概要
名前だけは前作ケンガンアシュラにも出てくるが、本格的に登場するのはケンガンオメガからとなる。
黒木玄斎の師匠の協力と共に自身の武術「臥王流」を元に「二虎流」を編み出し、二虎流を教えた弟子全員に十鬼蛇二虎を名乗らせ中の統一を目論むも、中の有力者との激戦を戦い抜くべく奥義を伝授しようとした餓鬼ヶ原樹海の奥地で何かが起こり、十鬼蛇二虎達は大半が死亡。鵡角本人も姿を消した。その生き残りが前作主人公十鬼蛇王馬の師匠である。
そしてケンガンオメガ冒頭、臥王鵡角の孫を名乗る臥王龍鬼が祖父に言われた通りに片原滅堂を頼り拳願仕合に出ようと滅堂の元へ現れた事で物語は動き出す。
それまでは龍鬼の回想内での登場のみだったものの、彼の教えに疑問を感じ「中」へ入った龍鬼が行方不明になったのを起に本人も姿を見せるようになる。
プロフィール
身長 | 203cm |
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体重 | 154kg |
年齢 | 100歳 |
誕生日 | 7月24日 |
特技 | 騙すこと |
嫌いなもの | 申武龍 |
人物
関西弁の筋骨隆々とした肉体を持つ老人で、自身に会いに来た初対面の光我たちにもフレンドリーに接するなど、一見すれば人当たりのいいノリを持つ好々爺といった所。光我達との初対面の時にそのノリとテンションの高い発言から光我は、実は大久保君の祖父ではないかと言った時には、間接的に大久保君も馬鹿にしてるだろとツッコミを入れ、片原烈堂が滅堂の孫では無く息子だと知ると、面影があるはずだと納得すると同時に、烈堂が滅堂の孫では無く子供と言う事実から100歳の自身とほぼ同い年の滅堂がどれだけお盛んなのかと驚いていた。
しかし龍鬼への武術指導は苛烈の一言であり、時には龍鬼を楔で拘束して10日間放置するなど一歩間違えば死に至る程の鍛え方をしていた。
また、龍鬼に対し「蟲は悪だから殺せ」「あれを人と思うな。虫を潰すのと同じだ」と教え込む事で、彼が殺人への躊躇いや罪悪感を持たない人間になる原因を作った。
自身も龍鬼に教えたように蟲に対しては容赦がなく、自分のエリアに潜入した蟲のメンバーや頭領直属兵の扇を躊躇いなく殺害している。
一方で二虎流を編み出した事からも分かるようにスパルタながら龍鬼に対して理論立てて武術を教え込み、闘技者としても一流レベルにまで育て上げたなど指導者としての手腕は確か。
ただし、二虎になれなかった者達の死者は凄まじく、実は素質がある者だけ残った節がある。
戦闘スタイル
龍鬼から阿古谷清秋とどちらが強いかと比べられ、王馬からも「隙が見つからない」と言われる猛者。奇襲主体の武術である臥王流の使い手らしく殺人に一切躊躇も容赦もなく、迷わず最初から殺しに行く。
また、速さと機動力が売りの龍鬼と比べると相手の技を受けて攻撃直後の隙を突く動きが多く、肉を切らせて骨を断つスタイルと言える。
ただし、その裏には彼自身高齢なので薬物で身体能力を維持しているため、衰え(反射神経など)を補った結果、回避するより耐え抜く方向にシフトしている節がある。
龍鬼も用いる王馬の使う「二虎流」の源流となった武術。弱者のための武術であり「奇襲」が本質であるため試合などで一度見られてしまえばタネが割れてしまうという弱点はあるが、殺傷能力が高い技も多く殺し合いのような実戦的な場ではその強さを存分に発揮する。
鵡角が1940年代に拳願仕合に参加した事で裏社会に広まり、30年間使い続けたこともあってか「中」でもそれなりに知られている武術で「中」の出身の氷室涼も臥王流の詳細を詳しく知っており、龍鬼との初対面では、龍鬼の放った「地伏龍」を軽々と見切って「臥王流は拳願仕合では通用しない」と言った。
後に判明したが、臥王流とは関西地域の農村部に根付いていた独自の短刀術を元に臥王鵡角が編み出した武術であり、古武術とは名ばかりのでっち上げとのこと。
臥王流を元に鵡角が発展させた武術。後に彼の弟子であった十鬼蛇二虎らへ受け継がれ、さらにその弟子である王馬や蟲の一部メンバーが体得している。鵡角自身も独自に二虎流を発展させており、「鬼車」のような新たな技や武器術を組み合わせた、二虎流へと昇華させている。
本編
以下ネタバレ注意
中を転々とする最中に蟲の上級戦闘員である扇と戦い、負傷しつつも二撃で相手を仕留めつつ、頭領直属兵が出張った事から繋がる者が直々に来ている事を察する。
臥王鵡角に会いに行って行方不明となった龍鬼を探して中へ入った光我達に対し、龍鬼の情報を求めて隠れ家を訪ねた彼らに襲いかかるも、誤解と分かり矛を納める。
その後、龍鬼は既に自分の元を発ったと告げた後、十鬼蛇二虎全滅の経緯を語り出す。
彼いわく、半世紀以上も前から蟲によって作られた巨大な蠱毒房である「中」の統一のため戦っていたが、30年経っても成し遂げられず老いによる問題もあり次世代に自身の野望を託すため見込みのある子供たちに二虎流を伝授し、最終的に生き残った7人に「十鬼蛇二虎」の名を与え各地で活動させた。
そして十鬼蛇二虎の名が「中」に知れ渡り実力もついたことをきっかけに奥義伝授のため樹海に7人を連れてくるも、一部の二虎が蟲に寝返っていたため、十鬼蛇二虎同士の殺し合いが始まり、結果的に殆どの十鬼蛇二虎が死亡してしまった(このときの生き残りが王馬の師匠である「十鬼蛇二虎」と、現在蟲に在籍している「もう一人の十鬼蛇二虎」である)。
その後二虎流は蟲に知られたので終わったと決め、蟲の追跡をかわすため世界を回り、その過程で蟲の施設を破壊し偶然拾ったのが龍鬼だと語った。
しかしその話を聞き、氷室や烈堂や王馬はどこか違和感を抱いており…?
