概要
駅前や繁華街や高架下などの街頭で通行人を相手に音楽の演奏などを行うこと。ストリートライブ。
主に、資金や人脈的な問題でライブハウスを利用できない駆け出しのミュージシャンが武者修業的に行うが、ストリートミュージシャンとして長年路上を主な活動の場とするアーティストもいる。メジャーなアイドルやアーティストらが、話題づくりの一環としてゲリラ的な路上ライブを決行することも稀にある。
日本における路上ライブ
日本では道路交通法の規定で路上ライブは警察の許可を得ねばならず、勝手に路上ライブを行なっているミュージシャンが警官に止められ撤収する姿もしばしば見られる。通行を妨害しているなどとして通行人や周辺住民からクレームが入ったり、地域によっては騒音問題との兼ね合いにより条例の規制が入る地域もある。
日本では学生運動とフォークソングが盛んになった1960年代後半に一大ムーブメントとなり、新宿駅西口広場は反戦メッセージを発信するフォークミュージシャンの聖地となった。この時期、路上で活動した人物として岡林信康や泉谷しげるがいる。機動隊の介入により彼らは新宿西口から締め出され、「新宿西口フォークゲリラ」と言われたムーブメントはいったん収束する。
歩行者天国が盛んになった1980年代には、繁華街の路上でパフォーマンスを行う若者が多数現れ、当時のバンドブームとあいまって「ホコ天ライヴ」が各地で展開される。1990年代にはゆずやコブクロなどは路上出身のネオフォークバンドが一世を風靡した。
2008年の秋葉原通り魔事件を前後して歩行者天国が激減した上、警察の路上パフォーマンスへの取り締まりが厳しくなったこと、ネット配信が増えたことなどで近年は鳴りを潜めてはいるが、路上ライブをネット配信するアーティストがいるなど、完全には立ち消えていない。一方で場所や時間を決めて野外ライブをできる場所を認め(ライブのたびに警察に申請しなくともよい)、町おこしに生かす自治体も出ている。