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概要編集

2023年1月に公開され、物語は前作「霹靂戰冥曲」に続く。「霹靂布袋戲」シリーズの主人公である素還真が化身も含め、一切登場していない。


解説編集

本作の舞台は、北武林に展開された「譜命寰界」が中心となる。寰界に吸い込まれた談無慾たちが、内部の住人達と関わっていく物語である。寰界の中では、30年もの年月が流れ、独自の世界観が発展された。「霹靂布袋戲」シリーズのほかの作品を飛ばして、本作から視聴を始めることもできる。


タイトルの「玄蒙」は、「暗闇に覆われる」「真偽不明な状況に惑わされる」などの意味合いが含まれる。寰界という未知な閉鎖空間に置かれ、陰謀や欲望に惑わされた人々の様子が、本作の中で描かれる。30年の流れを強調するため、あえて「記」ではなく「」を使った。


前作まで毎週2章のペースで発行されてきたが、霹靂社の運営方針により、本作から毎週1章のペースで発行することに変更された。


第1オープニングテーマの「烽火餘生」は、蔡佳瑩がボーカルを担当する。蔡佳瑩女史は2014年に、「霹靂俠影之轟霆劍海錄」第2オープニングテーマ「天下獨行」のボーカルも担当した経歴があり、霹靂シリーズのオープニングテーマを歌ったのは9年ぶりである。


声の出演編集

賴政君:ナレーション

蔡易軒:談無慾、雲忘然、雲上闋、その他大半の登場人物

呆之音:胤日鶙、亭翦悅、伽樓尋紘、その他

賴紘源:宇文經武、その他


あらすじ編集

悪の組織「六蝕玄曜(ろくしょくげんよう)」の陰謀により、中原の各地に寰界が展開されてしまった。北武林を中心に展開された譜命寰界(ふめいかんかい)にて、談無慾たちが中に吸い込まれ、外部との連絡が途絶えてしまう。そして譜命寰界の支配者・命君孤羅との戦いに敗れ、身動きが取れなくなった。


それから数か月後、仲間たちを助けるべく、靖玄者の道即墨が譜命寰界に突入する。しかし寰界の内部では、すでに30年もの年月が流れ、独自の世界観が発展された。謎の危険生物・慾獸(よくじゅう)が生息しており、人間を見つけ次第、襲い掛かる。


慾獸と対抗すべく、立ち上がる正道の組織と、慾獸を崇拝する新興宗教・祀月教。そして寰界の解除・脱出を図る神道師一行。それぞれの欲望と思いを抱え、戦いを繰り広げていく。


主な登場人物編集

談無慾

月才子と呼ばれる賢人。靖玄客の一人「輔星」であり、本作の主人公。

譜命寰界の内部で30年を経て、自由の身を取り戻す。


命君孤羅(めいくんこら)

六蝕玄曜の一人「天府座」。譜命寰界の支配者にして、本作の黒幕。

談無慾を破り、譜命寰界の発展を興じる。


雲忘然(うんぼうぜん)

紫雲劍庭の二公子にして、雲廣陵の養子。豪快な剣士。

自覚はないが、何らかの秘密を持っており……。


靖玄島編集

(せいげんとう)

悪の組織「六蝕玄曜」に対抗する中原正道の組織。

上位者は「靖玄客」、それ以外の構成員は「靖玄者」と呼ばれる。

寰界の展開により、人員の一部とその関係者たちが譜命寰界に吸い込まれた。


長恨無疆(ちょうこんむきょう)

猂族の覇者にして、談無慾の護衛役兼ライバル。無疆侯

談無慾と共に譜命寰界に吸い込まれ、長年の間に紫雲劍庭の教頭を務めた。


伽樓尋紘(がろうじんこう)

靖玄者の女性。神道師の恋人で、共に譜命寰界に吸い込まれた。

昔は命君孤羅と何らかの関係があったらしく……。


神道師(しんどうし)

道具の解体・製作に長じる道具師。伽樓尋紘の恋人。

恋人と共に譜命寰界に吸い込まれ、脱出方法を探る。


戲須臾(ぎしゅゆ)

神道師の従者である人造人間。神道師たちと共に譜命寰界に吸い込まれた。


道即墨(どうそくぼく)

靖玄者の一人である青年剣客。

伽樓尋紘たちを助けるため、外部から譜命寰界に突入する。


紫雲劍庭編集

(しうんけんてい)

譜命寰界の中で、独自に発展した剣士の組織。

武林の平和を乱す慾獸を倒すために、日々奮闘する。


雲廣陵(うんこうりょう)

紫雲劍庭の庭主。正義感が強い剣士で、慾獸たちと戦う。

身内にも言えない秘密があるらしく……。


雲上闋(うんじょうけつ)

