概要
吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』へ登場する惡鬼・玉壺が人間だった頃の名前(公式ファンブック・弐より)。「まなぎ」と読む。
なお原作・アニメ版ともに容姿は不明なため、関連作品は創作者の想像である。
また玉壺は自他を肉体改造する趣味があり、完全に人の姿から外れた外見をしている鬼。
この経歴から、玉壺の人型(異貌・異形になる前の姿)を思い浮かべたファンアート・二次創作も存在する。
容姿(想像)
作中では、人間時および人型だった時の外見は不明。容姿を想像した作品には、異貌になった玉壺の「紫髪の長髪」が反映されていることが多い。
また「整った鼻筋」からも連想してか、端正な顔立ちに描く傾向もある。
人間時代の玉壺
本作『鬼滅の刃』では、作中で人間だった記憶を蘇らせる鬼の走馬灯が見処であるも、
公式ファンブック全2巻にて、益魚儀(玉壺の人間時代)の来歴が明かされている。
益魚儀は漁村出身の人物。海岸近くの村から外れた所で暮らしていた。
幼い頃から異常な感性で奇行を繰り返していた。動物をいたずらに殺し、違う魚同士を縫い合わせ、壺に鱗や骨を溜めた代物を「芸術」だと宣っていた。当然に周囲からは忌み嫌われて孤立していたという。
だが益魚儀は早くに両親を喪った(漁に出ていた両親が海難事故で亡くなった)事もあり、村人たちは「両親を亡くした事で気が触れたのではないか」と考え、気味悪がりながらも追い出すような事はせず静かに見守っていたとのこと。
しかし真実は違った。
益魚儀は損傷の激しい水死体で発見された両親を目の当たりして、悲しむのではなく〝美しい〟と感動しており、それ以来異常な嗜好へ目覚めて歪な造形物を創る事へ没頭していたのだった。つまり益魚儀(玉壺)の狂気は生来のものであった。
歪んだ芸術を追求していた少年は、ある時に自身をからかって来た子供を惨殺し、死体は壺に詰める猟奇殺人事件を起こす。
子どもを殺された親は激怒し、益魚儀は報復として二又銛で串刺しにされ、瀕死の状態で放置された。それでも彼は半日経っても死ぬ事はなかった(この事から、益魚儀は鬼に勝るとも劣らない生命力の持ち主だったのかもしれない)。
そこをたまたま通りかかった無惨によって鬼へされた益魚儀。一命を取り留めた彼は鬼の「玉壺」として子供を積極的に捕食し、人間や自分の肉体改造を好むようになったとの事。
本作の鬼はごく一部の例外を除いて長く強く生きる程に人間だった頃の記憶を忘れていく。また、その名残や精神の底にある心根へ由縁した性格や能力が形成される。
この傾向から、玉壺が使う血鬼術が魚介類や水属性へ関連して、かつ壺を媒介にする技は、上記の出自が影響していると窺える。
そして玉壺(益魚儀)の動向・言動を顧みると、彼の本性は人間時代から全く変わっていないどころかむしろ悪化している。