概要
中華人民共和国の西南部に位置し、北に四川省と重慶市、東に湖南省、南に広西チワン族自治区、西に雲南省と接する。
省域は「雲貴高原」と呼ばれる、雲南省から湖北省に向かって低くなる平均標高1,000メートル程度の起伏に富んだ高原になっている。北側は四川盆地に高度を下げ、烏江が流れ出して重慶の長江に注いでいる。南側は雲南省から流れる紅水河の上流域となっており、貴陽、安順などのある省中央部は、2つの河川の分水嶺になっている。安順市の黄果樹瀑布は、紅水河の支流にあるアジア最大の瀑布である。
古代の夜郎国の地である。戦国時代には楚が勢力を延ばし、黔中郡や且蘭郡を設置し、後に秦の黔中郡となった。苗族など少数民族が多く、中国王朝の支配下に入っても土着封建領主を通じて間接支配する地域が多かった。唐朝は黔中道を置き、明朝になって貴州布政使司となり、清朝に貴州省が成立した。省内第二の都市である遵義市は、中国共産党の長征の途上で、毛沢東が主導権を握った遵義会議の故地である。
2022年末の総人口は3,856万人で、少数民族が37.9%を占める。最大の少数民族は苗族で、プイ族、トン族、トゥチャ族、スイ族などがこれに続く。全国でも少数民族が比較的多い地区である。省面積の55.5%が少数民族自治区域となっている。近年これらの民俗が観光資源化されており、カルスト地形と共に開発が進められている。
余談
- 中国では湖南省・四川省と並んで激辛料理が名物というイメージが有り、「四川人不怕辣、湖南人辣不怕、貴州人怕不辣」(四川人と湖南人は辛い料理を恐れないが、貴州人は辛くない料理を恐れる)とまで言われている。
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