説明
「食い尽くし系」とは、家庭などの内向の場において、食物を独占して自分のみで食べ尽くしてしまう人のことを指す言葉である。「食べ尽くし系」とも言う。
食い尽くす食品は人それぞれで、文字通り「食べ物なら何でも食い尽くす」人もいれば、「肉ばかり」「濃い味付けのものばかり」「甘いものやお菓子ばかり」などを狙って食い尽くす派生系もいる(不思議と「野菜ばかり」な食い尽くし系はほとんどいない)。
食い尽くし系の人間は、配偶者やこどもなどの同居家族の食物やストックしている食糧をその家族のものと認知していても横取りして食う様から、強迫性障害や支配欲によるDVの発現と考えられている。
なお、食い尽くし系は「食いしん坊」と同一視されることもあるが、食い尽くし系の場合は「自分以外の人の食べ物までをも奪って食べ尽くす異常性」が見られる点が大きく異なる。
同様に、自分で自分の食事を大量に作って(または買って)これを食い尽くす人も「食い尽くし系」とは言わない。
むしろ食い尽くし系は「自分では買わない(金を出さない)」「自分では作らない(調理をしない)」者が多く、他者が買った(または作った)食べ物ばかりを狙って食い尽くす行為が「対価を払わず負担もせず、ただただ貪り食うだけの卑しい人」と認識されやすく、我先にと食べ物を口に詰め込む汚らしさやテーブルマナーおよびデリカシーの無さから、時として「豚」「泥棒」「穀潰し」などに喩えられる(※ただし、泥棒や穀潰しはともかく豚は実際は綺麗好きな生き物であり、対価も己の命できちんと支払っているので、食い尽くし系を豚呼ばわりするのは豚に失礼である)。
「食い尽くし系」に至るまでの経緯は人それぞれだが、大きく分けて「疾病または障害によるもの」と「本人の性格、もしくは育った環境によるもの」に大別される。
「疾病または障害」由来の場合、前述の強迫性障害などの精神疾患によるものが原因であることが多いとされている。
世の中には満腹中枢に異常を抱えている人(幾ら食べても脳が満腹を感じないため、幾らでも食べてしまうケース)もいるが、「他者の食べ物を奪ってでも食べたい」と考えるのは別の問題を抱えていると言わざるを得ない。
「本人の性格、もしくは育った環境」由来の場合はいくつか主だった理由に大別すると、
- 「家族の分まで自分が食い尽くすことで、自分が家庭内で一番格上だと分からせる」などの極めて自己中心的な思考・性格が原因のケース
- 「貧困家庭や兄弟の多い家庭で幼少期を過ごしたため『食える時に食えるだけ食う』『早い者勝ち』といった考え方が染み付いている」というケース
- 「裕福な家庭に生まれたり、もしくは親に甘やかされて好きなものを好きなだけ食べて育ったため、自他の区別がついていない」というケース
…などが挙げられる。
強迫性
「食い尽くし系」を注意する行動、「食い尽くし系」から食物を選り分ける行動、「食い尽くし系」から食物を隠す行動をすると「食い尽くし系」は激高して前後不覚になり暴力を振るうことがある。
創作における「食い尽くし系」
家庭における食事という身近な題材なためか、YouTubeのスカッとする話(スカッと系)の動画でも様々な「食い尽くし系」の話が投稿されている。
中でも「平成の雄叫び」は食い尽くし系DQNを扱った動画が多く、「子供の分まで食い尽くすくせに、自分が満腹になったら残りは用済みとばかりに全部ゴミ箱に捨てるクズ夫」だとか、「普段の食事どころか話し合いのための会食の席でも他者の食べ物を奪って食い尽くし、周囲から『化け物』『動物』呼ばわりされてもやめないマザコンデブ」など、かなりろくでもないあたおかが登場する話もまた多い。
一方で、食い尽くし系は同チャンネルでよく題材にされる不倫のような法に触れるほど悪質な行為ではないためか、当人に対する制裁も生ぬるい(離婚や絶縁して終わりで、DQN本人はほとんどノーダメージ、という展開も少なくない)ものが多いため、人によっては胸糞な終わり方と感じられてしまう作品もあるので注意が必要である(上記のリンクもこの例に漏れないため注意)。
しかし民法770条では、裁判離婚が認められる法定離婚事由として次の5つが定められているのだが、
1・不貞行為(不倫)、2・悪意の遺棄、3・3年以上の生死不明、4・強度の精神病、5・その他婚姻を継続し難い重大な事由
「食い尽くし系」は精神疾患であれば4、その他性格の問題であれば5に当てはまるケースも考えられ、不倫と同等の法定離婚事由と見なされる可能性は十分ある。
実際、震災で避難所生活をしている時に配給される食事を配偶者が分けずに食べ尽くしてしまったケースでガチの離婚になった案件もある。
真面目な結論
これらの被害に遭っている人は公的機関に相談することをお勧めする。
「腹は立つけどこんなこと相談するのは恥ずかしい」と思っているあなた、もしあなたの住む町で災害が起きたらどうする?
平時でさえ自分を律することが出来ない人間が非常時にどうなるかは火を見るより明らかである。
高齢者であれば、相談したことで何らかの脳の疾患が見付かったケースもある。
関連タグ
- 認知症:高齢者の場合このケースも。