「我こそがキング・オブ・ハートにして流派東方不敗の正当掌門」
「人呼んで《独狐求敗》!!!!」
独狐求敗とは、TVアニメ『機動武闘伝Gガンダム』放送30周年を記念して公開された外伝『機動武闘伝Gガンダム外伝天地天愕』の登場人物である。
第13回ガンダムファイト決勝大会前夜、ギアナにて目覚めると、時を同じくして目覚めた他の4人の者達とともにネオホンコンへ現れた。
当代のキング・オブ・ハートであるドモン・カッシュの様子を隠し見ると、その足でウォン・ユンファの前に現れて何やら約定を交わす。
翌日、決勝大会の開会宣言が終わると他の4人とともに姿を現し、新生シャッフル同盟およびドモンに向けて問うた。
「我らはダーク・シャッフル!
キング・オブ・ハートよ!!
お前たち五人が誠にシャッフルとしての資格と力を持ち、世界を正しく導く事ができるのか?
それを試しに過去から蘇ったのだ!!」
人物
マスターガンダムを思わせるヘアスタイルをした、壮年の女性。
ゆったりとした服に身を包み、左手には大きな白扇子を持っている。
口調や性格は女性版東方不敗マスター・アジアといったところだが、彼に比べると若干ではあるものの激情家気味。
また、その心には私怨の大火が燃え盛り、ダーク・シャッフルの務めは半ば二の次にしている。
かつて東方不敗とともに流派東方不敗を学んだ武闘家であり、姉弟子。
その東方不敗曰く
「この東方不敗が生涯で唯一勝ちを得なかったお方」
であり、もはや演武というのも烏滸がましいほどに桁違いの技の応酬を彼と繰り広げ、無構えの状態から超級覇王電影弾を放つなど、その力量はこの時の素のドモンでは手も足も出ないほどに卓越している。
また、訳あって右腕の肩から先を失ってこそいるものの、流派東方不敗の武技以外にも自身が興した「流派独狐求敗」や白扇子を用いた剣術を得意とする。
ファイトスタイル
流派東方不敗を主体に、打倒・流派東方不敗を掲げ興した流派独狐求敗や剣術を用いた戦い方をする。
その腕は鋭く、白扇子一本でドモン相手にワンサイドゲームを展開してしまうほど。
なかでも流派独狐求敗の最終奥義にして究極奥義「天地天愕拳」は、流派東方不敗の最終奥義「石破天驚拳」と拮抗するほどの威力を誇る。
登場機体
キング・オブ・ハートとしてのお役目を務めていた際の乗機。
後に、とある理由から東方不敗が引き継いでいた模様。
ダーク・シャッフルとしての乗機。
白いマスターガンダムをベースに9枚のファンネルプレートや白扇子を装備しており、卓越した戦闘能力を持つ。
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以下ネタバレ
決勝大会前夜のギアナにて、デビルガンダムの残骸が形を成すことでこの世に甦った。
つまり故人である。
ダーク・シャッフルが一人「ダーク・ハート」として甦った彼女は生前と変わらぬガンダムファイトの不完全な様相を許せず、また、後述する私怨もあってドモンと東方不敗を相手にファイトを仕掛ける。
最小限の動きでドモンの攻撃をすべて躱しては逆に痛めつけ、上述したように東方不敗とは互角に打ち合った。
一通り東方不敗と打ち合ったのち、ドモンに隻腕であることを悟られると自身の私怨を打ち明ける。
「東方不敗に弟子を殺され、しかもその復讐から逃げられた」「キング・オブ・ハートが《シャッフルの不介入》を侵しているとは何事か。あまつさえ2人も」
「ダークとしてのお役目と共に、東方不敗の弟子も同じ目にあわせてくれて何が悪い!!!」
かつて東方不敗とともに掌門(ドモンから見て先々代の人物)のもとで修行を積んでいたが、掌門の「ガンダムファイトは正しき道か、自分で確認したかったができそうにない」という言葉を受けて、自身が代わりに見てくると立候補。
キング・オブ・ハートの称号を授かり、希望と責務を胸に下界へと一人、降り立った。
しかし下界に出て世を見て回った結果、「ガンダムファイトがすでにその意義を失い、ガンダムファイトに関わる者は地球とそこに住む人々をないがしろにしている」事実を思い知ってしまう。
そしてとあるファイトで我慢の限界に達した彼女は掟である《シャッフルの不介入》を破って乱入・無効試合としてしまい、それを逆恨みしたガンダムファイター達に村一つを壊滅させられてしまった。