『7人の二虎にそれぞれ別々の場所で奥義を教えた理由?』この事に関しては氷室は恐らくは『蟲』の襲撃を想定して全滅を防ぐ為に別々の場所で奥義を教えたと考えている。
『一部の二虎が鵡角を裏切って仲間の二虎を殺して『蟲』に寝返った理由?』鵡角の話が正しければ、裏切った二虎達は奥義習得の直前に『蟲』に寝返っており、『蟲』に寝返った二虎達が鵡角を裏切った理由に関して、王馬は引っかかっている。
以下さらなるネタバレ注意
その正体はかつて「我王」(ウーワン)と呼ばれた蟲の下部組織の一員。「我王」はかつて頭領の直属兵だった男が頭領の命令により独立し作られた組織であり、鵡角も約80年前にスカウトされ入った。
当初は蟲の敵対組織の壊滅という役目を果たしていたものの徐々に野心を持つようになり、遂には繋がる者を亡き者にしようと企てた。
繋がる者を倒すための秘策として憑神(より正確にはその原型となった技)を作り、彼が一人になったチャンスを見計らって5人で襲撃するも結果は手も足も出ず失敗。唯一生き残った鵡角は「臥したる王」という屈辱的な意味合いを持つ「臥王」と名を変え蟲の追跡が届かない「中」へ逃げ込み、蟲への復讐のため「十鬼蛇二虎」という兵隊を作っていた。
龍鬼を偶然救出したという話も嘘であり、繋がる者の完璧なクローンを作るための蟲のクローン研究所を破壊した後に、最後のクローンとなる龍鬼を自身の手元に置いていたというのが真相。
その理由も「龍鬼を撒き餌として今度こそ申武龍(繋がる者)を殺すため」という外道なものであり、十鬼蛇二虎を作る過程で蟲を真似て蠱毒房を実行し夥しい量の犠牲者を出すなど、それまでの好々爺のような態度は演技であり、おそらく目的のためならば手段を選ばないこちらの姿が素に近いものだと思われる。
臥王鵡角は偽名であり、本名は『龍 秀(ろん しう)』であり、自身が繋がる者を殺すことに異常な執着心を持つ理由は、自身がかつて申武龍の配下の組織の1つであった、楚国の武人「龍旼」の末裔である「龍の一族」の人間であり、当時の一族の首領である龍殻と先代の申武龍は互いに『友』と呼び合う程親しかったが、85年前に龍穀が先代の申武龍が『蟲』に命じてクローン研究に手を出したことを「摂理に反する」「存在してはならぬ邪法」だとして彼を止めるために一族総出で申武龍に挑むも、常人とは隔絶している申武龍の強さには到底敵わず、一族は全滅をすることになった。龍殻も死に一族が全滅する中で、龍秀は申武龍と闘わなかった事を選んだことで龍の一族の中でただ一人生き残った。
先代の申武龍は自身に挑まなかったことを「正しい」と攻めはせずに、「資格」があるとして
いつの日か自身に挑んで来いと言い残した。
この事がきっかけで申武龍に異常なまでの殺意と執着心を持つようになった。
その有様は王馬をして「あのジジイにはもう関わりたくない」「人の姿をした怪物」と言わせるほど。
そして真相を知った王馬たちが龍鬼を救出して鵡角のもとを去った後、狙い通り龍鬼を奪うためにやって来た繋がる者と対峙することとなった。
ドーピングにより当時を上回る馬力、手甲を用いたブラフ、武器術や不意打ちなど多種多様な攻め手を駆使して立ち向かうものの、その攻撃が届くことはなかった。
自分を殺すために研鑽を積んだことを認められチャンスとして力を抑えた状態で戦うことになるも、それでも遠く及ばない。
室内に充満させた一酸化炭素(しかも攪拌用の空調と別の空調を使いわけ、セーフゾーンを用意して自分は常に安全地帯に身を置く上にいざとなればガスマスクも用意する徹底ぶり)により膝をつかせることには成功するも、ヨーガの呼吸法によって呼吸を止めた申武龍にはそれ以上通用せず、その後の刀による攻撃は素手で止められ逆に自身が刺されてしまう。
絶体絶命の中、気を逸らそうとして申武龍が何故十鬼蛇王馬ではなく龍鬼を求める理由を問いかけ、「十鬼蛇王馬は私ではない」という謎の発言を聞くと、繋がる者の秘密に思い至るも、それも虚しく身体を両断され死亡した。