や「片翼の田代」がトレンド入りするという事態が起こった。
偶然とはいえ2020年も終わりに近付く中でまさかのFlash黄金時代ネタが飛び出す珍事となったのである。
関連タグ
レミエル(アンジュ・ヴィエルジュ)…本当に片翼しかない天使のキャラクター。
ピンクの悪魔…『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』で相対する。
片翼の天使とピンクの悪魔…上記タグのコンビ版。
片翼のサンタ…『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』で起きたとある奇跡。
田代砲…ネットミームのきっかけのひとつ。