この村は介入するまでの間に繰り広げられていたファイトの余波で既に被害を受けており、それによって身寄りを亡くした少年に稽古をつけたばかりという、独狐求敗にとっては他人事では済まされない場所となっていたのである。
これを激情のもとに制裁した独狐求敗は絶望に傷心のままギアナに戻り、掟を破ったことを掌門に謝罪しようとするが、掌門から弟弟子を正当掌門としたことを告げられる。
今まで掌門を継ぐのは自分であると信じて疑ってこなかった彼女は錯乱の末、弟弟子に剣を振り下ろすが、弟弟子に最終奥義でこれを受け止められてしまう。
この事実をもって自身の敗北を悟り、持ち直した剣で自ら右肩から腕を切り落とすと、傷の手当てもしないままに弟子、キング・オブ・ハートの返上を告げて出奔した。
出奔後は憂さ晴らしも兼ねて敵意の有無を問わず多数の流派を潰し、時にはガンダムからガンダムファイターを引き摺り出して殺すガンダム狩りを行うなどしており、いつしか彼女は《敗を求める孤独な女狐》…即ち《独狐求敗》と呼ばれるようになる。
しかしその強さ故に敗死することができず、唯一自身を打ち破るに能う弟弟子も現れず、ついには生きることも戦うことも意味を失って全てを諦めようとした…まさにその時。
背中に何者かが、剣を突きつける感触を感じとる。
気取ることができなかった事実から「ついに自分が敗れる」瞬間が来たと喜びのまま振り向くと、そこにはあの時死んだと思っていた、かつて稽古をつけた少年が一本の枝を持って立っていたのであった。
その後は流派独狐求敗を興し、少年との約束どおり彼を弟子に採って育成に明け暮れる。
しかし彼が青年になってしばらくしたある時、ガンダムファイト第12回大会の召集令状を手に、これを受諾したことを告げられる。
自身の苦い経験と弟子の境遇を慮るあまりに激怒して散々に打ち据えるも、彼が頑なに理由を答えず耐え忍んだことから破門を宣告。半ば追い出す形で弟子を送り出した。
独りとなり、またしても生ける屍と化して半年後、弟子がネオホンコン代表の東方不敗
マスター・アジア…かつての弟弟子に敗れて戦死したとの報を受ける。
激情に駆られガンダムファイトを壊滅させるべくガンダムファイト委員会を急襲せんとするが、征伐を依頼された東方不敗と12の昼夜に渡る激闘を繰り広げる。しかし決着がつくことはなかった。
結果、当時まだ第12回大会の最中ということもあって大会終了後の再戦を互いに約束したものの、約束に反して東方不敗が現れることはなかったことから今度こそ生きる目的を失うと、ギアナの洞穴にて息を引き取ったという。
復活後は上述した理由から決勝戦開会式に乱入してドモンを散々に甚振ったが、レインによって「ガンダムファイターとしてのブランクからくる、操者とプログラムの認識のズレによる隙」を見破られ、また「(そのズレを補正したうえで)ドモンが無我夢中に攻めることで明鏡止水の境地に達する」ことでついに突破されて敗北を喫する。
しかし復讐心と執念、DG細胞の力によって復活。強化された天地天愕拳をもってその場にいる者すべてを亡き者にしようとする。
加勢に出る新生シャッフル同盟をいとも簡単に退けて東方不敗とドモンに天愕拳を浴びせるが、2人渾身の超級覇王電影弾に押し返されて身体が崩壊を始めてしまい、「爆発!!!」の掛け声のもとに再び敗北した。
2度に渡る敗北を喫しながらなおも敗北を認めずに立ち上がり、先ほどの戦闘による余波でネオホンコンへ迫る危機に対応するドモンらに未練がましく天愕拳を打ち込もうとするも、東方不敗によって阻まれる。
東方不敗から「決して孤独なだけの復讐戦ではなかった」ことと、「愛弟子の相対した時の状況とその最後」を告げられると、ついに敗を得たと認めた。
直後、阿吽の呼吸で東方不敗とともに新生シャッフル同盟を押し退けると、姉弟による合わせ技「流派東方不敗終極奥義"石破天地天愕天驚拳"」で危機を退ける。
全ての決着後、夕暮れのなかで弟弟子とともに「流派東方不敗に伝わる悪しき因習」と「なぜ自分が掌門に選ばれなかったのか」語り合う。
最後は東方不敗の決意を察し、納得しながら塵となった。
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