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概要

黄昏の天使とは、1988年にホビージャパンより発売されたクトゥルフ神話TRPGのサプリメントである。当時学生だった有坂純氏がシナリオを担当している。日本で発売された唯一のキャンペーンシナリオとなっている。

凶悪極まりないNPCの性能やクトゥルフ2015のサプリで暗にあれはやりすぎと言われるほど強力なアーティファクトや、日本神話とクトゥルフを絡め、全国を飛び回るスケールの大きなシナリオなどもあり、一部では有名だが、現在絶版となっており、一時期は10万以上の値段が付いたとんでもないプレミア商品になっている。(箱に入っている為本扱いにはならず、国会図書館にも所蔵されていないようである)

リメイクや再販を希望する声もあるが、有坂氏曰く「シナリオを入れてるフロッピーは腐っており製品見て書き起こさないとダメだし、今の自分から見てもアレなのでリライトしなければならない」との事。

おまけとして80年代の武器等の性能や視覚や聴覚を喪った探索者に関して解説した資料が付いている。

ストーリー

千葉県のとある猟奇殺人の解決に関わった探索者達。この殺人事件から謎の女、片桐由理との関わりを経てG∴O∴Tという結社や「黄昏の天使」の陰謀を止める為の戦いに巻き込まれる事となる…

 

主要NPC

片桐由理

1話のヒロイン。千葉で起きた猟奇殺人の現場に姿を見せる謎の女。

藤枝優子

片桐由理の妹で、2話から登場するキャンペーン全体のヒロインともいえる存在。若くして夫と死別した未亡人。未亡人の設定元は完全にこの人だが、現在のオタクにはあまりウケないだろう設定の為、KPの判断で変えた方がいいと坂東真紅郎氏も言っている。

山岸鳴空

無量光寺というお寺の住職で、由理と優子の面倒を見ていた育ての親ともいえる存在。神話的知識もあるようだが…

高見沢葵

G∴O∴T∴という謎の組織を追う女性ジャーナリスト。関西弁で気のいい性格。アフガンの戦場を取材していたという意外な過去がありその時の傷の影響で右脚を引きずって歩く癖がある。

浜敬吾

G∴O∴T∴に狙われる老人。人目を避けるように北海道で細々と暮らしていた。

物部瑠璃音

岩手県の遠野地方にある鳴神村という村に住むどこか神秘的な雰囲気の女子高生で、ポニーテールのどこか猫を思わせる雰囲気というあざとい設定の巫女。APPは18。

稲田貴耶

鳴空老人の旧友の弟の孫でG∴O∴T∴に狙われている美青年。

アルベルト・ケンプ

ナチス残党の武装将校で沈黙部隊という部隊のリーダー。

片桐由理

古代出雲王朝の神官だった拝一族の末裔。自身の父親である拝幻一郎の陰謀を知り、戦う事を決意したというバックグラウンドがある。弓の95%を筆頭に80%以上の技能が複数ある強キャラ。

1話の最後に必ず死亡する運命にある。

死後にも呪文やアーティファクトを遺してくれているありがたい存在。

拝幻一郎

由理と優子の父親で、1話の猟奇殺人事件の犯人で、拝一族の生き残り。一族としては出来損ないの部類だった模様。

一族が惨殺された影響もあってか選民思想をこじらせた結果、ホテルを買い取り、そこに宿泊した客を使い100件近くもの人体実験を繰り返していた。老いへの恐れから召喚した星の精と合体し、理性の無いおぞましい怪物に変貌を遂げた。拝一族の神器のヤタノカガミを所持している。

藤枝優子

彼女も拝一族の末裔。実は母親の胎内にいた頃、幻一郎の人体実験によって異界の生物の細胞を接種させられた影響で、人と古のもののバランスを保っているという拝一族の先祖に近い形に先祖返りしている為不思議な力を持っている。

2話のラストで探索者の1人と結婚することになり、探索者達はいくつものシナリオで彼女の予知夢や拝一族としての力に振り回さr…助けられる事になる。

シナリオの都合上死亡させる事ができないNPCでもある。

山岸鳴空

本名は山岸君太郎といい、1947年に出雲に考古学の調査に赴いた際、たまたま宿を借りた旧家の主である拝麗子の陰謀に気付いてしまい、拝一族を皆殺しにした5人組の1人という過去を持っている。

3話で夕泊蘭子に心臓を抉られ殺害される。

浜敬吾

拝一族を葬った5人組の生き残り。行方不明の稲田修を除いた3人が殺されたのを知り、勤務先から姿を消す。4話の冒頭で暗殺されかけて意識を失う。4話のラストに目を覚まし、本では3ページ、セッションにすると数十分から1時間にも渡る独白をしてくれる。6話のラストでとうとう現れた夕泊蘭子に探索者達の目の前で心臓を抉られて殺害される。

