概要
吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』へ登場する惡鬼・玉壺が生み出す手下鬼の一種。
どの化け物も海洋・水棲の生物を基盤にしており、特に金魚型の鬼を大量にばら撒き刀鍛冶の里や鬼殺隊士を強襲した。
金魚の化物
玉壺は大小様々・多種多様な魚介類の眷属を創造して自在に操り、しかも大量召喚できる術技から広域制圧にも長け、面攻撃や数の暴力を実行できる鬼。
ここでは主要な手下鬼、金魚型の鬼を羅列。
大型の金魚鬼
金魚みたいな配色に寸胴体型の大口から鯉も連想される怪物(因みに、テレビ放送時の音声ガイドでは「金魚鬼」と表現された)。
背鰭へ変わるように背中から壷が生えた魚類の化物(他の手下鬼を召喚する場面と照らし合わせれば、壷から生えた化物と形容した方が正確かもしれない)。屈強な人間の手足が胴体脇から生え、更に刃物のように鋭利な爪、鯉みたいな大きい口にはギザ歯。ギョロっと飛び出た焦点の合ってない目玉も加えて、悍ましい様相を醸し出している。
小屋ほどの大型で、繰り出す怪力と鋭い爪と牙も併せて、刀鍛冶の里に住む刀鍛冶たちを喰い刻み、家屋を損壊させる多大な被害を及ぼした。玉壺が大群を生み出した物量戦と、たとえ頚を日輪刀で斬断(通常なら鬼が消滅する条件の一つ)されても死なず、自己再生能力まで兼ね備える。
背中にある壺の数へ比例して巨大化するようで、里長・鉄地河原鉄珍を強襲した個体-壷は4つほど生える-は家屋ほどの巨体があった。その長く強靭な手足、鋭利な爪、並の斬撃では傷つかない硬い鱗がある怪魚は、並の鬼殺隊士が太刀打ちできない戦闘力を有していた。
この金魚鬼たちは、不自然に背中へ生える壷が弱点。壺を割られるとあっけなく肉体が崩壊して死滅する。
アニメ版では後述する手下鬼も含めCGで作画されており、薄暗い夜の戦場で蠢く個体や刀鍛冶の里を大群で飲み込む奇襲は、原作よりも不気味な生々しい描写で軽くホラーである。
これら大型金魚鬼たちは、霞柱・時透無一郎と恋柱・甘露寺蜜璃によって退治された。
毒針の金魚
玉壺が手元に生やした壺-金魚鉢のような模様がある代物-から生み出す小型の手下鬼。
外見は普通の出目金と同型。空中を浮遊しており、口から猛烈な勢いで長く太い麻痺毒の毒針を大量に発射する毒魚。
一瞬で射程内を針山に変えてしまうほどの広範囲攻撃で、致死毒でない毒攻撃を受けた生き物は、じわじわ身体が痺れ身動きを奪われる状態異常へ陥らせる。恐らくは玉壺が対象を生きたまま芸術作品に仕上げる為の技。
時透無一郎へ直撃した際には、徐々に体の動きや呼吸を鈍らせていった。
その他
金魚型ではなく、丸形で髭の生えた鯉みたいな手下鬼も確認される。小動物ほどの小型で、胴体から生えた後足で歩行、前足は鋭利な刃物状になっている。こちらには壷が生えておらず日輪刀で両断すれば容易く消滅するが、ちょこちょこ動き回って隙をついた刺突攻撃はやっかい。
また玉壺は巨大な蛸の脚を生み出したり、空を滑空するサンマみたいな小魚など、多彩な手下鬼も手製の壺から召喚できる。
関連作品
余談
アニメ「鬼滅の刃 刀鍛冶の里編」で恐ろしい身動きをする大型の金魚鬼に対し、視聴者の中には、手足の生えたずんぐりの魚類から、なぜかPAPUWAシリーズへ登場するタンノくんを連想した方が多数いて話題となった。
この反応に、南国少年パプワくんの作者・柴田亜美も認知しTwitterにて「時透無一郎くん、君は南海に浮かぶ絶界の孤島に来ちゃダメだ。秒でタンノくんがタタキにされてしまう。」という文書と共に無一郎くんとタンノくんのイラストを投稿(ツイート)した。
関連タグ
金魚草・・・実在の植物ではなく漫画「鬼灯の冷徹」へ登場するキャラクター(?)について。こちらも鬼が関わる金魚(品種改良された観賞用ペット)で、だみ声で「おぎゃぁ」と泣き動く怖さ?がある。
ギョ・・・伊藤潤二によるホラー漫画。足の生えた奇妙な歩行魚に翻弄されるパニックホラー作品で、魚類の怪物が大量に蠢く描写は本稿「金魚の鬼」の化物よりも恐怖かつ、生物感染する性質も併せて強烈(ゴア)なため検索注意。