概要
神楽鈴(かぐら すず)は、神楽舞で用いる鈴(※b)のリズム楽器(※a)。
古来日本で用いられる金属製の鈴は古墳時代に大陸より伝来したといわれるが(※a)、呪術的意味を持つ装身具としても用いられる(※a)この鈴を、棒の先に複数取り付けた楽器があり(※a)、神道では古代以来現代までこの形式の楽器を巫女舞を始めとする神楽舞で使っている(※a)。
なお、辞書類に載っていないが、巫女が使うことをもって「巫女鈴(みこ すず)」と呼ぶ例も散見される(※d:一例)。
神道で使われる一方、同形のもの が呪師(じゅし、ずし、しゅし、すし|まじないの術を職業とする人やそれを行う僧〈※g〉)の芸能にも用いられ、能楽の演目『翁(おきな)』の「三番叟(さんばそう)」や、歌舞伎舞踊、民俗芸能に使われてきた(※a)。
よく見られる縦三段構造になっているものは、先述のとおり能「三番叟」の舞踊に使われることから「三番叟の鈴(さんばそうのすず)」(※a)もしくは「三番叟鈴(さんばそうすず)」と呼ばれている(※b2,c)。
その鈴は下から順に7個・5個・3個と付けてあり、その付き方にちなんで、「七五三鈴(しちごさん すず)」とも呼ばれている(※d)。
なお、ここまでの解説で判るように、神道の「神楽鈴」と伝統芸能の「三番叟の鈴」などは、本来は別ものである(※a)。しかしながら、辞書類を含めて多くの場合、両者は同じものとして説明されている(※b~d)。
奏でる音のオノマトペ(擬音語)は「シャン」(※e,f)「シャーン」(※e)「シャリン」(※e)など。
表記揺れ等
巫女鈴
三番叟の鈴 / 三番叟鈴 七五三鈴
関連イラスト
ロックされていたり設定枠が足りないなどしてタグ付けできない作品も例示対象とする。
本来使い
鈴に改変なし
実際に使われているものを比較的正確に描いている作品を選んでいる。様々な角度で描いているものを集めた。鈴以外の描写も、改変の少ないものを選ぶようにしたが、全てというのは難しい。
左から順に。1~6. 巫女舞の神楽鈴。7. 人長舞(神楽人の長の舞)とかそういうのの神楽鈴。8. 能楽の三番叟鈴。怖いのしか無かった。
鈴に改変あり
こちらは、鈴にいろいろと改変が加えられたもの。
2つ目なんて、てっぺんで星輝いてるし(笑)、って思ってよく見たら、雪の結晶(と星の組み合わせ?)だった。3つ目は、新体操のリボン(帯状布)か何か、混ざってる?
あかんやつ
こういう使い方をしてはいけません。しかし、どうやらpixivの蛮勇の前に禁忌は意味をなさないらしい。棒状ですからぁ。R-18指定作品につき、表示は制限されている。
左から順に。1. 罰当たりな使い方して自ら華を散らしてしまった巫女さん。2. もはや手遅れ状態の巫女さん、罰当たりなことされても喜んでしまう。
脚注
出典
※a 「鈴」 コトバンク > 小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』(解説者:卜田隆嗣)
※b1 「神楽鈴」 コトバンク > 小学館『精選版 日本国語大辞典』
※b2 「神楽鈴」 コトバンク > 小学館『デジタル大辞泉』
※c 「三番叟」 コトバンク > 小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』、ブリタニカ・ジャパン『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』、ほか。
※d 「神楽鈴(三番叟鈴)とは」 ODORI Company(ウェブサイト)
※e 「効果音>和楽器」 「OtoLogic」(ウェブサイト) ※3音を所収。
※f 「神々しい神楽鈴の音〈効果音〉」 「フリーBGM発掘サイト〜殿の貴重な宝物庫〜」(ウェブサイト) ※2音を所収。
※g 「呪師」 コトバンク