光のオーロラ

G∴O∴T∴の幹部「3人の戦士」のうちの1人。コーカソイド女性で、元ネオナチのコマンダー。銀の黄昏教団を離脱する際に蘭子が引き抜いてきた。その経緯からナチスからは追われる存在。

本来の使命は浜圭吾の暗殺で、若い女性を拷問して苦しむ姿を見るのが好きというアブノーマルなサディスト。

元から高いスペックなのに人体改造でDEXとCONとPOWが2倍になっているが、新陳代謝も疲労も倍になっているという弱点もある。

生弓矢という装甲無視で射程無限、MP次第で全体攻撃も可能というとんでもないアーティファクトを使用してくる上、被害をそらす用のMPを貯蓄したペンダントを持っているやっかいな強敵。一方で録音されているとは気付かず、冥土の土産代わりに長々と色々な事をベラベラ喋ってしまうという、うっかりした面もある。

稲田修

拝一族を葬った5人組の1人。実は拝家に仕えていた家の子孫であり、拝一族を皆殺しにした際に衝動に駆られ、炎で燃え盛る屋敷に戻り、死にかけだった一族の巫女である拝由美が赤子を産むところを目撃する。その際一族の使命に目覚め、その赤子(夕泊蘭子)を連れ帰り育ての親になった。蘭子が18歳の誕生日を迎えた時に復讐の始めとして自身を殺害させた。親としては愛情を注いでいたようで、真実を告げ自分を殺せと命じた際に蘭子は涙を流していた。

夕泊麗子

本編ではすでに故人ではあるが本作の黒幕ともいえる存在。子爵家の令嬢で、銀の黄昏教団の極東支部の幹部だった。旧支配者の復活という自身の目的の為、拝家を利用しようと考え、当時の当主の拝修理の後妻になり、娘である由美を出産。由美ではまだ巫女として不十分と考えた麗子は幼子の誘拐や人体実験などの非道な研究の結果、由美とその異母兄弟である天二郎を番わせ、先祖返りした子を懐胎させるという「危険な配合」を行い、さらなる力を持つ巫女を作る事を計画。由美は蘭子を妊娠した。

その実験の副産物として拝村の人間を先祖帰りさせ、古のものの特性を色濃く出した地虫衆という奉仕種族を産み出している。

その後たまたま迷い込んで宿を借りた山岸達5人組によって冒涜的な儀式に夢中になっている隙に襲われ、一族ごと惨殺された。

炎のコロナ

G∴O∴T∴の幹部「3人の戦士」のうちの1人。神器の1つアマノムラクモノツルギを捜索する任を蘭子から受けている。その能力の故か本作最大の問題児。(昨今の事情を考えるとその名前も…)

スキンヘッドの色黒のマッチョな外人で、立川流由来の性魔術を使い、アレした女性をアレし、アレにするという20年以上先の薄い本から来たのではと見間違う男。(本書には女性PCがこいつに捕まりXXされるという強制イベントもあるが、不快にさせる可能性が高いのでセッション時に行う際には絶対に相談が必要と思われる)

周りにその能力で従えた四季の乙女という4人の美女を侍らせており、肉盾代わりにしている。

クトゥルフ2015でも紹介された直接攻撃が当たると永続ダメージになり、回避に成功しない限り自動命中の遠距離攻撃も可能な生太刀という高性能アーティファクトに、被害をそらす用のMPの篭ったペンダントを持っている。

物部瑠璃音

実は飛鳥時代より生きており、権力争いに負けて東北に落ち延びた物部氏の末裔。(物部守屋の孫という設定で、彼女は大叔母になる)その際に一族は朝廷の武器庫から折れたアマノムラクモノツルギの半分を持ち出している。

遠野で飢饉に苦しむ一族の為に自分を生贄に捧げたところ、山の神によって永遠の命と半神の力を与えられており、天候操作や治癒、ブチ切れた時の最後の奥の手などの様々な力を持っている。能力は非常に高いが火に弱かったり山の30km圏内でないと行動できないという制限もある。その特性から炎のコロナとは相性が悪い。

キャラのイメージは遠野物語雪女

彼女の舞う神楽はある状況を打破する為の鍵となる上、POWやCONが上昇するというありがたい効果がある。

稲田貴耶

稲田貴耶は偽名であり、G∴O∴T∴の幹部「3人の戦士」のうちの1人風のシムーンがその正体。探索者達を仲間に引き込もうと考えた夕泊蘭子の意向で、その資質を見極める試験官としての役割を果たす為、探索者達に近づいてきた。

拝麗子の実験により誕生した人間と古きものを掛け合わせた奉仕種族である地虫一族の頭領で、他の一族と違い人間の姿が本当の姿であるが、戦闘時には怪物じみた地虫一族の姿にあえて変身することもできる。

