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腹中虫

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ふくちゅうむし

人の腹の中にいるという虫。所謂「腹の虫」のことであるが、生物学的なものとオカルト的な概念とがある。

曖昧さ回避

生物学により分類されるまでは、無念を残した者の悪霊怪異として扱われることも多かった。

この名は荒俣宏の伝奇小説『帝都物語』によって知られるようになり、創作などに使われるようになった。

pixivにおいては、蟲を口から吐き出しているイラストの題名とされることがある。

  1. 腹の中に棲み着き血液や栄養を奪うなどして実害を与える虫。 →寄生虫
  2. 腹の中に棲み着き病気にさせたり、感情や行動に影響を与える概念的な虫。 →腹の虫/針聞書
  3. 呪術によって生み出され、人の腹の中に取り憑いて行動を監視するばかりか、場合によっては操ったりするという蟲。※この項で説明

『帝都物語』の腹中虫

中国に伝わる呪術の一種・蠱術で生み出され、帝都東京の壊滅を狙う魔人加藤保憲によって魔力を与えられ使役される妖虫。

取り憑かれた者に体内から術者の言葉を伝え、鋭い腹痛を与えたり、精神を譫妄状態に変える力があるとされる。

作中では、加藤によって攫われた辰宮由佳理に、彼女の一族が持つ強い霊能力を利用するために取り憑かされていたが、土御門家の陰陽師・平井保昌が口移しで針を呑ませることでこの蟲を殺して吐き出させることに成功した。

池谷仙克氏デザインの、白いヌルっとした身体から黒い毛と節足の生えている忌まわしい姿の蟲を、特殊メイクを用いたSFXにより由佳理(演:姿晴香)が咽を膨らませて口から吐き出すシーンは、実相寺昭雄監督による実写映画版の見せ場の一つとなっている。

藤原カムイによるコミカライズでは実写準拠の姿。

OVA版の「魔都編」では、口器がけしからん形状の巨大な蛆のような姿で描写されている。

また由佳理を護るための土御門家の物忌みを妨害するために、加藤配下の看護婦の背から出てきた巨大な昆虫のような蟲も腹中虫と呼ばれる。

その他の創作

真・女神転生if...』の飽食界のボスオーカスの体内に巣くう邪龍ふくちゅうむしとして登場。なお姿は『真・女神転生』の邪龍ワームの色変えである。

単行本14巻収載のトラウマ回のひとつ「寄生虫の巻」に登場する、立野広が江戸時代の保存食を食べたことで寄生されてしまった未知の寄生虫は、そのありようが人に取り憑く悪霊や妖怪に似ると言及されたが、外見は怪物的でもあくまで生物なので、ぬ~べ~の鬼の手では退治できない厄介な存在であった。

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