紫雲劍庭の剣士。雲廣陵の長男。

孤高な性格。実力を証明するために、慾獸たちと戦う。


俠盟天下編集

(きょうめいてんか)

譜命寰界の中で、独自に発展した正道の組織。

武林の連盟であり、譜命寰界の半分ぐらいを統轄する。


宇文經武(うぶんけいぶ)

俠盟天下の盟主。祀月聖教と敵対する。

正義を掲げながら、野心も秘めている。


宇文鴻心(うぶんこうしん)

俠盟天下の少主である琴使い。宇文經武の息子。

亭翦悅に恋心を抱いている。


亭翦悅(ていせんえつ)

明るい少女剣士。雲上闋の従妹で、雲忘然に恋心を抱いている。


明府指淵編集

(めいふしえん)

譜命寰界の中で、独自に発展した組織。


北隍應(ほくこうおう)

明府指淵の主である術者。譜命寰界と慾獸の秘密を研究している。

地下牢で命君孤羅らしき人物を捕らえているが……。


亭子玦(ていしけつ)

亭翦悅の弟。他人の心の本音を探り、共感する特殊能力を持つ。


祀月教編集

(しげつきょう)

譜命寰界の中で、独自に発展した新興宗教。祀月聖教とも呼ばれる。

武林の平和を乱す慾獸を崇拝することから、外部から邪教として扱われる。


胤日鶙(いんじつてい)

祀月聖教の教統。慾獸を崇拝する思想を、世間に広める異端者。

映殊絡に歪んだ感情を抱いている。


映殊絡(えいしゅらく)

祀月聖教の聖女。雲廣陵と結ばれ、雲上闋を産んだ。

ある日を境に行方不明になるが……。


その他編集

獸戮祭世(じゅうりくさいせい)

譜命寰界に生息する慾獸の一体。高い戦闘能力を有する。

外見は『鬼滅の刃』に登場する手鬼に似ている。

その正体は……。


映芙蓉(えいふよう)

琵琶に似た楽器を抱える、白衣の女性。楽器の音で傷を癒す能力を持つ。

映殊絡の姉だが、「芙蓉夫人」の他に、別の通り名も併せ持つ。


任孤雲(にんこうん)

笠をかぶった中年の剣客。元は祀月教の右護法を務めた。

映殊絡の恩義を返すため、各地を歩き回る。


元貘魄尊(げんばくはくそん)

噬夢元貘の「魄」が、ある者の肉体を乗っ取って復活した姿。終盤に登場。

命君孤羅と協力して、談無慾たち正道と敵対する。


用語編集

寰界(かんかい)

悪の組織「六蝕玄曜」が、中原の各地に展開された複数の結界。寰界に包まれた地域は、外の世界と隔絶され、寰界と外の行き来は困難である。複数いる寰界のうち、北武林に展開された「譜命寰界」が本作の舞台となる。


譜命寰界(ふめいかんかい)

北武林を中心に展開された寰界。支配者は命君孤羅

寰界内部における時間の流れは、外部より数倍早い。外部では数か月経過したことに対し、寰界内部では30年もの年月が流れた。そのため、独自の世界観が発展することに至った。内部では謎の生物・慾獸が発生して、武林の平和を乱している。


慾獸(よくじゅう)

譜命寰界の中に生息する謎の生物。譜命寰界が展開され、内部で数年が経過した頃に、突如発生し始めた。人型だが、外見は異形でおぞましい姿をしている。人間を見つけ次第、襲いかかる危険な存在であるため、正道の組織が討伐する対象となった。

人語が話せる個体も出現しており、人間と意思疎通ができるかは不明。その正体は、人間が慾種によって変異した怪物である。


慾種(よくしゅ)

人間を慾獸に変異させる種。譜命寰界の中に散在しており、住民の全員に慾種が体内に植え付けられている。そのため、ほとんどの登場人物は慾獸になる恐れがある。慾種を吸収することで、自身の力を増幅できるが、変異のリスクも上がってしまう。

欲望が高めることや、ほかの特殊な手段を使い、体内の慾種を刺激できる。刺激された慾種が暴走したことで、肉体の変異が起こる。


噬夢元貘(ぜいむげんばく)

古き時代に存在した悪獣。その恐ろしさは、「霹靂朝靈闕」に登場した地獄鳥と名を並ぶほど。夢喰いのであり、人の夢や願望・欲望を糧に生きる習性を持つ。明府指淵の主・北隍應がその末裔に当たる。

噬夢元貘はかつて死亡した際に、魂魄が「魂」と「魄」の二つに分離された。現在の譜命寰界の中では、噬夢元貘の「魂」と「魄」が、どこかに潜んでいる。


関連タグ編集

霹靂布袋戲 談無慾 命君孤羅



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