概要
作詞・作曲:桑田佳祐
編曲:サザンオールスターズ
2000年1月26日発売。44作目のシングル「TSUNAMI」にカップリングとして収録された。現在もオリジナル・アルバムやベスト・アルバムには収録されておらず、シングル盤のみの収録となっている。
ハードロックテイストの楽曲。桑田はかねてより日本の文化や古より伝わる日本語の美しさに敬意を払っている事を語っており、この曲の歌詞にも高校時代を過ごした神奈川県鎌倉市・若宮大路の名所と日本の四季を想起させるフレーズと古語を取り入れている。後述の解説にあるように鎌倉時代を彷彿とさせる難解な言葉も散見されている。
イントロ、間奏、エンディングに使用された経典のようなコーラスは桑田と原由子によるもの。
この曲や「TSUNAMI」の制作風景はスタッフにより文章としてまとめられて、当時の公式サイトで公開されている(参照)。
歌詞に登場する言葉について
日本の四季を彩る行事、天気、植物が歌詞に登場しており「桜」は春の季語、「花菖蒲」(この曲ではあやめと読まれている)「蓮花」「蝉しぐれ」「薪能」は夏の季語、「萩」「もみじ」「大銀杏」は秋の季語、「小雪」は冬の季語である。
静御前(この曲ではしずかと読まれている)は源義経の正室ではない愛妾(現在で言う愛人の事)である。
一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居は若宮大路に存在する。この曲の舞台である若宮大路は鶴岡八幡宮に通じる参道である。
鶴岡八幡宮は1063年(康平6年)に源頼義が京都の石清水八幡宮を勧請して創建した鶴岡若宮を前身とし、1180年(治承4年)に源頼朝が現在地に遷した。歌詞にある「北条はん」は頼朝の妻北条政子であるとされる。また、この八幡宮には樹齢1000年にも渡る大銀杏が存在しており、2010年3月10日未明に根本から倒れている。現在は根の部分から生えた若芽が成長を続けている。
七里とは七里ヶ浜(しちりがはま)の事で、鎌倉市南西部にある相模湾に面した2.9kmほどの浜で、稲村ヶ崎と小動岬の間にある。また、「戦」とは鎌倉の戦いの事であり、新田義貞の鎌倉攻めと呼ばれる。この曲の歌詞には戦死者に思いを馳せるフレーズが存在する。
化粧坂(けわいざか)は鎌倉七口のひとつで、鎌倉市扇ガ谷から源氏山公園を結ぶ切通し道になっている。仮粧坂(けはいざか)とも表記されている。
盂蘭盆会(うらぼんえ)は太陰暦7月15日を中心に7月13日から16日の4日間に行われ、父母や祖霊を供養したり、亡き人を偲び仏法に遇う縁とする仏教行事。日本ではお盆と称され一月遅れの新暦8月15日や旧暦の7月15日のまま行っている場合に分かれている。ちなみにこの言葉は初秋の季語として扱われている。
太刀洗(たちあらい)は梶原景時が上総介広常を斬った際に使った太刀を洗ったといわれている小さな水流の事である。
六地蔵は由比ヶ浜に存在する。かつて付近にあった刑場において処刑された者たちの霊を弔うために祀られている。この六地蔵は人間の持つ6つの苦しみ (地獄道、 餓鬼道、 畜生道、 修羅道、 人間道、 天道)から救ってくれると言われており、花を供える者が多いとされる。
禅寺については鎌倉市に建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺の5つが存在しており、鎌倉五山と呼ばれている。これらは臨済宗の寺院の寺格である。また、建長寺には半僧坊が存在し、大小合わせて12体の鉄製の天狗像が置かれている。
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サザンオールスターズ TSUNAMI 鎌倉市 鎌倉時代 この国に生まれて良かったなと思います