3人の戦士のお約束といえる天の詔琴という奏でた音を聞いた人間の精神に作用する効果に、バリア効果持ちのチートアーティファクトと、被害をそらす用のペンダントを持っており、一度目の対決は琴の効果で強制的に敗北する負けイベントがある。(捕らえるのが目的の為、彼のテストに合格すれば殺しはしてきたりはしない)

イクリプス

G∴O∴T∴の司令船にあたるサン=ジュスト号の船長で光のオーロラと同じく、銀の黄昏教団から引き抜かれた古参メンバーで新参者の風のシムーンとは仲が悪い。

アルベルト・ケンプ

彼の率いる沈黙部隊は風のシムーンに対抗する為に外科手術で聴覚を取り除いた人間を集めた部隊で、サン=ジュスト号の攻略の為探索者達に協力を持ちかける。

光のオーロラの弟子にあたる存在で彼女をたぶらかした夕泊蘭子を憎悪している。

夕泊蘭子

本作を象徴するキャラで、G∴O∴T∴の指導者「フェニックス」その人。由理と優子の従姉妹にあたる。クトゥルフ神話TRPG史上でも屈指の高ステータスを誇り、人間相手ならほぼ必ず先制してくるDEXで3桁ものPOWで魔法をぶっ放し、低コストのMPで回復やシャンタク鳥や忌まわしき狩人の召喚→従属のコンボも使用可能。おまけに美しすぎて正気度チェックが入るレベルのAPPを誇る。(流石にSTRとSIZは常人レベル)

その余りにも高すぎるステータスの裏には拝一族の血統と儀式により小神を取り込んでいるというカラクリがある。(代償として体に神が馴染むまでは満月を挟み3日しか行動できず、後の日はカプセルで眠っている)

上記の能力の他にもやっぱりというか超チートな拝一族の神器の一つヤサカニノマガタマを所持しており、時空を操る能力で某魔術師殺しのような事こいつのような事もできる為、正面から戦いを挑むのは無謀極まりない。ちなみに蘭子はヤサカニノマガタマを使い本来43歳の自分の年齢を22歳の頃に固定している。

燃え盛る拝邸でほぼ死体の母親から産まれ、稲田修から各種英才教育を受けた後、18歳の誕生日に育ての親である稲田修を殺害した後、祖母の伝手を辿り、銀の黄昏教団の一員となるも独立し、G∴O∴T∴(東方薄暮騎士団)を立ち上げた。(独立時に人員の引き抜きや金塊やサン=ジュスト号の強奪をしているため教団やそのバックのナチス残党からは恨まれている)

その目的は人と旧支配者や外なる神との仲立ちとなる「黄昏の天使」を創造する事と、古代出雲王朝の強大なエネルギー生命体ヲロチを日本に解き放ち、壊滅に追い込んで世界の掃除を行い神を降臨させる地にしようというもの。本人は人と神が調和し、その力を受け入れて進化するのが人類にとって幸福と考えており、本人としては完全に善意でやっている。

炎に包まれた拝家で産まれたという出自もあってか魔術名をフェニックスにしたり、鳴空老人達に凝りまくった殺害予告を送ったり、ダーク・エンジェル号をサン=ジュスト号に改名したり蘭子は蘭子でも違う蘭子のようなセンスも持っている。

また、わざわざ22歳の若さを保っていたり、育ての親を殺害する際には涙したり、ナチスをどうしょうもないファシストと皮肉ったり、部下の報告に「私の3日しかない貴重な時間を無駄な報告で使わせるな」とキレ気味の返事を返したりと、超然としているようで意外に俗っぽい人間的な一面も持っている。

ヤサカトメ

諏訪湖の地下にある古代出雲王朝のピラミッドで夫である拝一族の神官であるタケミナカタの墳墓を守っている亡霊。怨霊と言った方が良い存在だがそれも夫への愛故。

八雷神祝呪という古事記にも載っている由緒正しき電撃呪文を使用する。

タケミナカタ

拝一族の神官で異次元エネルギーのヲロチの暴走を止める為に戦い、制御に成功するも、アマノムラクモノツルギを折ってしまい、自身も負傷で亡くなった。古のものの血が強く、両側に二対と背中に一本の計五本の腕と2.5mもの巨体を誇った異形の存在だった。

スフィンクス

G∴O∴T∴最後の幹部で科学や医療のエキスパート。小関愛子という33歳の日本人女性で優秀な医学者だったが、無口なコミュ障でおまけにブスだった為、研究の手柄を奪われるなど学会から冷遇されていたという悲しい設定の持ち主。拾ってくれた蘭子には絶対的な忠誠を誓っている。

戦闘はそこまで強くないが、50ポイントの自由に使えるMPが蓄積されているという強力な杖を持っている。この杖は3人の戦士の武器と違い、探索者は取得できない。

このシナリオでは探索者達は魔術完全無効のアマノムラクモノツルギを持っているため、蓄えられたMPは全く役に立たなく直接殴るしかない為、やっぱり悲しいキャラ。

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